中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

塩水鴨(yanshuiya)

2006-12-15 09:29:02 | 中国のこと
 東京の旅行社に勤めている上海人の施路敏が、塩水鴨と醤鴨というものを送ってくれた。10日間ほど休暇を取って上海の両親の所に帰り、その時に南京の母方の祖父母の家に行った。その南京のおみやげである。彼女は男の子との双子で、生まれてすぐに彼女だけが祖父母のもとに預けられ、小学校に入学するまで養育されたので、南京の方が故郷のようなものらしい。祖父母に優しく育てられたせいか、とても気立てが良く優しい性格の娘で孫娘のような気持ちがしている。2002年に上海から杭州を訪れた時にガイドをしてくれて以来の付き合いである。

 この塩水鴨は南京の名物らしい。包装袋には「桂花鴨」と記され、裏面の説明文を読むと肉に桂花(木犀)の香りがあって、100年の伝統技術を承け継いでいるそうだ。袋の中には真空包装された縦割りの500グラムの半身が入っている。取り出して薄く切って食べると、適当な塩加減で実に美味しい。食欲をそそる良い香りがするが、それが桂花の香りなのかは私の嗅覚では判らなかった。路敏は1回で食べると言ったが、最近とみに小食になった私には無理だし、珍しいものだから、大切に少しずつ食べようと思う。もう1つの醤鴨(jiangya)は醤油味のようだ。

      

 中国では鶏の他にもアヒルもよく食べられ、ガチョウ(鵞鳥)も食用にされている。この塩水鴨もマガモの養殖品種のアヒル(家鴨)だろう。中国の農村地方に行くと池にアヒルの大群を飼育しているのや、オートバイなどに山のように生きたアヒルを積んで走っているのをよく見かける。肉はもちろん卵も羽毛も利用される。羽毛は日本にも輸入されていて羽根布団やダウンジャケットの保温材に使われている。南京のレストランで食事した時に、塩茹での鴨の舌を食べたことがある。輪のようになった軟骨の一部に小さな三角形の舌が付いているもので、珍味なのだが、皿に山盛りしてあるのを見て、舌は当然1羽に1つしかないから、毎日膨大な数が食用になっているのだろうと、いささか驚きながら考えた。


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