goo blog サービス終了のお知らせ 

中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

食のゲーム化

2013-06-01 07:24:01 | 身辺雑記

 もう何年か前、我が家にテレビがあった頃ですが、2回ほど「大食番組」を見ました。どのような内容かは忘れたのですが、とにかく若者が呆れるくらい大食を競い合うもので、見ているだけでうんざりするくらいでした。テレビ以外にも、ある青年がアメリカに行ってホットドックの食べ比べをして優勝したというニュースもありました。男性だけでなくある女性もテレビの大食い番組の常連だということも聞きました。常人では想像できない大食いをする若者もどうかと思いますが、こんな番組を制作して放映するテレビ会社も程度が低いと思います。今でもこのような番組はあるのでしょうか。

 このようなことは江戸時代にもあったようで、大久保洋子『江戸の食空間』(講談社学術文庫)を見ると、町人文化が盛んになった江戸時代後期の文化・文政期(化政期1804~1829年)にはグルメが流行し、一部の富裕層は贅沢三昧をしたのですが、そのような傾向が庶民の間に広がると食がゲーム化して、やはり大食いを競い合う風潮が生まれたようです。この本には例として、文化14年に両国のある屋敷で開かれた「大酒大食之会」での次のような大食ぶりが紹介されています。

 大酒グループでは38歳の男が三升入りの杯を六杯半飲んで倒れ、長い休憩の後水を茶碗に17杯飲んだ。

 菓子グループでは、饅頭50個、ようかん7本、薄皮餅30個を一気に食べたうえに茶を19杯飲んだ。

 飯の部では飯50杯、唐辛子5把、あるいは飯53杯に醤油3合などの記録がある。

 そばは中型の皿状の椀に盛り上げたもので63杯。 

 江戸時代の大食と現代のそれとは比較しにくいのですが、現代の大食競争は江戸人もやっていたことでした。いずれにしても人が生きるために必要な食をもてあそぶような風潮は退廃だと思います。大食でなくても今の日本では食べずに廃棄されたり残飯となる食料品が非常に多いと言います。もったいないことで、罰が当たるような気がします。

 

 

 

 

 

 


最新の画像もっと見る