今月の7日のことですが、栃木県教委は50歳の男性の中学校教諭を、体罰をしたとして戒告の懲戒処分にしました。この教諭は昨年授業中に、金属棒で机を叩き続けた女子生徒を教科準備室に連れて行き、片手で突き飛ばしたり、指示棒や平手で頭を複数回叩いたり、太もものあたりを足で複数回軽く蹴ったりしたようです。
教諭は「今後に度とこのようなことのないようにしたい」と反省しているということですが、授業を妨害した女生徒については校長など学校は何の指導もしなかったのでしょうか。授業中に金属棒で机を叩き続けたこの女生徒にも問題はあると思います。教科準備室に入ってからも果たして教諭の注意なり叱責なりを素直に受けたのだろうか、反抗的な態度をとって、教諭をさらに怒らせたのではなかったのかとも思います。
体罰を受けた生徒にも問題があったからと教師の体罰を容認する意見もあることは事実ですが、やはり体罰はするべきではありません。しかし、生徒の方にも問題があることが少なからずあって、かつて聞いた話では、ある中学校で生徒が、叱ろうとした教師を「殴るなら殴ってみい。教育委員会に訴えてやるぞ」と挑発したと言うことです。将来はともかくとしてその段階ではどうにもならないねじ曲がった生徒もいるのです。こういう生徒の指導はかなり困難なものですから、クラス担任や教科担任だけに任せるのではなく、学年や学校全体で取り組まなければならないと思います。一人の教師の手には余ることが多いのです。教師だけを処分して、生徒については何の指導もしなければ、そういう問題生徒はますますつけ上がるでしょう。
小学校の教師をしている私の次男は、かつて6年生の担任をしていた時に担任したある女の子には手を焼かされたと言います。家庭にはかなり問題があり、中学生の兄は非行生徒だったようですが、その女の子は叱ったり注意したりすると膨れてそっぽを向き、褒めると嘲るというまことにやりにくい性格だったようです。中学校に行けばもっと厄介な子になることは十分想像できるが、そのようなことがないように今何をしても無駄に思う、家庭がちゃんとしていないとだめだ、とにかく問題を起こさないように気をつけていくしかない、教師にできることには限度があると息子は言っていました。虚しいことですが仕方がないのかも知れません。