北海道で2日から3日にかけて続いた暴風雪で8人の死者が出て、改めて北海道の冬の厳しさと怖さを知りました。亡くなった方は皆お気の毒ですが、とりわけ父親が娘を守って亡くなった事故と、母子4人が亡くなった事故には胸が強く痛みました。
湧別町では、53歳の男性Oさんが乗っていたトラックが2日の午後に雪で動けなくなり、こOさんと9歳になる娘のNさんは事故場から約300メートル離れた牧場の倉庫前まで行きそこで倒れていました。発見されたとき父親は風が来る方向に背を向け、娘を胸に抱きかかえていたそうです。娘は父親に抱きかかえられたまま、消え入りそうな声で泣いていたといいますが、手などに軽い凍傷を負いましたが、命に別条はなかったようです。しかし0さんは搬送先の病院で死亡が確認されました。身をもって娘の命を救おうとしたこの父親の深い愛情には涙を催しました。この人の奥さんは一昨年亡くなり、男手ひとつで娘を育てていたようで、それだけに娘への愛しさはひとしおだったのではないかと想像します。残された娘は母に続いて父親も喪い、まして父親は自分を抱きかかえて守ってくれたと聞いてどんなに悲しむことかと思います。Oさんの冥福を祈り、娘のNさんが身をもって自分を守ってくれた父親の面影を抱いて幸せに成長してほしいと願います。
また中標津町では40歳の母親と高校2年生の長女、中学2年の次女、小学5年の長男の4人が乗った軽乗用車が自宅近くで雪に埋もれて、4人とも一酸化中毒死しました。なぜエンジンを切らなかったのかと思いますが、あれこれしているうちに意識を失ったのでしょう。この家族には父親はいなかったのでしょうか。もしいたら、一度に妻子を喪った悲しみはどんなに深いものかと思います。
今年の北海道は厳しい冬だったようです。温暖なこの辺りに住んでいると冬の自然の恐ろしさは想像できないのですが、このような悲しいニュースを知ると北海道で生きるのは、本当に大変なことだと強く思いました。