いちよう:二千和会だより

 会報「いちよう」を通して、人生がさらに豊かに広がるよう「今も青春!」の心がけで楽しく交流しながら散策しましょう。

旧交を温め おまけの翌日

2007年12月16日 | SO-Color


 栄の交差点はもうすっかり師走。我ら母親たちは、我が子が幼稚園に通いだしてからず~っと共通の、心通ずる友達付き合い。遠くの親戚より近くの他人…という諺どおりかな? お互い助け合ったり楽しんだり相談したり愚痴ったり…良い付き合いをさせてもらっている。
   
 「今日は忘年会だね」と、まずはビールで乾杯です。2,3ヶ月に1回は会っているのに、顔を合わせると話は尽きない。自分の趣味の話、仕事のこと、子供や家族のことなど、女はとりあえず話すと気持ちが収まる。そして自分の生き方に並行するような、主義に通じたり意見を述べ合ったり拝聴したり、3人寄れば文殊の知恵であるかも知れないが、前向きに明日を思える気分になったりする。有難い友達関係だ。

テレビ塔/講演会 

  さらにその晩、明日都合が出来て券が無駄になってしまうからと、チケットを頂いた。澤地久枝さんの講演会―ワァ~興味ある!!

 

  それは、哲学セミナー・学習講演会「ひとりからはじまる」―新しい棄民時代の戦い―と題して澤地久枝さんのお話。連れ合いとともに出かけ、2枚のティケットは有効に使わせて頂いた。Nobueさん、ありがとう!

 澤地は1930年生まれ。プロフィール紹介には五味川純平の資料助手で『戦争と人間』の執筆を助け、1972年に『妻たちの2.26事件』を出版し、本格的な出版活動に入った、と。
 戦後まもない昭和24年には、鉄道事故など大事件が次々に起こった。何者かの意図をもって、それがレッドパージとなったというところから、話が始まった。
  
 一人ひとりは小さな存在、けれどその小さな人間から始めなければ、何も始まらない…と小田実は言ったと…。小田の言葉や姿勢が今日の講演での、澤地の心の琴線を大きく響かせている。
 “ひとりからはじまる”という演目。私は何のために生きているか、ということを自覚した市民になること。独立した個人になること、志ある人間として生きていかねばと思います…ときっぱり! 喜寿を迎えたお年には見えない若々しさ。心も姿もお声もとても澄んでいる。
 私は「橇が走り出すと止まらない」ように話が乗ってきて、だんだん早口になってしまうと…。
 14:30~16:50間に15分の休憩があったけれど、澤地さんはずっと舞台の上から降りずに、休憩のお茶と干菓子(両口屋の「二人静」)を頂きながら、五味川純平が「“二人静”だなんて二人でいれば静かであろうはずがない」と言った、とかの話まで雑談披露して我々にサービスされた。
 質疑応答で「語り継ぐ戦争…若者は戦争の悲惨さなど他人事で関係ないとしか受け取れない。実際の出来事を語るだけではなく、体験したその人の心の中を聞き出し、それを話せば戦争を知らない人々にも、疑似体験したように分かったり、興味深く聞けると思う。是非、戦争被害者・加害者の気持ち・心の面を若者に伝えて切実感を持たせて欲しい。その点をよろしく!」と連れ合い。

 東別院ホールの会場は450人満席の集まりだった。講演が終わった頃には、ホールの隣の東別院の門は閉まっていたがライトアップの門を写してみた。そして澤地さんの余韻に浸りながら、地下鉄の階段を下りた。