昭和47年9月、加藤一二三先生と第11期十段戦です。

大山先生の中飛車になりました。後手番ですし(英ちゃん流でない)54歩と突いてからの中飛車は急戦を受けるには少し損なのですが、加藤先生が56歩と突いていないから、という気分なのでしょう。

大山先生は32金と備えないのは不思議な感じがしますが、32金には加藤先生の袖飛車(56右銀)になるので、それを避ける意味か。でも82玉と寄って離れ駒を作ってから仕掛けさせるのはどうだったか。

55歩と突き捨てるのは手筋で、44歩と取り込みにくくします。それから金を締まります。

3筋にアヤをつけてから角交換に応じます。でもこれが疑問なのでしょう。

ここに歩を打たれるのがきついです。24飛があるので32銀しかないですが

36歩から14角。これで反撃です。

ところが25歩同桂45桂という跳ね違い。中央に跳ね違う手が成立すれば加藤先生が有利です。

後手陣は金銀が低い位置なので45の桂馬に働きかけられません。飛車浮きに角打ち。これではっきりしてきました。

大山先生は桂馬を使い、角を切り、どうにか勝負の形を目指します。

飛車が逃げられるのでは角を切った効果は小さいです。26の金を寄ったのですが、55香もあるので仕方ないのでしょう。

幸便に13飛成が実現してと金の作り合いですが、竜の後押しがあるほうが速いです。

そのと金で32の銀を取るのではなく囲いの銀をはがしました。

これで詰み。
大山先生は軽くさばきに行ったのですが、先手玉のほうが堅いですし、44歩や25歩から45桂と加藤先生のほうに好手が多く、苦戦に陥りました。角を切ったところで勝負になるかと思いましたが、飛車を使われては駄目です。
加藤先生の快勝でした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:加藤一二三8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 6八玉(59)
10 4三銀(32)
11 3六歩(37)
12 5四歩(53)
13 7八玉(68)
14 5二飛(82)
15 5六歩(57)
16 6二玉(51)
17 4六歩(47)
18 7二玉(62)
19 5八金(49)
20 6二銀(71)
21 6八銀(79)
22 8二玉(72)
23 4五歩(46)
24 5五歩(54)
25 2四歩(25)
26 同 歩(23)
27 5五角(88)
28 7二金(61)
29 3七桂(29)
30 3五歩(34)
31 2六飛(28)
32 4五歩(44)
33 3三角成(55)
34 同 桂(21)
35 4四歩打
36 3二銀(43)
37 3五歩(36)
38 3六歩打
39 同 飛(26)
40 1四角打
41 2五歩打
42 同 桂(33)
43 4五桂(37)
44 3七歩打
45 5七銀(48)
46 5四飛(52)
47 2二角打
48 1七桂成(25)
49 3七飛(36)
50 5八角成(14)
51 同 金(69)
52 2八成桂(17)
53 1一角成(22)
54 2六金打
55 4七飛(37)
56 3六金(26)
57 1七飛(47)
58 2七成桂(28)
59 1三飛成(17)
60 4六歩打
61 4三歩成(44)
62 4七歩成(46)
63 同 金(58)
64 同 金(36)
65 5三と(43)
66 1二歩打
67 同 馬(11)
68 4四飛(54)
69 6二と(53)
70 同 金(72)
71 5三銀打
72 同 金(62)
73 同 龍(13)
74 4二飛(44)
75 同 龍(53)
76 同 金(41)
77 6二飛打
78 7二飛打
79 7一角打
80 投了
まで79手で先手の勝ち

大山先生の中飛車になりました。後手番ですし(英ちゃん流でない)54歩と突いてからの中飛車は急戦を受けるには少し損なのですが、加藤先生が56歩と突いていないから、という気分なのでしょう。

大山先生は32金と備えないのは不思議な感じがしますが、32金には加藤先生の袖飛車(56右銀)になるので、それを避ける意味か。でも82玉と寄って離れ駒を作ってから仕掛けさせるのはどうだったか。

55歩と突き捨てるのは手筋で、44歩と取り込みにくくします。それから金を締まります。

3筋にアヤをつけてから角交換に応じます。でもこれが疑問なのでしょう。

ここに歩を打たれるのがきついです。24飛があるので32銀しかないですが

36歩から14角。これで反撃です。

ところが25歩同桂45桂という跳ね違い。中央に跳ね違う手が成立すれば加藤先生が有利です。

後手陣は金銀が低い位置なので45の桂馬に働きかけられません。飛車浮きに角打ち。これではっきりしてきました。

大山先生は桂馬を使い、角を切り、どうにか勝負の形を目指します。

飛車が逃げられるのでは角を切った効果は小さいです。26の金を寄ったのですが、55香もあるので仕方ないのでしょう。

幸便に13飛成が実現してと金の作り合いですが、竜の後押しがあるほうが速いです。

そのと金で32の銀を取るのではなく囲いの銀をはがしました。

これで詰み。
大山先生は軽くさばきに行ったのですが、先手玉のほうが堅いですし、44歩や25歩から45桂と加藤先生のほうに好手が多く、苦戦に陥りました。角を切ったところで勝負になるかと思いましたが、飛車を使われては駄目です。
加藤先生の快勝でした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:加藤一二三8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 6八玉(59)
10 4三銀(32)
11 3六歩(37)
12 5四歩(53)
13 7八玉(68)
14 5二飛(82)
15 5六歩(57)
16 6二玉(51)
17 4六歩(47)
18 7二玉(62)
19 5八金(49)
20 6二銀(71)
21 6八銀(79)
22 8二玉(72)
23 4五歩(46)
24 5五歩(54)
25 2四歩(25)
26 同 歩(23)
27 5五角(88)
28 7二金(61)
29 3七桂(29)
30 3五歩(34)
31 2六飛(28)
32 4五歩(44)
33 3三角成(55)
34 同 桂(21)
35 4四歩打
36 3二銀(43)
37 3五歩(36)
38 3六歩打
39 同 飛(26)
40 1四角打
41 2五歩打
42 同 桂(33)
43 4五桂(37)
44 3七歩打
45 5七銀(48)
46 5四飛(52)
47 2二角打
48 1七桂成(25)
49 3七飛(36)
50 5八角成(14)
51 同 金(69)
52 2八成桂(17)
53 1一角成(22)
54 2六金打
55 4七飛(37)
56 3六金(26)
57 1七飛(47)
58 2七成桂(28)
59 1三飛成(17)
60 4六歩打
61 4三歩成(44)
62 4七歩成(46)
63 同 金(58)
64 同 金(36)
65 5三と(43)
66 1二歩打
67 同 馬(11)
68 4四飛(54)
69 6二と(53)
70 同 金(72)
71 5三銀打
72 同 金(62)
73 同 龍(13)
74 4二飛(44)
75 同 龍(53)
76 同 金(41)
77 6二飛打
78 7二飛打
79 7一角打
80 投了
まで79手で先手の勝ち