中原の虹(三)(浅田次郎 講談社)
西太后が逝去した後、張作霖が東三州をほぼ手中に収めるまでを描く。
張作霖は、日本ではあまり人気がないような気がするし、息子の学良はさらに評判がよくないような気がする(気がするだけかもしれませんが)。
しかし、この作品では張作霖は一代の傑物として描かれ、学良も本格的には登場してこないが、時々姿を現すときも好意を感じられる描写になっている。
全編、張作霖が主人公になって物語が展開するかというとそうでもなくて、数多くの登場人物が列伝的に次々に登場する構成になっていて、やや散漫さを感じた。
一つ一つのエピソードは、そこだけ切り取って短編にしても十分なほどで、特に不満があるわけではないけれど、比べるのが「蒼穹の昴」とあっては、やはり、多少、その、色あせた感じがあるのは否めない。
やはりこのシリーズの主役は西太后なのであって、主役亡き後、中原の虹の三巻と四巻はおおいなるエピローグに当たるものなのであろうか。
西太后が逝去した後、張作霖が東三州をほぼ手中に収めるまでを描く。
張作霖は、日本ではあまり人気がないような気がするし、息子の学良はさらに評判がよくないような気がする(気がするだけかもしれませんが)。
しかし、この作品では張作霖は一代の傑物として描かれ、学良も本格的には登場してこないが、時々姿を現すときも好意を感じられる描写になっている。
全編、張作霖が主人公になって物語が展開するかというとそうでもなくて、数多くの登場人物が列伝的に次々に登場する構成になっていて、やや散漫さを感じた。
一つ一つのエピソードは、そこだけ切り取って短編にしても十分なほどで、特に不満があるわけではないけれど、比べるのが「蒼穹の昴」とあっては、やはり、多少、その、色あせた感じがあるのは否めない。
やはりこのシリーズの主役は西太后なのであって、主役亡き後、中原の虹の三巻と四巻はおおいなるエピローグに当たるものなのであろうか。