中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

江南の旅-嘉興のちまき-

2006-11-10 08:59:04 | 中国のこと
 嘉興(Jiaxing)は上海の市街地から小1時間の所にある浙江省の東端の市である。市の中心部にはきれいな湖があるそうだが行ったことはなく、高速道路のそばにあるパーキングエリアで休憩するだけだった。ここで粽子(zonziちまき)を売っている。これまでにも行ったことがあるが、今年はみやげ物店や粽子の店はきれいに改装されていた。



 嘉興の粽子は中国でも有名だそうで、それもあってか大勢の客で賑わっていた。粽子は三角堆形で大きな笹の葉で包み、糸で縛ってある。中身は醤油で味付けた糯米の飯に豚肉、栗、卵黄などの具が入っていてなかなか旨い。1個は200グラムくらいもある大きなものだが安いもので、大肉入りと言う普通のもので3.5元(約50円)くらいである。大きな水槽のようなものの中に入れて暖めていて、客はこれを持ち帰ったり、その場で食べたりする。



 粽子は本来は旧暦5月5日の端午節に食べるものだ。戦国時代(前403~前221)の楚の国の王族であった屈原(quyuan)が妬まれて失脚し、隠遁した湖南省の汨羅(Miluoべきら)のほとりで楚の都が秦に攻め落とされたことを聞き、嘆いて河に投身し国に殉じた。村人達は彼を悼んで祭り、いろいろな供物を供えるようになった。その後、後漢(25~220)の時代に欧回(Ouhui)と言う人が河のほとりで三閭大夫(屈原)と名乗る人物に出会い「毎年端午節に私を祭り、供物を河に投げ入れるので魚がみな食べてしまう。供物を芦の葉で包み糸で鋭角状に縛れば、魚は菱(ヒシ)の実と間違えて食べなくなるのでそうしてほしい」と訴えられたことを村人達に伝えたと言うのが、粽子の起源だと伝えられている。


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