西院伽藍を出て北に向かいますと高倉式の建物が見えます。これは綱封蔵(こうふうぞう)と言って平安時代の宝物庫です。
この蔵のそばを通って行くと大宝蔵院があります。平成10年に落成したもので多数の宝物が展示されています。
インタネットより
ここには白鳳時代の夢違観音(ゆめちがいかんのん)や玉虫厨子など有名な文物が多数展示されていますが、圧巻は飛鳥時代の百済観音像です。日本の仏教美術を代表する仏像で、すらりとした八頭身の優美な姿で穏やかな表情と共に魅了されます。必見の仏像です。
夢違観音(インタネットより)
玉虫逗子(インタネットより)
百済観音(インタネットより)
幼い頃は仏像は何か気味の悪い存在でしたが、長じるにつれた魅かれるようになり、今ではこのような古代の仏像の傍で過ごしたいくらいです。どんなにか心が静まるだろうかと思います。大宝蔵館に展示されている仏像は様々で、中にはとても可愛らしい表情のものもあり心が和みます。古代の仏師たちはどのような面影を心の中に描いて造ったのかと思います。
大宝物殿を出て東院伽藍に向かいました。この道は東院伽藍にまっすぐに通じていますが、途中に奈良時代の東大門があり、そこを通ってしばらく行くと夢殿のある東院伽藍に着きます。
夢殿は奈良時代のものです。八角円堂の中心には厨子があり、飛鳥時代の作の、普段は拝観することができない秘仏の救世観音(くせかんおん)が安置されています。春と秋だけに開帳されますが、訪れた時はちょうど春季の特別開扉の時で拝観できたのは幸いでした、もっとも中に入って傍に寄ることはできませんから、外の網格子越しに拝観しました。救世観音は聖徳太子を模したものだそうですが、その神秘的な微笑みが有名です。
救世観音の写真はインタネットより
これでざっとですが法隆寺の参観を終えました。境内は静寂でゆったりとします。修学旅行の小学生や中学生が来ていましたが、皆静かで行儀がよく感心しました、小学生には法隆寺は少し難しいと思いますが、人で混雑している東大寺よりもこちらを選んだのは良いと思いました。法隆寺は一度は訪れたらいい所です。次男はもうすぐ50歳になりますがこれまで法隆寺に行ったことがなかったので、良かったと喜んでいました、
境内にあった奇樹。何本かが重なって癒着したように見えますが、何の木か分かりません。かなりの樹齢でしょう。創建当時からあるのかと思ったりしました。
スマートな顔立ちの良い観音様だと今でも記憶にあります。