先日、ある患者を連れて中規模病院に行った。紹介状も予約もあったけど、案の定2時間は待たされました。よくあることなので「またか」と思いましたが、患者さんは「僕が外国人だから…」としょげていたので、そんなことはないと説明するのにひと汗かいたのですが。
ところで、2時間くらい経った頃、ようやく呼ばれて診察室に入って行くと、以前お目にかかったことのある先生だとすぐに気付きました。先生はすぐに、てきぱきと手短な英語で質問を始めて、ようやく私の存在に気がついた様子。で、一言。「あ、前に来られましたね?」と。「はい」と私が答えると、「じゃ、あなたならお願いします。」と言うと、そこから後は日本語になりました。
正直、本当に嬉しかったですねえ。頑張り甲斐があります。
診察はサクサク終了しました。
ただその後、診察室を出てから聞いた患者の話に少し驚きました。実は患者さんは前に他の病気で他のクリニックに行ったそうです。そこは、先生が実に簡単な英語で診察されたそうなんですが、先生がこれまた威圧的な態度だったらしく、患者さんは気おされて、「はい、」「はい」とただ答えていただけだったそうな。挙句に、8種類くらいの薬を渡されて、その内容もはっきりとわからないままに、飲んでいるそうな。
英文で詳細が書かれた薬の用紙を握りしめて、(今日の先生にも見せていましたが)、きっと心配なんでしょうか。
可愛そうだと思いましたが、もちろん私にはどうすることもできません。
クリニックが英語対応可能と標榜すると、どうしても通訳者が一緒に行くことが減ります。そうすると、上記のような事態が出てくるのですね。患者さんが真面目であるほど処方された薬を飲んで、治らなければ、また一からやり直しになります。