京恋し

頑張った時のご褒美は京都。ずっと憧れ。

薬玉(くすだま)

2007-05-17 22:16:24 | ちょっと立ち話
韓国旅行のお土産をいただきました。
壁や柱に飾るのだとか、「あんまりきれいだったので」と

                        
            想うに、これは薬玉ですよ
            花の刺繍がきれい~


「くすだま」というと、今は紐を引っ張ると紙吹雪や垂れ幕が
出てくる金色の大きな玉を思い浮かべることでしょう。実は
「くすだま」は奈良時代にそのルーツはすでに存在していました。
蓬や菖蒲の葉を玉のように丸く編み、5色の糸を垂らしたもの。
邪気を払うために5月5日に柱やすだれに掛けたり、また身に
着けたりもしたようです。
蓬や菖蒲は薬草でしたから。
室町時代頃から沈香や丁子などの香料も混ぜ、錦で作った袋に
入れ、刺繍やアップリケをほどこし、やはり5色の糸をたらし、
贈り物とするようになりました。
それで「薬玉」というわけです。まるでポプリですね

        
        平安神宮の花御札(はなみふだ)
        これは4月の桜ですが、形のルーツは薬玉ですね。


毎月の花が描かれている札を一年12枚集めると本殿に上がれるとか。
京都に行くたびに記念に買ってきます。

        
        これは11月の南天。
        薬玉状ばかりではなく、奉書包み型、
        籠入り型の花もあります。

韓国のこの薬玉(決めてかかっている)をいただいた時
  すぐにこの花御札を思い出しました。
  奈良時代の薬玉も韓国の薬玉状飾りも花御札も、邪気を払って命の長きを
  願う祈りの形に変わりはないのですね。


定家葛(ていかかずら)

2007-05-16 21:40:58 | 季節のことば
ご近所にテイカカズラを生垣にしているお宅があります。
今年は花が少し早かったようです


思いついて見に行ったところ、もうだいぶ黄ばんでいます。
それでもまだまだ甘い、いい香りを放っていました


        
        白からバニラ色へ、そして茶色に枯れてしまいますが、
        花びらが風車のようにねじれて、風に飛び立ちそうです

 

テイカカズラの名は、百人一首を選んだ藤原定家に由来します。
「定家」という謡曲が あります。
式子(しょくし)内親王が病でなくなった後、恋仲であった定家の執念が
カズラとなって式子内親王の墓石にまとわり付いて離れない。
苦しむ式子内親王の霊が旅の僧に訴えます。旅の僧の読経によって
やっと定家の妄執がとけ、式子内親王の霊はお礼の舞いを舞うという内容です。

        
        可憐な花なのに、どこにでも蔓を伸ばして巻きつく
        強さゆえに執念の深さになぞらえて定家の名を
        付けられてしまいました
        まるで定家が執念深い男であったかのよう。
        定家もとんだ濡れ衣を着せられたものです


この謡曲「定家」を思うとき、私は「嵐が丘」のラストシーン
……キャサリーンの墓はヒースに半ば埋まっていた……を思い出します。
ヒースは墓石となってもなおまとわり付くヒースクリフの狂気の愛を
暗示しているようです。

墓石を抱くように茂った草木に、人は愛の執念を思うのでしょうね

        
        テイカカズラキョウチクトウ科
        芳香のある可愛い花なんですよ
        名前も古風で嫌いじゃない


山野草見本庭園

2007-05-15 21:45:50 | ちょっと立ち話
八ヶ岳高原のH邸の庭のことです。
伺うたびに増えています


シロバナエンレイソウユリ科
大きな3枚の葉の中心に花が1個。普通のエンレイソウは褐紫色の花。

        
        オキナグサキンポウゲ科
        白い毛で覆われた若芽と花茎。花弁のように見えるのは
        ガク。オキナグサの仲間は花弁がないそうだ。


ハナイカダミズキ科(野草ではないけれど)
葉の中央に花をつける珍しい姿。花の柄が葉にくっついたもの。
雄株は葉の上に複数の花ができるが雌株の葉には1つしか花を
つけないというから、H邸のハナイカダは雌種であるらしい。
まだ固い蕾…残念

        
        チゴユリユリ科
        1~1.5センチ位の小さなユリに似た花を咲かせる
        ことから稚児百合と名づけられた。


ニリンソウキンポウゲ科
深く切れ込んだ3枚の葉の中心から2本の花茎を伸ばして
花を咲かせるので、二輪草の名が付いた。

        
        チューリップの原種だそうです。
        普通のチューリップより一回り小さく、キャシャな
        感じ。葉っぱもやはり細くて小さい。

Hさんの庭でたくさんの野草を紹介して貰い、写真を撮りつつ
  メモメモ… ブログにしておかないと
  忘れてしまいそうです


          
          いつもランチをいただく「悠山房」のテラスから
          甲斐駒ケ岳を望みつつ雄大な気分でのんびり。
          リフレッシュしましたあ
        

高原の春告花

2007-05-14 22:39:42 | 季節のことば
八ヶ岳高原に行くと、必ずおじゃまするH邸。
折々に高原の花便りを送ってくれる山野草や花木の先生です。


この春Hさん一押しの「ツバメオモト」ユリ科
白い清楚な花が咲き始めたところだと、勇んで紹介してくれました。
このあと花茎が伸びて、秋には瑠璃色の実を結びます。実は熟すと
真っ黒になり、ツバメの頭に見立てられました。また葉が万年青(おもと)
に似ていることがその名の由来だそうです
初めて出会う花でした。穢れのない花です。

        
        「オトコヨウゾメ」スイカズラ科
        白い小花が平たく集まって咲くガマズミのことを
        ヨウゾメといいます。このガマズミに対してオトコを
        付けたと言われますが、それにしてはオトコヨウゾメ
        の方がきゃしゃで可愛いのは納得がいかない


毎年、咲き始めましたと知らせを受けながら、なかなかタイミングが
合わなくて、ず-っと会いたかった花「ウワミゾザクラ」バラ科
やっと間に合いましたが、下の方はもう散り始めていました。
背が高い木で、写真をとるのが難しい

木の表面に溝を彫って火にくべ、できたひびワレで占いをしたことから
占溝桜が上溝桜になったとか、ウワミズザクラとも呼ばれます。

        
        Hさんがマイズルソウの群生地を見つけたと案内してくれました。
        残念ながらまだ蕾。ユリ科ですが少し丸っこい複雑な形
        白い小さな花です。
        H邸のすぐ近くの林の中。でも近隣にも住宅が増えて
        いつまでこの自然が保てるか…と不安そう。


緑の空気を深呼吸するために出かけるのに、
緑がじわじわと少なくなっているような気がします
都会から移り住む人も少なくないようです。

そうは言ってもまだまだふんだんの緑。
  Hさんの庭では春の草木が素朴な花を咲かせて春真っ盛りでした


母の日の薔薇

2007-05-13 21:44:21 | 季節のことば
20年以上も前のお話です。
母の日に息子から黄色い薔薇の花を貰いました

        

息子はまだ幼稚園だったか、小学校に上がったばかりだったか…
お小遣いなんてあげてない頃です。
パパとなにやら交渉していたことは知っていたのです。
ややあって、セロファンにくるくると包まれ、オレンジ色のリボン
が結んである黄色い薔薇の花を私に差し出しました。
「ママ、いつもありがとう」って。

生まれて始めて息子から貰った正式なプレゼントです。
「ママはカーネーションより薔薇のほうが好きって言ったでしょ。
だからみんなはカーネーション買ったけど、僕は薔薇にしたの。
よかった?」
(あなたがくれるものならママはなんでもうれしいよ)
その時はなんて言ったのか覚えていません。
息子の影でOTTOが図書券をひらひらさせていました。
息子は貰ってあった図書券をパパに換金したもらったのでした。

子供たちがお小遣いから1本か2本買うカーネーションなのに
母の日になると高くなることが腹立たしく、「ママはカーネーションは
あんまり好きじゃないな」と言っていたのです。
その日だけ高いものをわざわざ買ってくれなくてもいいよ、という意味で。

毎年「母の日」になると、あの黄色い薔薇を必ず思い出します。

今日は用があって、母の所へ行けなかったけど電話だけしました。
あしたこの黄色い薔薇を母に持っていこうと思っています。


出先で可愛いチョコレートを見つけた。
薔薇に添えて、ちょうどいいと買ってきました。

        
表参道の「アニヴェルセル・ショコラ」
新作のチョコレートだそうです。母の日のにぴったり
(写真を撮るために開けてしまいました、お母さん


昨日小淵沢で見つけた新種カーネーションポット。
今日の日のために買ってくればよかったと悔やまれます。
可愛いなあとさんざん眺めいたのに


新緑浴

2007-05-12 22:17:25 | 季節のことば
新緑の酸素を吸いに八ヶ岳高原に行ってきました。

        
        萌黄色の世界。
        日差しも風もウキウキするほど気持ちがいい           
        万緑の中さやさやと楓あり  山口青邨
        青葉若葉谺(こだま)の中の滝ひとつ  田中冬子


緑の中のリゾナーレ小淵沢で一休み。
スペイン?イタリア? 日差しは南フランス

        
        背後に八ヶ岳


正面にそびえるのは甲斐駒ケ岳
リゾナーレ小淵沢は大好きなロケーションにあります

        
        素朴で可愛い木で作った動物たちが並んでいました。
        恐竜や豚などもあって、癒されます。


八ヶ岳のふもとの村では八重桜が満開

        
        ライラックも一斉に花開き、高原は春たけなわ
        
目に沁みる緑のフレッシュな大気に包まれて、心身再生されました。
  東京に帰ってきたら、ビルや看板の間に緑があって、
  今更ながら都会に息するものの悲哀と強さを感じてしまいました。


曙つゆ草の花

2007-05-11 21:43:50 | ちょっと立ち話
花と見まがうピンクの葉がきれいだったので
売れ残りらしき2ポットを買い求めてきた「曙つゆ草」

        
        今年1月にこちら
        トラディスカンチャのホワイトブッシュらしいと結論。
        花を見たいと思っていましたが、
        今朝、花を付けているのを発見しました


3枚の緑色の小さなガクと
3枚のくっきりと白い花びら。先端がほんのりピンク。

        
黄色いヤクが付いた雄しべが6本
真ん中に1本、長く白いのが雌しべです。
ブラシのような白いひげは雄しべについているひげです。


葉のピンクが薄れ、ほとんど白。枯れ枯れの葉もあって
枯れるかなと思っていたので、花を見られてうれしい
ツユクサ科は強い

        
        庭の隅や道端にはびこっている「トキワツユクサ」
        勿論ツユクサ科。比べてみると、曙つゆ草の花には
        気品がありますねえ


トキワツユクサは昭和初期にアメリカから観葉植物として
渡来したそうですが繁殖力が強く、今は野生化しています。
緑の葉と小さな白い花は清らかで風情がありますが、
余り大量だと過ぎたるは…の感あり。


昔の人の袖の香

2007-05-10 21:09:25 | 季節のことば
さつき待つ花橘の香をかげば
        昔の人の袖の香ぞする(古今集・読み人しらず)


 皐月を待っていたかのように橘の花が咲きだした。香りをかぐと、
 昔の恋人が袖に焚き染めていた香の匂いがして、しみじみ懐かしいなあ…

 この歌以来、「花橘の香りは昔なじみの人の匂い」が定着しました。 

        
        これはミカンの花。
        古歌に詠まれたタチバナはニッポンタチバナかウンシュウミカンと
        言われています。
        自生のミカンですから、小さくて酸っぱかったのでしょうね。


真っ白な花の甘酸っぱい香りが若葉の季節の風ののって
漂ってくれば、誰でも郷愁の思いに駆られることでしょうねシミジミ…

        
        こちらは「ゆずの花」
        みかんより少し小さな花です


ミカンの花のほうが花びらが細長く、雌しべも少し形が違います。
ゆずの蕾は真ん丸くて白玉のようです

        
        ゆずも勿論ミカン科です。原産地は中国。
        日本でも奈良時代には栽培されていました

香水なんて持っていないけど、もし付けるならやっぱり柑橘系がいい。
  昔の人の香りは記憶にないけれど、たまには若い日をうっとり思い出すのも
  いいかもしれない

  橘のにほふあたりのうたた寝は夢も昔の袖の香ぞする
                    藤原俊成女(しゅんぜいのむすめ)  



ホンモノに会えた♪

2007-05-09 21:28:54 | ちょっと立ち話
るなさんのブログに登場したカラタネオガタマ
鎌倉のお寺で見たことを思い出しました。
鎌倉に見にいこうかな、と思っていたところ、
ご近所の広い広い庭持ち友人が、「ウチにあるわよ」

        
        そうそう、これこれ
        大きな木。頭の上からバナナのような
        甘い香りが降ってきました


花びらの縁が紅色。花は散る寸前に平開。開ききると匂いがなくなるそうです。

        
        モクレン科中国原産中国名を
        「含笑花」というそうです。
        平開しない花の形が笑みを含んでいるように感じるのでしょうね

もう一つはルピナスさんのブログで教えて貰った花。
これも友人の庭園にありました。

        
        名前は「シラー・ベルビアナ」


寄り固まって円錐形をしていた蕾が下のほうから咲き始めて
傘をひらいたような形になります

        
        ユリ科ヨーロッパ・アフリカ・アジア原産
        日本産のツルボの仲間で日本名は大蔓穂(オオツルボ)

お二人のブログを見て、本物を見たいなあと思っていたら、こんなに近くに
 咲いていたなんて 願えば叶うささやかな願いですけど。
 小さな幸せ。お二人と広庭園の友人に感謝


ぺラルゴ二ウム

2007-05-08 22:56:24 | ちょっと立ち話
ゼラニウムの仲間、ぺラルゴニウムが花盛り

        
        我が家で一番古株のぺラルゴにウム。
        多分「エンジェル・ぺラルゴニウム・ランディ」では
        ないかと…
     

7年くらい前に購入。秋に葉っぱが枯れ枯れになって
見苦しく落ちるので、短く切りそろえてしまいました。
それがよかったみたい毎年山盛りの花を咲かせてくれます。

        
        味をしめて翌年また買いました。
        濃いピンク一色。名前、忘れました


パンジーを思わせる顔模様が面白い

        
        こんな顔のぺラルゴニウムもいるんですよ。
        花が少し大きいだけに花付きは他のより少ない。


昨日、タッジーマッジーの中に入れたローズゼラニウム。
葉っぱをなでるといい匂いがします。
みんなゼラニウムの仲間、フウロソウ科です。
原産地は南アフリカ~東部地中海沿岸

みんな挿し芽で簡単にふやせます。
この簡単さが私向きと気に入っているのですが
去年はそれさえ手を抜いて芽を挿さなかったので、
ひょろひょろに伸びてしまっています。
少しの風にもゆさゆさ、律儀に花を咲かせて、
あっちに揺れこっちに倒れ、健気なこと