あんじゅう(宮部みゆき 角川文庫)
三島屋変調百物語シリーズの2作目。
「逃げ水」は、山奥の社に棲んでいた洪水をおさめる土地神様?が江戸に出て来て・・という話。この神様の見た目が幼子でお茶目?な性格なので、怪談というより、ほのぼのとした昔話みたいな内容。神様と神様が取りついた子供のキャラが立っていて面白く読めた。
「藪から千本」は、三島屋の隣の商家の双子の娘の数奇な運命を母親が語る内容。こちらは現代心理ミステリーという感じ。ちょっと前にはやった言葉でいうと「イヤミス」というやつだろうか。
「暗獣」は、本巻から登場して主人公おちかのお相手?になりそうな青野利一郎の師の家にひそむ謎の生物?“くろすけ”の話。表紙のイラストとあいまって“くろすけ”がとてもかわいらしく描かれている。他の話に比べて1.5倍くらいあって、話の序盤は別のストーリーだったので、著者も書いているうちに“くろすけ”がいとおしく感じられてきて話が延びてしまったのではないだろうか??
「吼える仏」は、山奥の隠れ里の掟に逆らって幽閉された若者が作った木仏が病を癒すという噂が広がり・・・という話で、唯一怪談らしい怪談。
シリーズ1作目は、全編が組み合わさって1つの屋敷ものの長編怪談という結構になっていたが、本作は各編が独立した話になっていた。ホラー的な怪談より「逃げ水」や「暗獣」みたいなほのぼの系の不思議話の方が、やはり著者の本領という感じがした。
“くろすけ”もかわいいばかりではなくて、切なさを感じさせる設定になっているところがうまいなあ、と思えた。
三島屋変調百物語シリーズの2作目。
「逃げ水」は、山奥の社に棲んでいた洪水をおさめる土地神様?が江戸に出て来て・・という話。この神様の見た目が幼子でお茶目?な性格なので、怪談というより、ほのぼのとした昔話みたいな内容。神様と神様が取りついた子供のキャラが立っていて面白く読めた。
「藪から千本」は、三島屋の隣の商家の双子の娘の数奇な運命を母親が語る内容。こちらは現代心理ミステリーという感じ。ちょっと前にはやった言葉でいうと「イヤミス」というやつだろうか。
「暗獣」は、本巻から登場して主人公おちかのお相手?になりそうな青野利一郎の師の家にひそむ謎の生物?“くろすけ”の話。表紙のイラストとあいまって“くろすけ”がとてもかわいらしく描かれている。他の話に比べて1.5倍くらいあって、話の序盤は別のストーリーだったので、著者も書いているうちに“くろすけ”がいとおしく感じられてきて話が延びてしまったのではないだろうか??
「吼える仏」は、山奥の隠れ里の掟に逆らって幽閉された若者が作った木仏が病を癒すという噂が広がり・・・という話で、唯一怪談らしい怪談。
シリーズ1作目は、全編が組み合わさって1つの屋敷ものの長編怪談という結構になっていたが、本作は各編が独立した話になっていた。ホラー的な怪談より「逃げ水」や「暗獣」みたいなほのぼの系の不思議話の方が、やはり著者の本領という感じがした。
“くろすけ”もかわいいばかりではなくて、切なさを感じさせる設定になっているところがうまいなあ、と思えた。