オペレーション・ミンスミート(映画)
第二次大戦中、ヨーロッパの第二戦線はどこになるのか(連合軍はヨーロッパのどこに上陸するのか)が諜報戦の最大の課題となっていた。連合軍はシチリア上陸を目論んでいたのだが、イギリス海軍情報部は欺瞞作戦を計画する。チームのリーダーに指名されたのは元弁護士のユーエン(コリン・ファース)で、ニセの機密文書をもたせた諜報員の溺死体をスペインの海浜に打ち上げさせ、ドイツ側にそれを読ませるという作戦を立案する・・・という話。
映画の中でユーエンの上司は、この作戦があまりに空想的だと批判する。私もこの上司の気持ちがよく理解できた。
まさに架空のできの悪いドラマのシナリオのような内容なのだが、これが実話で、かつ、完全な成功をおさめてしまうのだから世の中はわからない。
諜報作戦が失敗した後、その内容が漏洩するとあまりの杜撰さや突拍子のなさに驚くことがある。
スパイ小説や映画が荒唐無稽なのではなくて、現実そのものがハチャメチャなのかもしれない。
実際、この作戦にはイアン・フレミング(当時ユーエンと同格の少佐)も重要メンバーとして参加している(映画にも登場する)。ありえねー、みたいな007の話ももしかして多くが実話なんだったりして・・・
ユーエンは妻と不仲で、妻子を疎開させているうちに作戦事務局の職員(ケリー)と相思相愛になる(と示唆される)。それを見てみぬふりをする?秘書ヘスター(やや高齢女性)は、一方でユーエンの妻と長年の友情を育む。
えーと、このあたりも実話みたいで、「そんなこと(諜報作戦の本筋と関係ないプライバシー領域)まで描写しちゃって大丈夫なの?と変な心配をしてしまった。
その辺は制作側も配慮していたのか??エンドロールで、現実世界ではユーエンは戦後も妻と添い遂げたことが知らされて、観客としては一安心できるのだった。