上司と部下の健全な関係/村山 昇(INSIGHT NOW!) - goo ニュース
◆上司/部下の関係タイプ分け
世の中には、それこそ数え切れないほどの上司と部下がいます。そしてそれらの関係
状況も実にさまざまです。上司と部下の関係は、業務を遂行するためだけの機能的で
淡白な状況もあれば、個人レベルで双方が親しくなる状況もあります。あるいは、上
司が半ば恐怖政治のような環境をつくり、部下を服従させている状況もしばしば見受
けられます。そんな上司と部下の関係を、関係の深さと健全性の二軸でタイプ分けし
てみるとこんなようになるでしょうか。
おそらく現在のあなたの上司と部下の関係も、これらのうちのいくつかをブレンドし
た形だと思います。
上司と部下の関係でもっとも基本的でシンプルなものが「監督者/作業者」型です。
これは職務遂行のために「私監督する人/私作業する人」という関係で、給料をもら
うためには各々がきちんと責任をまっとうする―――それ以上でもそれ以下でもあり
ません。
そしてここを中心に右上方向に位置していくのが健全で関係性の深いタイプです。
逆に左下に位置していくほど不健全で関係性の浅いタイプになります。
組織内で目指すべき健全な関係は、「指導者(よきリーダー)/賢従者(よきフォロ
ワー)」型です。この関係性においては、上司も部下も、無機質な「監督者/作業者」
よりも相互に信頼感を持ち、より高いレベルの職務遂行に向かって進んでいく姿勢が
あります。
上の図で、「サポーター/ドリーマー」型や「師匠/弟子」型が最も右上に位置づけ
されている理由は、上司も部下ももはや一組織人という立場を超えて(ときに利害を
超え)、夢や志を追い、道を究めようとする一人間同士の啓発的な関係になっている
点です。
他方、健全な関係といえないのが、「王様/家来」、「カリスマ/信奉者」、「キツ
ネ/タヌキ」、「暴君/弱衆・下僕」といったものです。これはいわずもがなです。
さて、ここでひとつトリッキーなタイプが指摘されます。それは「親分/子分」関係
です。親分/子分の関係は独自の信頼関係から成り立ち、ある意味団結が強く、実際
に多くの会社では組織を動かす原動力にもなっています。個人的にもある上司とウマ
が合って、その上司から寵愛を受け、引き抜き昇進に授かれば部下にとっても悪い話
ではありません。
◆親分/子分関係の問題点
しかし、この関係には問題も多くあります。親分の言ったことになかなか子分は逆ら
えない。子分の昇進は、親分の社内での政治力や親分への取り入り方のうまさで左右
されるところから、子分はやがて太鼓持ちかイエスマンになってしまう。また、派閥
めいた固まりは組織に硬直性を持たせることにつながる。そして何より、「親亀こけ
たら皆こける」の状況が生じることです。
上司/部下の目指すべきタイプは「指導者/賢従者」だと言いましたが、そこでは、
双方の意識はまず「よい仕事を行う」ことに向けられています。したがって、部下に
しても、もし上司が仕事達成のために不適切な指示を出したら、意見を遠慮なく言う
ことができます。つまり「仕事」が上位で「上司」が下位だからです。ところが、親
分/子分関係では、これが逆の順位になってしまいます。仕事の達成を互いが最優先
と認識して、それを媒介にしながら、上司と部下が能力を出し合う協力関係が健全な
姿といえます。
◆最終的に上司と部下は呼び寄せ合っている
「サラリーマンでいるかぎり、上司は選べない」―――多くの会社員はこう思って(
悟って? あきらめて?)います。
……しかし、はたしてそうでしょうか。私がいろいろな組織の、いろいろな上司-
部下関係を観察するに、上司と部下は最終的に呼び寄せあっているように思えます。
人は、3年、5年、10年、20年という時間をかけ、その人の内面的な境涯に応じた環
境にみずからはまり込んでいくものです。
志を掲げて高い意識で働いている部下は、優柔不断で明快な意志を持たない上司から
次第に離れていき、やがて同じような目的観を強く持った上司をつかまえ、その下に
行きます。
保身でなぁなぁにやりたいと思っている部下は、やはり保身で適当にやればいいと思
っている上司の下で馴れ合い関係を保とうとします(タヌキとキツネで互いを利し合
っている関係性は意外と長続きする)。
何かに怯えるように働く部下には、サディスティック(加虐的)な上司がますますサ
ディスティックになります。意気軒昂な部下なら、さっさとそんな上司の下から抜け
出してしまいますが、それができない部下も(第三者から見れば不思議ですが)世の
中に多いのは事実です。
さらに言えば、上司がいやな部下は、ついには自営業を始めてしまうのです。
いずれにしても、部下と上司の人間関係は、仕事上の「おおいなる目的」があって、
それを実現するための手段でしかない。手段に振り回されるのも、手段をうまく用い
るのも、すべては自分自身の目的観・意志の強さ、勇気ある行動による。
2011年1月17日(月)10:50
ちょっと長い文章でしたね。お疲れ様です。
人によって基準が違いますから、何をもってして健全な関係というかはそれぞれですが
会社の上司と部下を考えた時、会社の目標に同じベクトルを持って仕事をする
ということは大事ですよね。
ただ指示するだけの者、そしてその指示を受けて作業する者という淡白で希薄な関係の
仕事では、良い仕事はできないことが多いと思います。
やっぱり目指すはべきは文中にもあるように
「指導者(よきリーダー)/賢従者(よきフォロワー)」型。
より高いレベルの職務遂行に向かって進んでいく姿勢を互いに持つってところですね。
上司が言ったことが絶対なのではなく、それに疑問があれば部下から意見が飛あり、適切な
内容でいい仕事につながるならば上司がその意見を認める。
歯科でも同じだと思いますが、何か改善点があることをスタッフが感じていても、それを
言いにくい環境にしていてはいけないんですよね。言いやすい環境を上司が作っておくこと
は大事だと思います。
また、スタッフ自身もよりよくあろうという意識をもってもらうことも大事ですし、自分
自身の意見を持つと同時に、上司のアドバイスを素直に受け入れる気持ちっていうのも持っ
ていてもらいたいところです。
そしてそうなっていくためには、やっぱりただ指示、指示され行動するだけでなく、
どうしたら相手が上手く仕事を進めやすいかを考え行動し、相互を思い考え、
時には仕事以外の話題などを組み入れコミュニケーションとっていくのが必要なん
じゃないかぁって思います。
山形県 米沢市 笹生歯科医院 副院長のKazuyoshiでした。