佐渡市東京事務所ブログ

首都圏の佐渡情報/佐渡の観光・イベント情報を発信

「佐渡金銀山世界遺産登録推進講演会」開催報告

2020年01月29日 17時23分34秒 | イベント

 去る1月26日(日)東京東銀座の「時事通信ホール」にて、新潟県と佐渡市の主催による「佐渡金銀山世界遺産登録推進講演会」が開かれました。演題は「佐渡の文化と金銀山」。講師は池田哲夫氏(新潟大学名誉教授、佐渡を世界遺産にする新潟の会・会長)。会場は300人定員の会場がほぼ満席という盛況の中で開催されました。

講演に先立ち主催者、来賓からご挨拶がありました。

新潟県の増田副知事は満席のご来場と世界遺産登録に向けて約50万筆の署名が集まったことについて謝辞を述べられ、昨年・一昨年の文化審議会世界文化遺産部会において「佐渡金銀山は有力な推薦候補となり得る」とのコメントを頂いたこと。国内推薦達成を目前の中での更なる協力依頼をされました。

更にご来賓の水落敏栄参議院議員からは今日に至る世界遺産登録推進活動の経緯と署名を花角知事と共に政府に届けた事などを話されました。

首都圏佐渡連合会並びに佐渡を世界遺産にする首都圏の会・山本顕男会長からは文化庁からの前向きなコメントのこと。登録に向けてのこれまでの会の活動や、池田先生の経歴について等話されました。

続いて、県教育庁文化行政課・世界遺産登録推進室の北村 亮室長より世界遺産登録推進のこれまでの経緯、今後の目標と予定。令和元年度の主な普及啓発事業の概要が紹介されました。それによると令和2年度、ユネスコへの推薦(2022年度の登録)を目指す。具体的には令和2年7月に国の文化審議会世界遺産部会での推薦候補決定。同年9月世界遺産条約関係省庁連絡会議で推薦決定。令和3年1月、閣議了解、ユネスコへの推薦著提出。令和4年(2022)6月、ユネスコ世界遺産委員会で登録の可否決定を目標としている。とのご報告がありました。

そして司会による講師の紹介の後、いよいよ本日の池田哲夫先生の講演が開始されました。講演のタイトルは「佐渡の伝統文化と金銀山」。本日の講演は三部構成で、①柳田國男と佐渡、②人の移動→漁民の活動、③能舞台と鷺流狂言である、とまず紹介。

  1. では柳田國男と佐渡の出会いについて当時の写真を交えながら紹介。佐渡の昔話研究では、戯曲「夕鶴」の原話や「北小浦民族史」にまで話が及びました。
  2. では江戸時代、金銀山の盛況で5万人にも達した相川の人口を陰で支えたのが本土からの人の移動であるということで、特に漁業技術の発展について興味深い知識を披露していただきました。
  3. の能舞台と鷺流狂言では、世阿弥から始まり、大久保長安による佐渡での能の発展の歴史、更に、鷺流狂言については現在は佐渡市と山口県山口市に残るのみという希少な芸能の歴史と芸風をご紹介いただきました。

今回の講演会は今までの講演会とは異なる民俗学的視点でのお話で大変興味深く、最後は万来の拍手で先生に謝辞をお届けしました。

講演の後、「佐渡鷺流狂言研究会」の皆様による狂言「薩摩守」が演じられました。僧が住吉天王寺に参詣する時の、茶屋でのやり取り、渡しの船頭とのやり取りを表現した粗筋で、薩摩守忠度(ただのり)を語る無銭乗船の物語です。ゆるやかでふっくりとした鷺流の優美な舞を堪能させていただきました。(写真は掲載不可ということで割愛)

 

締めの挨拶は佐渡市の伊藤光副市長。「今年3つ良いことがある」と注目を引き、一つは佐渡高校が春高バレー全国大会に出場したこと。二つ目は金井出身の力士「魁渡」が幕下で全勝優勝したこと。最後は世界遺産の国内推薦が7月に決まること、と佐渡の明るい話題で講演会を締められました。

(報告:佐渡市東京事務所 小路 徹)

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「佐渡・沢根まつり」日本橋... | トップ | 『佐渡寒鰤祭り』開催報告 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

イベント」カテゴリの最新記事