トウキョウソナタ
主人公(香川照之)は、大きな会社(体重計で有名なタニタ。この映画の中の設定ではこの会社はかなりイメージ悪いのにわざわざこの社名を使わせた意味がわからない)の総務課長だったが、担当業務がオフショア化されることになり、あっさりクビになる。
しかし、妻(小泉今日子)や子に打ち明けることができず、会社へ行くフリをして職安へ通う。そこで旧友と会うが、その旧友も失業していることは家族に秘密にしており、疑いはじめた家族を信用させるため、主人公を自宅に呼んで部下のフリをさせる。しかし、家族にはバレバレで、旧友はやがて一家心中をとげる。
主人公の長男は、平板な日常に嫌気がさして軍隊に志願する。
次男は、近所のピアノ教室の美しい先生に惚れて、親には内諸(給食費を流用する)で教室に通うが、実は彼は天才児で、先生は音楽校への進学を勧める。
起承転結でいうと、この辺りまでが起承に当たって、一見何の変哲もなさそうな家族が実はそれぞれに秘密や不満を抱え、といったまるで「岸辺のアルバム」(古いな)的ホームドラマかと思ってみていたら、転の部分で突然映画は(意識的に)破綻し、ムチャクチャな展開を見せる。
家族皆が潜在させてきた不満や願望が一気に噴出して各人が異常な行動に走るのだけれど、おそらく、この部分は映画の中の現実ではなくて各人の妄想を映像化したもの、と解釈した。
そして結の部分で、物語は予定調和的な落ち着きを見せて終わる。だからこそ、やっぱり転の部分のいびつさが印象に残る映画だった。
主人公(香川照之)は、大きな会社(体重計で有名なタニタ。この映画の中の設定ではこの会社はかなりイメージ悪いのにわざわざこの社名を使わせた意味がわからない)の総務課長だったが、担当業務がオフショア化されることになり、あっさりクビになる。
しかし、妻(小泉今日子)や子に打ち明けることができず、会社へ行くフリをして職安へ通う。そこで旧友と会うが、その旧友も失業していることは家族に秘密にしており、疑いはじめた家族を信用させるため、主人公を自宅に呼んで部下のフリをさせる。しかし、家族にはバレバレで、旧友はやがて一家心中をとげる。
主人公の長男は、平板な日常に嫌気がさして軍隊に志願する。
次男は、近所のピアノ教室の美しい先生に惚れて、親には内諸(給食費を流用する)で教室に通うが、実は彼は天才児で、先生は音楽校への進学を勧める。
起承転結でいうと、この辺りまでが起承に当たって、一見何の変哲もなさそうな家族が実はそれぞれに秘密や不満を抱え、といったまるで「岸辺のアルバム」(古いな)的ホームドラマかと思ってみていたら、転の部分で突然映画は(意識的に)破綻し、ムチャクチャな展開を見せる。
家族皆が潜在させてきた不満や願望が一気に噴出して各人が異常な行動に走るのだけれど、おそらく、この部分は映画の中の現実ではなくて各人の妄想を映像化したもの、と解釈した。
そして結の部分で、物語は予定調和的な落ち着きを見せて終わる。だからこそ、やっぱり転の部分のいびつさが印象に残る映画だった。