店主敬白(悪魔の囁き)

栄進大飯店の店主さがみやがおくる日々の悪魔の囁き。競馬予想や文学・音楽・仕事のグチやちくりまでいろいろ。

ヒトラー

2010-04-05 22:00:09 | Weblog
 DVD2枚組み3時間。
 見終わったらお尻が痛くなった。
 基本的に監督とか演出とかで作品を選んでない、ストーリー重視のおいらは、箱書きのデータとかあんまり見てないので、他の人の参考にはなんないかも。

 おいらはこの話を、ヒトラーと関わった「ふたりの主婦の物語」「四人の女の物語」として見ました。
 親ヒトラー側にのめりこんでいくヘレナと、反ヒトラー側に立つ夫のいるソフィーと。
 まあ、ヘレナは、
「無名のタレントをメジャーに育てていく」
 ような感覚で、最初は夫の手伝いだったはすが、自らがヒトラーの魔力にハマってしまう・・・幸せなセレブ夫人で安泰のはずだったのに、家庭は崩壊し、やがてはさんざんな目にあうようである。
 無名の人をメジャーに育てていくって、確かに楽しいギャンブルなんだよ。
 でも、よりによってさ、とんでもない賭けをしてしまったものだ。
 そしてソフィーは、反ナチ・反ヒトラーの側に立つジャーナリストを夫を持ったせいで、活動にこそあまり手を貸してないけれど、夫を亡くすことに・・・。
 このソフイーは、「賭けのツケを払って不幸」というよりは、まったくの気の毒な被害者でしかない。良き妻、良き理解者だっただけ。
  善良なソフイーと華やかなヘレナ、それぞれにひたむきに生きても、あの「怪物」の前には、女は無力だったのでしょうか。
 あの時代の流れの前には、こういう不幸になった女性、山のようにいるんだろうな。

 その他にもヒトラーの姪のゲリ、恋人のエヴァ。
 この作品ではヒトラーはまわりにいる女性、かたっぱしから不幸にしている。
 子供や女性に純粋さを求め、必死でその純粋さに向き合おうとはしているけれど、そのやり方が押しつけがましいので、どこか「やなヤツ」臭がしてくる。
 最後まで連れ添ったエヴァでさえ、かなり精神的に追い詰められているし。
 特に、可憐で無邪気なゲリの死は、あまりにも痛ましすぎる。
 このゲリを演じた女優さんの、無邪気に都会生活を楽しむさまや、ちょっとしたポーズまで、かわいいことといったらないので、ますます涙をそそるわけです。
 それもふたりの関係が「英雄色を好む」的な関係じゃなくて、ヘンに「保護者」気取りで抑圧された関係なぶん、ますます「病んでる」感がするし・・・。
 ヘンにプラトニックを気取った関係なんか、絶対信用するな!ってことですかね。

 あと印象に残ったのは、子供時代のヒトラーを演じた子役の子の目。
 「深く激しい何かを秘めた目」
 というカンジが出た、すごくクッキリとした目でした。
 この子供の目が、彼の行く末を暗示しているようにも思え、ちょっと恐怖で見ものです。
 
 今まで見ていたノー天気な作品とちょっと違ってかなり内容は重い。
 でもこの映画を見ていると、
「民衆の間違った選択(ヒトラーの政策支持)」と、そんな選択をさせてしまう政府の無能(敗戦とその賠償も原因のひとつだけど)ぶりが、なんかどんどん世の中が暗く低いほうに流れている今の状況とダブって、
「また、いつか、どこかで、こんなとんでもない選択をしてしまうのでは?」
 と思ってしまう。
 そんなに世の中の人はバカじゃないと思いたいけれど・・・。
 
 
 
 

店主温泉に行く⑰

2010-04-05 08:45:20 | 温泉
 ってことで、「美人の湯」温泉にたどり着いた。
 すごい山の中にも関わらず、駐車場はけっこう埋まっている。
 建物も設備もまだ新しく、ログハウスふうの内装でシンプルだけど、キレイだ。
 風呂は露天・室内湯の2つだけ。
 サウナがないのが残念だけど、露天からは大崩山が一望できるし、すっきりとした山の景色が楽しめる。
 湯の質は、「美人の湯」というだけあってお肌がすぐツルツルに変わってくる。
 しかも湯にヌルヌル感が全然ないため、さらっとした化粧水のようなカンジである。
 ヌルヌルが苦手でお肌にいいお湯を探している人には、いいかもしれない。
 湯温は41度とちょうどいいカンジである。
 店内は小さそうに見えるがごろ寝のできる休憩室と、テーブル式の交流室がついている。
 店内でおにぎりなどの販売もあり、軽食もできるようであるが、食事の種類は少ない。
 これで入湯料500円なので、まあまあの値段である。
 アウトドア、ドライブの立ち寄り湯ってカンジだ。

 このあともう一軒ハシゴをしてもよかったんだけど、受付に置いてあった地図では、この近く、延岡市内にはほとんど温泉がない。
 それじゃ別の町に出たいんだけど・・・あの川沿いのせまい道を引き返すのもちょっとね・・・。
 そう思ったので帰りは川ぞいでなく小学校の先から左折して山を行く別ルートにした。
 ワゴン車など大きめの車で行く人は、R326から行く道のほうが道が新しくてキレイだしラクだと思う。