中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

スマホ中毒

2013-07-25 09:39:23 | 身辺雑記

 最近は車内で携帯電話を使っている人がますます増えているように思います。先日も電車に乗った時に見ていたのですが、近くにいるだけで10人以上が使っていました。乗ってきてすぐに携帯を取り出して熱心に画面を見ています。その様子は、周囲には全く関心を向けず自分の世界に閉じこもっているようで何か異様な感じもします。近頃はスマートフォン(スマホ)という多機能携帯電話になっていて、これを持つ人がも非常に多いようですが、私は従来型の携帯電話でさえもまともに使いこなさないのでスマホには関心がなく、何がスマホに熱中させるのかよくわかりません。スマホに熱中するあまり、事故や他人迷惑な事例も起こっています。6月に『毎日』紙に 「歩きスマホ 画面より大切なもの』という社説が載りましたが。その出だしは次のようなものです。

 「東京都内の私鉄駅で、スマートフォン(多機能携帯電話、スマホ)を見ながら歩いていた若い女性が突然、プラットホームから線路内に落ちた。都心部の交差点で、スマホをいじっていた男性がいきなりぶつかってきた。JR駅の改札口で人が動かないと思ったら、スマホを操作している人が流れを妨げていた。  いずれも、最近、目撃した人の話だ。スマホの広がりで、画面を見ながら歩いたり、自転車に乗ったりする人が増え、トラブルの原因になっている。」

 このようにスマホなどを操作していて駅のプラットホームから落ちた事故は国土交通省の調べでは全国で2010年度は11件、11年度は18件。けがをした人が各年度1人ずついたそうですが、これは把握されている分だけだそうですから実際にはもっと多いのでしょう。ホームから落ちたりするのは、冷たく言えば自業自得ですが、他人に迷惑を与えるのは論外でしょう。  

 この社説によると、筑波大の徳田克己教授(バリアフリー論)が首都圏と大阪圏の大学生のうち、通学に電車を利用していて人ごみを歩くことがある650人の調査をした結果ではスマホの所有率は93%で、携帯機器を使いながら歩いている人とぶつかったり、ぶつかりそうになったりした経験のある人は6割以上にのぼったということです。 徳田さんが07年にスマホではない携帯電話で同様の調査をした時よりも事故が増えているそうで、スマホは画面上の情報が多く、視野が狭くなりがちで事故やトラブルが増えているようです。 

 社説は、歩きスマホが高齢者や幼児、障害者、車いすやベビーカーにとって、とても危険なことで、点字ブロックの上で視覚障害者と正面衝突したり、階段で老人と接触したりする例もあるようだと指摘し、、歩きスマホは「動くバリアー(障壁)」というより「歩く凶器」だという徳田さんの言葉を紹介しています。そして「スマホを見ながら」は個室を公共空間に持ち込んでいるのと似ている、他者への配慮が希薄になっているのではないかと言っています。

 このような若い人たちを中心にしたスマホ依存症的現象は、ますます強くなるのでしょう。『毎日』の社説はに「路上喫煙のように条例で規制するのは最終的な手段だ。まずは、啓発と呼びかけ、自覚とマナーでこの問題に取り組みたい」と結んでいますが、とかく自己中心的な意識や言動が見られる若者には馬耳東風なのではないのだろうかと、私はどうも悲観的に考えてしまいます。


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