蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

2011.3.6 三国 GⅠ 第24回女子王座 優勝戦

2011年03月10日 | 競艇
2011.3.6 三国 GⅠ 第24回女子王座 優勝戦

1.平山 2.山川 3.田口 4.谷川 5.魚谷 6.海野

新旧ビッグネームが揃い踏み。しかし、コメントや準優までの成績を見ると、明らかに1と3が図抜けている感じ。女子戦なので素直に買って1=3、1-2。
結果 3-1
1がインからトップスタート決めるも3のまくり差しがずっぽり決まって3-1隊形。1周2マークで1が差して並ぶも、2周1マーク内側にいた1がターン前にちょっと落とした感じで、つっぱった3が大きくリードした。4000番台の女子王座は初めてとのこと。

*********

最近、歳のせいか本を読んでいてもせいぜい50ページほどしか続かない。というか、主な読書の場所は通勤電車なのだけど、乗ってから降りるまで読み続けることが難しくなって途中で休んでしまう。
同じく映画(というかレンタルDVD)も1本通しで見終わることはめったになくなり、30分ごとに細切れでみたりする。
それでもやっぱり面白い内容なら一気に読み終わったり見終わったりできる。
最近そういった状態になれたのは、本なら「フランキーマシンの冬」、映画なら「フローズンリバー」。(2011.3.10)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

犬身

2011年03月10日 | 本の感想
犬身(松浦理英子 朝日文庫)

犬が好きで、犬になってやさしい人に飼われて甘えたいという願望を持つ主人公は、いきつけのバーのマスターと、死後の魂を提供する事と引き換えに犬にしてもらうという契約を結ぶ。
そして願望通り、梓という陶芸家に飼われることになる。

本書は、そういったファンタジー的な設定のもと、梓の母、兄との葛藤やその一家(ホテルを経営する地方の名家)の盛衰を主題として描いている。
と、いうと、わりとおっとりした(「我輩は猫である」みたいな)ストーリーが期待されるが、中心的なテーマは梓と兄の近親相姦からもたらされるいざこざで、そこに兄びいきで(実母なのに)姑のようなイメージの母親が絡んで、醜く見苦しい争いが(文庫の解説者の言葉を借りると)「あられもなく」繰り広げられる。
読んでいると兄や母の悪意やいやらしさにあてられそうになってくるほど。

「本の雑誌」の「おすすめ文庫王国2010-2011」で第一位だったのだけれど、上記のような内容なので、これを一位にするのは、かなり勇気がいったのではないかと思われる。
むしろ「本の雑誌」ならではのセレクションというべきなのかもしれないが。

テーマは暗いがリーダビリティは高く、特に下巻は一気読みできる面白さだった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ペリリュー・沖縄戦記

2011年03月09日 | 本の感想
ペリリュー・沖縄戦記(ユージン・B・スレッジ 講談社学術文庫)

太平洋戦争中のアメリカ海兵隊に志願して、ペリリュー島と沖縄の最前線で迫撃砲兵として従軍した著者の体験記。

軍隊としての全体の動きは省略されていて、個人的な経験に基づいた最前線の兵士の目線での描写が中心となっている。

ペリリュー島は、日本軍がバンザイ突撃に象徴される軍事的に意味がない全滅戦術を改めて、戦闘期間の長期化(持久戦化)を目的とした篭城戦術に切替した初めての戦場で、上陸して数日でカタがつくと思っていた米軍が予想もしない消耗を強いられた戦いだった。

どこまでの正確性があるかはともかく、非常に具体的かつ詳細に最前線の戦況が語られており、戦場の厳しさ、残酷さがビビットに伝わってくる。

前線での残虐行為も避けることなく、ある意味淡々と描かれている(米兵が瀕死の日本兵をナイフで切り刻みながら所持品を略奪するシーンとか、日本兵が米兵の死体からクビをとってその口に切り取った性器をくわえさていたとか)。

24時間鼓膜が破れそうなほど鳴り響く砲声、夜襲を恐れて夜も眠ることができず、ブーツは数週間脱ぐこともかなわず「塹壕足」になって皮がずるむけになり、不用意に立ち上がれば容赦なく狙撃兵の銃弾が飛んでくる、戦闘はいつ終わるかも知れない・・・サブタイトルに複数回にわたって「地獄」という言葉が使われているが、「本当に地獄があるとすれば、こういう所がそれにあたるのではないか」と思われるものがあった。

ただ、そうした環境下にあって、本書には「腹が減った」とか「弾薬が尽きた」という類の描写は皆無といっていいほどない。地獄にあっても補給に窮することはなく、時間さえ経過すれば勝利が待っていることは予想できた米軍には、日本軍の絶望としかいいようがない状況とは一線を画すものがあったことも確かだと思う。

***************
昨日朝、いつものように最寄駅に行ったら、ついさきほど隣のターミナル駅で人身事故があり運転を見合わせるとのアナウンス。しかたなく近くの別の路線の駅へ歩いて行った。
何も通勤時間帯に自殺しなくてもいいのになあと思うが、真昼間の時刻表に余裕がある時間帯より、朝夕の通勤時間帯に多いような気がする。
やっぱり会社に行こうとしたものの、そこには絶望しか待っていないと思い込んで発作的に飛び込んでしまうものなのだろうか。
上記のような、地獄としか表現しようがない、戦場にあっても正気を保ち続けることができる人もいる。その差はどこから生まれるのだろう。生まれつきなのか?幼いころから小さなストレスを乗り越える訓練をしてきた者との差なのか?(2011.3.9)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最後の一球

2011年03月06日 | 本の感想
最後の一球(島田荘司 文春文庫)

貧しい家庭で育った主人公は、得意の野球で身を立てようとするが、社会人、プロへと進むにつれ、おのれの能力の限界に直面せざるを得なくなる。
主人公のライバルとしてキャリアの中で立ちはだかっていた天才打者も同じチームにはいる。主人公はやがてこの天才打者を(あまりの天才ぶりに)あこがれの対象として見るようになり、戦力外となったあとは天才打者専用のバッティングピッチャーをつとめる。
やがて、大きなスキャンダルに巻き込まれた天才打者を、主人公はなんとか救おうとするが・・・という話。

いちおうミステリなのですが、トリックは、はっきりいってトンデモ系。
なのでミステリとして見ると出来は???なのですが、野球小説としては(相当ベタではあるものの)とても面白かったのです。


私が読んだ本の中で、最も怖かったのが島田さんの「アトポス」の冒頭の青髭伝説の部分です。
実は、これも本筋とはほとんど関係なくて、この部分がなくても後のストーリーは成立するので、この部分(200ページくらいある!)だけ別の作品として出版すればよかったのに・・・と思うほどでした。

島田さんは本格ミステリの伝道者のような位置付けがされているのですが、どうもご自身の作品の多くが、ミステリはほんの味付けくらいで、言いたいこと、やりたいことは、実は別にある、みたいな構造になっているような気がします。

******

最近よくあるらしい、ピザ食べ放題のパスタ系のファミレスに行った。
調子に乗ってピザをコーラで流し込んでいたら、案外たくさん食べられなかった。油がもたれる感じで、この手のものが大好きな子供たちもせいぜい一人5切れくらい。
土曜日の夕食どきとあって満席で長い待ち行列ができていたのに、意外と回転がよくてすぐ座れたところを見ると皆同じ感じなのだろう。けっこういい商売なのかも。(2011.3.5(土))
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

南風

2011年03月06日 | Weblog
南風

今年の2月17日付の日経新聞の文化面の連載「子どもが見たアート十選」で和田三造の「南風」が紹介されていた。
小船の上の不安そうな男たちを描いた有名な絵で真ん中に筋肉ムキムキの男が立っている絵といえばピンと来る方も多いと思う。
「子どもが見たアート十選」は、名画を見た子どもたちの反応を記したもので、どれもその新鮮な視線に感心させられたが、とりわけ「南風」の次の部分が印象的だった。

*********
ここには伊豆大島への航路で遭難した、作者の経験が描かれている。こんな意見もある。
「真ん中の男、すごいマッチョ!」
「全然日本人ぽくない。アメリカ人とか外国人だよ」
「右の不安そうにひざを抱えているのが日本人」
「頭に感じの布を巻いているのは、中国の人じゃない?」
「わかった。国際情勢描いた絵じゃないの」
討論しているのは帰国子女の多い中学校の1年生。海外に暮らすと自分の立ち位置を常に意識するようになるそうだ。
*********

「国際情勢描いた絵じゃないの」というのがすごい。そういわれて見ると、そうとしか思えないほどそれぞれの男の表情やしぐさがぴったり現在のアメリカ、中国、日本に見えてきた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする