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風に向かう刻
また面倒なモノを・・・。 ~ロックナットレンチ~ <CBR600RRカスタム13>
いやはや。本日11/6の千葉県はアクアラインマラソンの開催日でしたね。
千葉近隣にお住まいの方以外はあまり馴染みがないイベントかもしれませんが、
ランナーの皆様には あのアクアブリッジ(東京湾アクアラインの橋部分)を走れるとのことで、
お好きな方にはたまらんでしょうな~と思います。が。私はオートバイで走る方が好きです(笑)
4.4kmに渡る海の上の橋は船舶の航行のために海面から40mの高さがあり、
木更津から川崎に向かう場合はその頂点に向けて緩やかに駆け上がる形になる東京湾ど真ん中の最高に爽快な道です。
オートバイに跨って生身で走ると周囲にはまさに360度の東京湾が広がっており、
ディズニーや臨海工業地帯、横須賀やら浦賀水道やらと見渡す限りの首都東京エリアの姿が一望できます。
ちなみにそこから先は急に高度を下げて海ほたる、そしてすぐにアクアトンネルに入り9.5km。
今度は海の中に進み深く海面下60mまで下がってから再び上昇し川崎の浮島に至ります。
もし遠方から東京-千葉方面にバイクでお越しの際は是非一度通ってみてくださいませ。ETCならば割引も大幅に効いてお得です。
個人的には海ほたるSAの幻想的な青いライトアップも含めて夜景がオススメですよ♪
そんな日曜日。
私はというと、またもや合間の時間を使ってCBR600RRのメンテの準備をしておりました。
ここで敢えて”準備”と申しますのも、当面する予定はないがいつかやるだろう作業の為の準備ゆえです。
今回のターゲットはここ。
スイングアームピボットロックナットの特殊工具作りです。
実は前のCBR1000RRの時にもスイングアームを外す作業があり同様な工具を作ったのですが、
その際の工具はこのCBR600RRには合わず。新たに仕立てる必要がありました。
本来ならば純正で専用工具の設定がありますが、私が買えるような普通の販路では絶版扱いで入手が出来ず。
この辺バイク屋さんとかどうされているんでしょうねえ。
一般ユーザー以外には買えるルートがあるのか。世の中いろいろな商売がありますからそういう業者がおいでなのか。
ともあれ素人にはどうにもならず。
アメリカなど海外からならば買えますけれどめんどくさいですし、仕事じゃあるまいし休みの日まで輸出入はしたくない(笑)
ということで手持ちの道具で工作をしてみましょう。
まずはこの スイングアームピボットロックナット のサイズですが、
大体の雑な計測で(笑) 内径/外径が29.5mm/33mm、ピボットアジャスティングボルトの外径が30mm、
スイングアームピボットボルトの頭の外径が27mm程度と段階的に組み合わさったの構造の模様。
もし私が溶接の手段を持つのならば鉄パイプと適当なパーツを使って作るかもしれませんが、
私の家庭の電源では溶接もろくにできませんので、削り出す方向で作ることにいたします。
素材はこいつ。
KTCの27mm六角ソケット B4-27。極めて安価な普通に売っているソケットです。
元がちゃんとしたメーカーの工具ならば、材料的にもそこらの鉄パイプよりは遥かにマトモだろうという目論見も。
KTCのロゴが眩しいです。
ちょっぴり勿体ない気もしますが、既にKTCの27mmはCBR1000RRのアクスルシャフトかなにかを外すときに買っていますので、
今回はこの作業のためだけに新品を購入して使ってしまいます。
それでは作業開始♪
ノギスで計ると爪の掛かりはナット端面から底まで6mm程度、幅は10mmのようですのでそこを目安に作業します。
まずはソケットの縁の傾斜がついている肉が薄い場所を削り落して、
可能な限り肉厚が確保できる場所まで高さを下げてゆきます。
ここで必要になるのは ”どの部分を爪として確保するのか”ですが、
先述の通り対象となるナットの内径≒アジャストボルトの外径に対し、
ピボットボルトの外径が27mmとなり、このソケットの内面幅が27mmですのでボルトの頭は収まりそうに見えます。
ただ、問題なのはアジャストボルトの外径に可能な範囲で強度を保ったままどう合わせるかですね。
ともあれ私は現物合わせ原理主義者ですので、少々思案してから続きはやりながら合わせてゆきます。
大雑把に削る範囲のマーク。(塗ってない場所を削ります)
工程の途中。おおまかには削りましたが、
あとは都度寸法を測りながらロックナット/アジャストボルトに合わせて削り調整を繰り返します。
アジャストボルトの外周は円ですが、その部分の逃げも考慮して作業。
然るに完成。
ロックナットとの嚙み合わせもこの通り。手持ち工具での加工ですがガタもほぼなく問題ないようです。
※注:この方式でのロックナットの着け外しについては過去CBR1000RRでの不具合の出ない作業の実績はありますが、
スイングアームピボットボルトの供回り防止のため、本来はロックナットレンチが ”中空の筒状の工具” ある必要があり、
その穴からピボットボルト内側の六角穴にレンチを差し込んでボルトを固定しながら作業をするやりかたが標準です。
私のやりかたの場合は作業自体は可能ではありますが、最終的な組付け後の精度にネガが出る可能性があります。
実際にご自身でなさる奇特な方はそう多くはないとは存じますが、その際は他にひと工夫するなど精度の管理にご注意くださいませ。
よし。いい感じですね♪
このナットは対面のピボットナット程ではないものの、それなりに強いトルクがかかりますが強度的に問題は無さそうです。
あとはそのうち来るであろうスイングアーム回りの整備をするタイミングを待つのみですが、
このCBR600RRはHONDAの大型バイク専売規制の関係でDREAM店さんにお世話になっているため、
もしかしたら重整備はお店任せでこのまま出番がないまま終わる可能性もあります(笑)
ま。素材的に高い部品でもないですし備えあれば憂いなしということで♪
そうそう。この手のロックナットはエンジンハンガーにもありますが、
そちらはミニバイク用のスイングアームロックナットレンチがサイズ的に流用できそうです。簡単に買えるって素晴らしい。
最後に比較。
左が”同じ構造のスイングアームピボットロックナットを外すために作った” CBR1000RR用の工具。右が今回の工具です。
リッターSSと600SSのパワー差によるものなのか、剛性に対する考え方が時代で変化したのかは定かではありませんが随分サイズが違うのが興味深いです。
加工の状況としては当時の作業精度に比べればだいぶ工作が綺麗になりましたが所詮は手作業ですね。雑な性格も出ています。
とはいえ進歩の跡は見える・・かしら(笑) これでまたもや特殊工具がひとつ増えてちょっぴり楽しみも増えました。
そういえば同じく 買えないシリーズ でステアリングステムのロックナットの専用工具がありましたっけ。
これはまあ・・・昔、生田駅のちょっと先にあったオフ車メインのバイク用品屋さん(マンションの一室みたいなお店でした。なんて名前だったかなあ。)で、
まだまだ若かった私は店主さんに「もってたらいい工具ってなんでしょうね」とマセた質問をしたところ、
可変フックレンチとキャブ調整用のロングマイナスドライバーを紹介してもらって買った思い出があるのですが、
その時のフックレンチがまさに優れモノでいまだ現役ですので、当面はそれでいいかなあと思っております。
しかしいーかげん走りに行きたいなあ。
できれば泊まりでどこか遠くへ( ̄ー ̄)。最近そういう仲間もいないんですよね~これが。
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