歯並び 遺伝より、食事や生活習慣、癖の影響大
読売新聞(ヨミドクター) 7月8日(金)
子どもの歯並びを心配する親は多い。歯並びが悪いと、食べ物がうまくかめないばかりか、
虫歯や歯周病になりやすい。
専門家は「乳歯のうちからよくかむ習慣を付けることなどで、歯並びをきれいにできる」
と助言する。
▼食事時は足元を安定させて
「あごが小さく乳歯がすき間なく生えていたり、並びが不ぞろいだったりするケースが目
立ちます」。東京都大田区の歯科医、倉治ななえさんは、最近の乳幼児の歯についてこう
指摘する。「乳歯の歯並びには、すき間が必要です」
乳歯は生後6~8か月ごろ生え始め、個人差はあるが、2歳半から3歳ごろまでに20本
生えそろう。永久歯の幅は乳歯の約1・2倍。小さな乳歯だけですき間なく並んだり、
不ぞろいだったりすると、28本の永久歯(親知らずを除く)はきれいに並ばない。
一般的に、歯並びやかみ合わせに問題がある場合を「不正咬合(こうごう)」と呼ぶ。「乱ぐ
い歯」や「八重歯」など歯が一列に並ばずデコボコしているものや、前歯や上あごが前に
突き出ていたり、下あごが前に突き出ていたりするものもある。歯並びが悪いと、歯磨き
がしにくいため虫歯や歯周病にもなりやすい。
倉治さんは「歯並びは遺伝と考える親は多いが、食事や生活習慣、癖による影響が大きい
」と話す。子どものうちは、きれいな歯並びの土台となるあごの骨が育ちやすい。
「歯が生えそろってきたら、1日3食、しっかりかんで食べることが大切」。一口に付き
30回かむのが理想。あごが育ち、デコボコに生えていた歯がきれいに並んだ例もある。
東京都品川区は1歳半、2歳、3歳児らを対象にした歯科健診で、よい歯を育てる食生活
について助言している。歯科衛生士の高野弘子さんは、「無理に硬いものを与えてもあご
や歯は育ちません」と指摘する。かむ力が十分でない幼児に、硬いものや繊維の強い食事
を与えると、丸のみしてしまうからだ。特に、奥歯が生えそろわないうちは、繊維が強い
肉の塊や、生野菜は食べにくい。「生野菜はポテトサラダに混ぜたり、肉はひき肉を使う
など、調理方法の工夫が大切です」
姿勢や癖も、歯並びに影響を与える。食事の際には、「足がブラブラした不安定な姿勢だ
と、かむ力や回数が減ってしまう」と倉治さん。体に合ったイスを用意したり、踏み台を
置いたりする。足元が安定すれば、しっかりかめて、あごの骨も発達しやすい。食事の際、
いつも横にあるテレビを見ていて、奥歯のかみ合わせがずれた例もある。よい姿勢を保つ
ことが重要だ。
4歳を過ぎての指しゃぶりも注意が必要。上下の前歯が閉じない不正咬合になることもある。
歯並びやかみ合わせによっては、早期に受診した方がいい場合もある。定期的に歯科健診
を受け、虫歯予防に加え、歯並びについても相談しておくとよい。日本小児歯科学会(東京)
のホームページ(http://www.jspd.or.jp/)では、子どもの歯の知識が豊富な専門医を紹介
している。
■歯並びをよくする生活のポイント
・食事は3食しっかりかんで食べる
・食事は体に合ったイスなど、足元が安定する姿勢で
・食欲がわくよう、体を動かして遊ぶ
・4歳を過ぎての指しゃぶりの癖や口呼吸などを改善
・定期健診を受け、虫歯を作らない
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遺伝的傾向ももちろんあるかと思いますが、文中にもあるように咬むという
刺激を与えない現代の食生活、そして日常的な癖(ほおづえをつく、指しゃぶり、舌を上の
歯と下の歯の間に入れる癖等々)も顎の発育には大きく関係はしているといえますね。
昔に比べれば食べやすくなっている食生活。咬む力がなくても食べれるわけですから
筋力も低下、骨の発育も低下するのは当然かもしれません。何回も咬まなければいけない
昔の食事内容ならやはり咬むための筋力とそれにふさわしい骨格になるのでしょう。
山形県 米沢市 笹生歯科医院 副院長のKazuyoshiでした。
子供の顎の成長に必要なことは
咬むことで発育する
咬むことが肥満予防