忙しくて書けなかったけど、先週の金曜はトシヤの授業参観だったので早朝から車を飛ばして極寒の赤城へ行ってきたのでした。
群馬で生活するようになってもう4年。
今さらながら、トシヤの学校生活や行事をこんなに安心して見ていられる自分に気がついたんです。
トシヤのような自閉症の人にとって、最大最強の敵は「不安感」です。
知らないこと、知らない場所、経験のない環境、見通しのつかないことなどに対する恐怖は私たちの想像を超えたもののようです。
そういう意味で、ゆっくりとじっくりと体力を作りながら自然の中で暮らした時間は、トシヤに我慢強さや落ち着きを育んでくれたんだなーと思います。
10代半ばの最悪な日々を思うと、ほんとうにこんなに平穏な毎日を送っていてバチが当たらないだろうか?と妙な心配までしてしまうほど。
心労に次ぐ心労で発狂寸前だったあの頃に比べたら、今の些細な仕事の悩みなどへでもありませんわ。
人って「喉元過ぎれば熱さ忘れる」で、過去のことは忘れ去って同じ過ちというか、せんでもいい苦労をしちゃったりしがちですけど、ときどきは過去のこともゆっくり振り返ってみるのも大事だわと思うのです。
私の取柄は、いつでもどこでも前向きなところかと思っているのですけど、前ばかり見て後ろを振り返らないと大事なことを逃してしまいそうでもあります。
新しいことに挑戦するというのは、これまでに積み重ねてきた些細なことの先に広がる世界であることに他ならないからです。
そういう意味では、トシヤを育てることで血みどろの闘いをしてきたことが、たまに挫けそうになる心を支えることにさえなるのです。
自立して仕事をしようと思っても、身動きすることすら許されなかったあの頃の絶望感を思い出して、今のとんでもなくシアワセな私を自覚するのです。