鳥と港(佐原ひかり 小学館)
春指みなとは、大学院を出て就職した会社がいやでたまらない。仕事に意義が感じられず、上司の課長のすべての行動が神経にさわる。耐えきれずその会社をやめて、ふとしたことから知り合った不登校の高校生の森田飛鳥とクラファンで文通屋(応募者と文通をしてあげる)を始めるが・・・という話。
登場人物が追い詰められてる状況の描写がうまくて、読んでいる方も追い詰められた気分になれる。
就職した会社(というより上司の課長)に体質が合わず?みなとが全身全霊で?すべてを拒否するあたり、
文通屋の仕事を再就職のための逸話の一つくらいにしか思っていたなかった幼なじみの柊ちゃんと仲違いするあたり、
文通屋にも行き詰まり、パートナーの飛鳥と思惑がすれちがうあたり、
なんかは、「あー、自分はそんなふうだけにはなりたくない」と暗い気分になるのだが、裏返してみると、「今の自分はそこまでひどい状況でもないということか」ということでもあり、そこまで落ち込んだりしない妙な?効果もあった。
会社の課長さん以外の登場人物はいい人ばかりで、いくらなんでもメンタル弱すぎやろ、と思えてしまうみなとをやさしく励ます。特に、会社の先輩の下野さんや、プータローになっても何も聞かない両親なんかは、こんないい人ホンマにはおらんわな・・・と思えるほど。
一時的には対立?する柊ちゃんや飛鳥とも100点満点の円満解決するし。
というか、文通屋という商売とか、飛鳥との知り合い方(近所の公園に遺棄された家庭用郵便受に文通相手募集の手紙がはいっていた)とか、飛鳥の父は実は・・・とか、
読者のみなさん、このお話はファンタジーですよ、現実はもっときびしいですよね(アナタもご存知の通り)、と作者から言われているかのような感じだった。
春指みなとは、大学院を出て就職した会社がいやでたまらない。仕事に意義が感じられず、上司の課長のすべての行動が神経にさわる。耐えきれずその会社をやめて、ふとしたことから知り合った不登校の高校生の森田飛鳥とクラファンで文通屋(応募者と文通をしてあげる)を始めるが・・・という話。
登場人物が追い詰められてる状況の描写がうまくて、読んでいる方も追い詰められた気分になれる。
就職した会社(というより上司の課長)に体質が合わず?みなとが全身全霊で?すべてを拒否するあたり、
文通屋の仕事を再就職のための逸話の一つくらいにしか思っていたなかった幼なじみの柊ちゃんと仲違いするあたり、
文通屋にも行き詰まり、パートナーの飛鳥と思惑がすれちがうあたり、
なんかは、「あー、自分はそんなふうだけにはなりたくない」と暗い気分になるのだが、裏返してみると、「今の自分はそこまでひどい状況でもないということか」ということでもあり、そこまで落ち込んだりしない妙な?効果もあった。
会社の課長さん以外の登場人物はいい人ばかりで、いくらなんでもメンタル弱すぎやろ、と思えてしまうみなとをやさしく励ます。特に、会社の先輩の下野さんや、プータローになっても何も聞かない両親なんかは、こんないい人ホンマにはおらんわな・・・と思えるほど。
一時的には対立?する柊ちゃんや飛鳥とも100点満点の円満解決するし。
というか、文通屋という商売とか、飛鳥との知り合い方(近所の公園に遺棄された家庭用郵便受に文通相手募集の手紙がはいっていた)とか、飛鳥の父は実は・・・とか、
読者のみなさん、このお話はファンタジーですよ、現実はもっときびしいですよね(アナタもご存知の通り)、と作者から言われているかのような感じだった。