北へふたり旅(106)
2人が手ぶらでわたしの前にあらわれた。
「あれ・・・どうしたの?。買ったものは?」
「大きな荷物をもって戻って来ると思っていたの?。もしかして。
遅れていますねぇ。いまどきはお店から送ってくれる時代です」
なんでも宅配で送れる。
おおきな荷物をかかえ電車へ乗りこむわたしが、いきなり時代遅れになった。
「ユキちゃんにすっかりお世話になりました」
「本当だ。あらためてお礼をしたいね」
「なにか欲しいものがある?。遠慮なく言ってちょうだい」
「わたし・・・メロンが大好物なんです」
「メロン。いいわね。わたしも大好き!
お世話になったお礼にメロンを買いに行きましょう。ねぇあなた」
女2人ですでに筋書きが出来ているようだ。
「このさき。西の出口にメロンを売っているデパートがあるそうです。
駅弁も置いてあるそうですから、あしたの下見もできます」
女2人はメロンに心が躍っている。
メロンには魔性が有る。
甘くかぐわしい香り。とろけるような舌触り。
幸せな気分を満足させてくれるフルーツ、それがメロンという果物だ。
「8月だ。夕張メロンの時期はすでに過ぎていると思うけど?」
「夕張は終わりましたが、北海道はフルーツ王国。
いまのおすすめは、富良野メロンです」
「富良野って・・・ラベンダーで有名な、あの富良野?」
「はい。北の国からで有名になった、あの富良野です。
夕張メロンよりひとまわりおおきくておいしいメロンが、およそ半額。
魅力的でしょ。リーズナブルなお値段が」
「ほう。安いのか。それは嬉しい。
メロンほど価格に幅が有る果実もめずらしい。
1玉400円から、1万円以上の贈答用の高級メロンまでさまざまだ。
君。知っているかい。アンデスメロンの名前の由来を?」
「アンデス地方原産だから、でしょ?」
「生産者は作って安心。流通は売って安心。消費者は買って安心。
安心を冠にした安心ですメロン(アンシンデスメロン)を略して
『アンデスメロン』になったんだ」
「ホント?」
「クインシーメロンの「クインシー」は、赤肉ということで
女王を表す「クイーン」と「ヘルシー」の造語。
エメラルドメロンの「エメラルド」は、5月に市場に出回ったことから、
5月の誕生石の「エメラルド」にかけた」
「ぜんぶ日本でつけられた名前なの。あら、びっくり・・・」
(107)へつづく
2人が手ぶらでわたしの前にあらわれた。
「あれ・・・どうしたの?。買ったものは?」
「大きな荷物をもって戻って来ると思っていたの?。もしかして。
遅れていますねぇ。いまどきはお店から送ってくれる時代です」
なんでも宅配で送れる。
おおきな荷物をかかえ電車へ乗りこむわたしが、いきなり時代遅れになった。
「ユキちゃんにすっかりお世話になりました」
「本当だ。あらためてお礼をしたいね」
「なにか欲しいものがある?。遠慮なく言ってちょうだい」
「わたし・・・メロンが大好物なんです」
「メロン。いいわね。わたしも大好き!
お世話になったお礼にメロンを買いに行きましょう。ねぇあなた」
女2人ですでに筋書きが出来ているようだ。
「このさき。西の出口にメロンを売っているデパートがあるそうです。
駅弁も置いてあるそうですから、あしたの下見もできます」
女2人はメロンに心が躍っている。
メロンには魔性が有る。
甘くかぐわしい香り。とろけるような舌触り。
幸せな気分を満足させてくれるフルーツ、それがメロンという果物だ。
「8月だ。夕張メロンの時期はすでに過ぎていると思うけど?」
「夕張は終わりましたが、北海道はフルーツ王国。
いまのおすすめは、富良野メロンです」
「富良野って・・・ラベンダーで有名な、あの富良野?」
「はい。北の国からで有名になった、あの富良野です。
夕張メロンよりひとまわりおおきくておいしいメロンが、およそ半額。
魅力的でしょ。リーズナブルなお値段が」
「ほう。安いのか。それは嬉しい。
メロンほど価格に幅が有る果実もめずらしい。
1玉400円から、1万円以上の贈答用の高級メロンまでさまざまだ。
君。知っているかい。アンデスメロンの名前の由来を?」
「アンデス地方原産だから、でしょ?」
「生産者は作って安心。流通は売って安心。消費者は買って安心。
安心を冠にした安心ですメロン(アンシンデスメロン)を略して
『アンデスメロン』になったんだ」
「ホント?」
「クインシーメロンの「クインシー」は、赤肉ということで
女王を表す「クイーン」と「ヘルシー」の造語。
エメラルドメロンの「エメラルド」は、5月に市場に出回ったことから、
5月の誕生石の「エメラルド」にかけた」
「ぜんぶ日本でつけられた名前なの。あら、びっくり・・・」
(107)へつづく