私を知らないで(白河三兎 集英社文庫)
本書の主人公「キヨコ」はダントツの美少女なのに、貧困家庭(両親は離婚し残った父も行方不明、両親が残した借金と祖母とともに古ぼけた家で暮らしている)であることを理由として中学校のクラスで完全に無視されている。転校生の(語り手の)「僕」ともう一人の転校生は「キヨコ」の秘密をさぐろうとして・・・という話。
このブログでも繰り返し書いていることだけれども、私は貧乏くさい物語が大好き。なので、貧困の極みにいるのに誇り高く、中学生のくせに生きたおカネの使い方を知り尽くしている「キヨコ」に関する描写が続く前半部分はとても楽しく読めた。このあたりでは、「僕」の醒めたハードボイルドぶりや中学校のクラスの力学の解説もよかったと思う。
ややサスペンスフルなムードの中盤もまあまあ良かったが、ラストの決着の仕方はちょっと安易というか予定調和的というか、「せっかくここまで良かったのに、それはないでしょ」という感じがした。
本書の主人公「キヨコ」はダントツの美少女なのに、貧困家庭(両親は離婚し残った父も行方不明、両親が残した借金と祖母とともに古ぼけた家で暮らしている)であることを理由として中学校のクラスで完全に無視されている。転校生の(語り手の)「僕」ともう一人の転校生は「キヨコ」の秘密をさぐろうとして・・・という話。
このブログでも繰り返し書いていることだけれども、私は貧乏くさい物語が大好き。なので、貧困の極みにいるのに誇り高く、中学生のくせに生きたおカネの使い方を知り尽くしている「キヨコ」に関する描写が続く前半部分はとても楽しく読めた。このあたりでは、「僕」の醒めたハードボイルドぶりや中学校のクラスの力学の解説もよかったと思う。
ややサスペンスフルなムードの中盤もまあまあ良かったが、ラストの決着の仕方はちょっと安易というか予定調和的というか、「せっかくここまで良かったのに、それはないでしょ」という感じがした。