中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

学士号の増加

2013-08-03 19:28:24 | 身辺雑記

  大学を出ますと学位(学士)の称号が与えられますが、この学士の名称は過去約20年間に大幅に増えていることが分かったそうです。『読売』新聞社は「大学の実力」調査を全国の大学740校を対象に行い、648校の回答を得た結果696種類が確認できたようで、その大学にしか存在しない名称も426種類に上り、約6割を占めたとのことです。  

 学士の名称は戦後省令の大学設置基準で決められてきて、1991(平成3)年に基準が緩和されるまでは25~29種類だったようです。私が大学を出たのは1956(昭和31年)ですが、その頃私が出た大学はマンモス大学と言われていましたが、それでも学部は、文学、理学、教育、工学、経済、水畜産の6つだけで、どこの大学も同じようなものでした。 

 基準緩和以降は学士の名称は自由につけられるようになり、大学志望者が増えるにしたがって各大学、特に私学が独自色を出そうとして様々な学部を設けましたが、その名称は時代に合わせて情報や文化、福祉、国際の言葉を使った名称が目立ってきました。それに合わせて学士号の種類も増えました。「キャリアデザイン」とか「観光交流文化学」などのユニークな名称が多いようですが、いったいどのようなことを教えるのか見当が付きません。「キャリアデザイン学士」と言われてもピンときません。「映像身体学」や「キャリア・マネジメント学」、「国際共生教育」など内容をイメージしにくいものも多く、当の学生自身もよく分かっていないのか、「就職の採用面接で学問内容を問われた学生が『即答できなかった』と嘆いていた」と、ある私大教授が言ったそうですが喜劇的です。老人くさい言いようですが、やはり簡潔に「文学士」、「理学士」などといったほうがわかりやすく、あまり奇を衒わないほうがいいと思います。 

 これでは進学指導をする高校も大変だとは思うのですが、その高校もかつての普通科、家庭科、商業科のようなものだけでなく、様々な名称の学科を置いているところが増えてきました。以前私がいた高校にも「グローバルサイエンス科」というのがあって、要するに大学進学を意識した学科で理数科なのですが、なかなかの人気のようです。しかし「グローバルサイエンス」というのはどのような概念のものなのか、今も私にはよく理解できずにいます。

 

 

 

 


最新の画像もっと見る