本棚7個じゃ足りません!

引っ越しのたびに蔵書の山に悩む主婦…
最近は二匹の猫の話題ばかりです

コージー・ミステリ4作

2008年10月02日 | 
コージーもの4作品の感想、まとめました。

『蘭追い人、幻の貴婦人をさがす』ミシェル・ワン ヴィレッジブックス
行方不明になった女性が所持していたらしいカメラが見つかり、フィルムに残されていた写真の風景から当時の足取りをたどろうとする…という設定で、植物学とミステリの融合という点からそれなりに期待して手に取った訳です。

しかし…主人公マーラの性格に怯む。わたしは他人に無理やり何かを依頼しておきながら、いつも不満たらたらで謝意を充分に示さない女性は苦手です…。
そして肝心の犯人なんだけど…登場した瞬間に「この人だよ」と分かってしまいました。それからはもう、消化試合(?)。ロマサス系だとよくあることなんですが、「なんで主人公はギリギリまで分からないの?」と思いつつ、読了。結局この作品はミステリというより、サスペンスものなのでしょう。
わたしにとっての植物学+ミステリの傑作と言えば、やはりこれからも『いざ言問はむ都鳥』(澤木 喬 東京創元社)なのかもしれない…。


『ディミティおばさま現わる』ナンシー・アサートン ランダムハウス講談社
自身の離婚と母の病没によって、打ちのめされていたロリ。そんな彼女の元に、突然弁護士から手紙が届いた。ディミティおばさんの遺言の件で会いたいというのだ。母が創り上げたおとぎ話の登場人物だと思っていたディミティおばさんが、現実に存在していたということに、ロリは驚くのだが…。

表紙のウサギの可愛さから思わずジャケ買いした、殺人のない、コージー・ミステリ。ディミティおばさんのお話とは、本当はどんなものだったのか?ディミティおばさんと母はどんな関係だったのか?二人の真の姿とはどんなものだったのか?そして、死後もディミティがひた隠しにする秘密とは?ロリが探ることになるのは、歴史に埋もれた人々が残した小さな謎だったのでした。それを知ることによって、相次ぐ不幸からややひねくれてしまったロリも、心を回復させていくのですが。
国境を越えてお互いに支えあう友情の美しさに感心するとともに、悪意とも言い切れない僻みから、取り返しの付かない事態を引き起こしてしまう人間の負の部分って、怖いなあと思いました。
個人的には大ウィリスがいい感じでした。


『キーライム・パイはため息をつく』ジョアン・フルーク ヴィレッジブックス
“お菓子探偵ハンナ”シリーズ9作目。今度は賑やかなカウンティ・フェアで殺人事件が。なんかレイク・エデン、のんびりした田舎町風だけど結構イベントがあって楽しそうだなあ、と思っていたのですが、町全体で盛り上がっている時に限って殺人が起こるというのも困りものですねえ。

今回の事件では、カウンティ・フェアで滞在中のロデオ・ショー一座の面々がからんできたりと、ハンナも捜査しにくかったのではないかなぁ…と思います(地元の濃い繋がりから、保安官たちより先んじることができるというのも、ハンナの探偵活動の特色だったのだけど)。いつもと違うと言えば、恒例のお菓子のレシピも、ハンナが審査員を務めるお菓子コンテストの出品作など、発想が面白い感じです(マンゴーブレッドとか!)。
そして猫の一件では、やっぱりマイクではなく、ノーマンにしとけば?とまた思ったのでした。(まあ、気になるノーマンの秘密が露見してからでも、決めるのは遅くないけど…って、選択権はわたしにはないのでしたね。前作登場のロスが今後も関わってきたら、さらに面白くなるかしら~と無責任に期待する)


『チョコ猫で町は大騒ぎ』ジョアンナ・カール ヴィレッジブックス
夫と離婚したリーは、ネッティおばの営むチョコレートショップを手伝いながら、地道に公認会計士を目指している。ある時、おばの作ったチョコレートを食べて、著名な女性弁護士が亡くなった。チョコには青酸カリが含まれていたという。突然容疑者として注目されたリーとネッティおばだったが、被害者は他にも多くの人の恨みを買っていた。疑いを晴らそうと聞き込みをするリーだったが…。

ヒロインのリーはミスコンに出場したこともあるくらい美人で、時々とんでもない言い間違いをする癖があるものだから、実際よりお馬鹿さんだと思われがち。そんな彼女がチョコの世界以外何も知らないようなネッティおばさんを気遣って、にわか探偵になる訳ですが、裏目に出て家に泥棒が入るやら、記者たちが殺到するやら。この作品も犯人は何となく分かってしまうのですが、それでも一生懸命でドジなリーの姿には好感が持てます。(コージーものではヒロインの魅力も大事!)
種類豊富なチョコレートも美味しそう。猫型のは勿体無くて食べたくないけどね。



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里帰りは夫と一緒でしたが、
妻が友人たちとお茶を飲みながら旧交を温めていた時、
大事なお方はひとり映画館で『崖の上のポニョ』を観てきたのでした。
以来ほっぺだの二の腕だのおなかだのをつかまれる場合、
“ポニョ”と連呼されています。
わたしは観ていないのでよく分からないのだが…。
要するに“まんまる”と言われているのか?
触感が“ポニョ”ということなのか?
どちらにしろ…なんか屈辱!