思い返せば9年前、別府を初めて訪れて友人Tさん宅にお世話になり、Tさんが湯守をしている市の原温泉に巡りあったことが、私の「別府狂い」の原点です。市の原温泉は私にとって「ふるさとの湯」と言っても過言ではありません。
鄙び度、内外の佇まい、泉質、雰囲気とどれをとっても共同温泉のカガミのような存在で、これの右に出る温泉には未だ巡りあっておりません。(ちょっと入れ込み過ぎの感もありますが・・・)
二週間の別府ステイを終わらせるに際して、ジムニーの返却がてらTさん宅にお邪魔してひとっ風呂ごちそうになりました。温泉道のスタンプは湯小屋には備えられておらず、筋向かいのパン屋さんで押してもらいます。Tさんのゲストとしていつも無料で入浴させていただいていますが、今回はスタンプを押してもらうので無料ともいかず200円をきっちりとお払いしました。
ごちそうといえば、Tさんのお宅によばれると、いつも出てくる量が半端ではないのです。「今日は簡単にピザだけだから」と言われてその気になってしっかり食べていたら、「パンも食べて」とパン焼き器から焼きたてのパンを取り出して目の前にドン!野菜が採れ過ぎたので野菜いっぱいのキッシュも作ったからと、これまた肉厚のキッシュがドン!
「遠慮するわけじゃなくて、もうこれ以上食べられません!限界ですから」
「そんなこといわんで、もうすこしだけ」
「Tさんも一緒に食べる?」
「あたしゃもうたくさん」
「だ・か・ら〜。僕も腹一杯でこれ以上無理よ。勘弁してよ」
「じゃ、パンだけでも持って帰ってよ。明日食べればいいでしょ」
「はあ、明日帰るので飛行機の中でごちそうになります」
ある時別府に住む他の友人とこの話をしていたら、「そうそう、あるある」となり、どうやらこれが別府の(大分の?)県民性じゃないかという話になりました。客を呼んだら「もうこれ以上はダメ、絶対ムリ」という位の量を提供するのが大分の、別府の「おもてなし」の基本と認識されているのではないかと勝手に思い込んでいます。
Tさんに聞いて確かめるわけにも行かないしな〜!?