昭和47年12月、原田先生と第1回早指し選手権です。

このころの原田先生は多分振り飛車党だったのですが、大山先生が25歩を決めなかったので居飛車に。

相矢倉のようですが、普通に組んでいると78玉をとがめられそうで、変化球です。

矢倉中飛車になりました。先手番で矢倉を目指したら好んで指す人はいないでしょう、普通は後手番での戦法です。

互いに早囲いになり、相手の飛車に近い方に玉がいるほうが不利です。原田先生はその玉頭で戦えます。

大山先生らしい銀の繰り替え。でも位を取られては作戦負け。

しかし原田先生の64歩が問題で、位が消えてしまいます。

逆に大山先生が位を取って盛り返しました。原田先生も対抗して位を取っています。

また駒組みになり、原田先生から仕掛けます。でも厚く構えているところから仕掛けるので効率が悪いです。端攻めを見せて様子を見るのが正しいでしょう。そのあとの打開は難しいので、何とも言えませんが。原田先生が千日手を選ぶわけはないので、攻めたくなるのもよくわかります。

大山先生は形を気にせず全力で守ります。

銀を打ってけん制します。

桂馬を取るのは危険なので角筋を遮断。ここで65歩77銀を決めてしまったのですが、83飛~86歩同歩62歩同銀64角~86角という筋で角交換しないと勝てないでしょう。このあたりが原田先生の敗因です。

大山先生も攻め味を見せます。いろいろなところに手が付いて複雑な方が好みなのでしょう。

86歩に同歩と取ったので継歩が来ました。これは小さなミス。


87歩を打てて一安心。受けきりが見えてきました。

42角を封じてあるので、金で飛車を責めればはっきりしてきました。

飛車取り放置で手筋の攻めですが

もう先手玉が寄りません。

後手玉が寄るか入玉できるかということになり

攻めつつも自玉を安定させるのは早指しの時のテクニック。最善手というわけではないのですが。

ここか少し先で36歩から上部開拓をするしかなかったでしょう。以下は後手玉が入られるかどうかの攻防。

投了図。171手の熱戦ではありましたが、短い持ち時間ではミスも多くなります。
昨日相居飛車にされたらどうするのだろうかと書いていたら、矢倉中飛車ですか。もちろん若いころは居飛車党だった大山先生ですが、力戦が好みですからそれらしい指し方です。混戦になるときの指し方がうまいです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山王将
後手:原田8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5六歩(57)
8 5四歩(53)
9 6八玉(59)
10 8四歩(83)
11 7八銀(79)
12 5二金(61)
13 7七銀(78)
14 4三金(52)
15 7八玉(68)
16 3三銀(42)
17 4六歩(47)
18 4二玉(51)
19 4七銀(48)
20 3二玉(42)
21 5八飛(28)
22 6二銀(71)
23 5五歩(56)
24 同 歩(54)
25 同 飛(58)
26 7四歩(73)
27 6六歩(67)
28 3一角(22)
29 5八飛(55)
30 8五歩(84)
31 5六銀(47)
32 7五歩(74)
33 同 歩(76)
34 同 角(31)
35 6五銀(56)
36 9四歩(93)
37 4八金(49)
38 8四飛(82)
39 9六歩(97)
40 3五歩(34)
41 4七金(48)
42 3四銀(33)
43 6八金(69)
44 4二角(75)
45 7六銀(65)
46 7五歩打
47 6七銀(76)
48 6四歩(63)
49 7六歩打
50 同 歩(75)
51 同 銀(67)
52 6三銀(62)
53 7五歩打
54 8二飛(84)
55 7九角(88)
56 2二玉(32)
57 8八玉(78)
58 3二金(41)
59 7八金(68)
60 1四歩(13)
61 1六歩(17)
62 7三桂(81)
63 5六金(47)
64 5二飛(82)
65 5五歩打
66 2四歩(23)
67 6八角(79)
68 8二飛(52)
69 2八飛(58)
70 8一飛(82)
71 1七香(19)
72 6五歩(64)
73 同 歩(66)
74 7四歩打
75 6六銀(77)
76 7五歩(74)
77 同 銀(76)
78 7四歩打
79 6四歩(65)
80 同 銀(63)
81 同 銀(75)
82 同 角(42)
83 7二銀打
84 8四飛(81)
85 6三銀成(72)
86 4二角(64)
87 6四歩打
88 6五歩打
89 7七銀(66)
90 8三飛(84)
91 4五歩(46)
92 同 歩(44)
93 2五歩(26)
94 同 歩(24)
95 3六歩(37)
96 8六歩(85)
97 同 歩(87)
98 8五歩打
99 3五歩(36)
100 2三銀(34)
101 8五歩(86)
102 同 桂(73)
103 8六銀(77)
104 4六歩(45)
105 8四歩打
106 同 飛(83)
107 4六角(68)
108 7五歩(74)
109 8七歩打
110 7六歩(75)
111 6五金(56)
112 5六歩打
113 7五金(65)
114 4五歩打
115 4四歩打
116 同 金(43)
117 7九角(46)
118 6八歩打
119 同 金(78)
120 5七歩成(56)
121 同 金(68)
122 7七桂成(85)
123 同 桂(89)
124 同 歩成(76)
125 同 玉(88)
126 8一飛(84)
127 6六金(57)
128 4六歩(45)
129 2四歩打
130 同 銀(23)
131 3六桂打
132 3五金(44)
133 4三歩打
134 3三角(42)
135 2四桂(36)
136 同 角(33)
137 7三歩打
138 4三金(32)
139 7二歩成(73)
140 3一飛(81)
141 7六玉(77)
142 2三玉(22)
143 6五玉(76)
144 3六歩打
145 5四歩(55)
146 3七歩成(36)
147 同 桂(29)
148 2六金(35)
149 3八歩打
150 1七金(26)
151 2五飛(28)
152 3四金(43)
153 2九飛(25)
154 2七歩打
155 5三歩成(54)
156 3五角(24)
157 4三と(53)
158 2四玉(23)
159 2五歩打
160 同 金(34)
161 5九飛(29)
162 1六金(17)
163 5二飛成(59)
164 4七歩成(46)
165 2二龍(52)
166 2三桂打
167 4六歩打
168 3四飛(31)
169 2五桂(37)
170 1七角成(35)
171 3三桂成(25)
172 投了
まで171手で先手の勝ち

このころの原田先生は多分振り飛車党だったのですが、大山先生が25歩を決めなかったので居飛車に。

相矢倉のようですが、普通に組んでいると78玉をとがめられそうで、変化球です。

矢倉中飛車になりました。先手番で矢倉を目指したら好んで指す人はいないでしょう、普通は後手番での戦法です。

互いに早囲いになり、相手の飛車に近い方に玉がいるほうが不利です。原田先生はその玉頭で戦えます。

大山先生らしい銀の繰り替え。でも位を取られては作戦負け。

しかし原田先生の64歩が問題で、位が消えてしまいます。

逆に大山先生が位を取って盛り返しました。原田先生も対抗して位を取っています。

また駒組みになり、原田先生から仕掛けます。でも厚く構えているところから仕掛けるので効率が悪いです。端攻めを見せて様子を見るのが正しいでしょう。そのあとの打開は難しいので、何とも言えませんが。原田先生が千日手を選ぶわけはないので、攻めたくなるのもよくわかります。

大山先生は形を気にせず全力で守ります。

銀を打ってけん制します。

桂馬を取るのは危険なので角筋を遮断。ここで65歩77銀を決めてしまったのですが、83飛~86歩同歩62歩同銀64角~86角という筋で角交換しないと勝てないでしょう。このあたりが原田先生の敗因です。

大山先生も攻め味を見せます。いろいろなところに手が付いて複雑な方が好みなのでしょう。

86歩に同歩と取ったので継歩が来ました。これは小さなミス。


87歩を打てて一安心。受けきりが見えてきました。

42角を封じてあるので、金で飛車を責めればはっきりしてきました。

飛車取り放置で手筋の攻めですが

もう先手玉が寄りません。

後手玉が寄るか入玉できるかということになり

攻めつつも自玉を安定させるのは早指しの時のテクニック。最善手というわけではないのですが。

ここか少し先で36歩から上部開拓をするしかなかったでしょう。以下は後手玉が入られるかどうかの攻防。

投了図。171手の熱戦ではありましたが、短い持ち時間ではミスも多くなります。
昨日相居飛車にされたらどうするのだろうかと書いていたら、矢倉中飛車ですか。もちろん若いころは居飛車党だった大山先生ですが、力戦が好みですからそれらしい指し方です。混戦になるときの指し方がうまいです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山王将
後手:原田8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5六歩(57)
8 5四歩(53)
9 6八玉(59)
10 8四歩(83)
11 7八銀(79)
12 5二金(61)
13 7七銀(78)
14 4三金(52)
15 7八玉(68)
16 3三銀(42)
17 4六歩(47)
18 4二玉(51)
19 4七銀(48)
20 3二玉(42)
21 5八飛(28)
22 6二銀(71)
23 5五歩(56)
24 同 歩(54)
25 同 飛(58)
26 7四歩(73)
27 6六歩(67)
28 3一角(22)
29 5八飛(55)
30 8五歩(84)
31 5六銀(47)
32 7五歩(74)
33 同 歩(76)
34 同 角(31)
35 6五銀(56)
36 9四歩(93)
37 4八金(49)
38 8四飛(82)
39 9六歩(97)
40 3五歩(34)
41 4七金(48)
42 3四銀(33)
43 6八金(69)
44 4二角(75)
45 7六銀(65)
46 7五歩打
47 6七銀(76)
48 6四歩(63)
49 7六歩打
50 同 歩(75)
51 同 銀(67)
52 6三銀(62)
53 7五歩打
54 8二飛(84)
55 7九角(88)
56 2二玉(32)
57 8八玉(78)
58 3二金(41)
59 7八金(68)
60 1四歩(13)
61 1六歩(17)
62 7三桂(81)
63 5六金(47)
64 5二飛(82)
65 5五歩打
66 2四歩(23)
67 6八角(79)
68 8二飛(52)
69 2八飛(58)
70 8一飛(82)
71 1七香(19)
72 6五歩(64)
73 同 歩(66)
74 7四歩打
75 6六銀(77)
76 7五歩(74)
77 同 銀(76)
78 7四歩打
79 6四歩(65)
80 同 銀(63)
81 同 銀(75)
82 同 角(42)
83 7二銀打
84 8四飛(81)
85 6三銀成(72)
86 4二角(64)
87 6四歩打
88 6五歩打
89 7七銀(66)
90 8三飛(84)
91 4五歩(46)
92 同 歩(44)
93 2五歩(26)
94 同 歩(24)
95 3六歩(37)
96 8六歩(85)
97 同 歩(87)
98 8五歩打
99 3五歩(36)
100 2三銀(34)
101 8五歩(86)
102 同 桂(73)
103 8六銀(77)
104 4六歩(45)
105 8四歩打
106 同 飛(83)
107 4六角(68)
108 7五歩(74)
109 8七歩打
110 7六歩(75)
111 6五金(56)
112 5六歩打
113 7五金(65)
114 4五歩打
115 4四歩打
116 同 金(43)
117 7九角(46)
118 6八歩打
119 同 金(78)
120 5七歩成(56)
121 同 金(68)
122 7七桂成(85)
123 同 桂(89)
124 同 歩成(76)
125 同 玉(88)
126 8一飛(84)
127 6六金(57)
128 4六歩(45)
129 2四歩打
130 同 銀(23)
131 3六桂打
132 3五金(44)
133 4三歩打
134 3三角(42)
135 2四桂(36)
136 同 角(33)
137 7三歩打
138 4三金(32)
139 7二歩成(73)
140 3一飛(81)
141 7六玉(77)
142 2三玉(22)
143 6五玉(76)
144 3六歩打
145 5四歩(55)
146 3七歩成(36)
147 同 桂(29)
148 2六金(35)
149 3八歩打
150 1七金(26)
151 2五飛(28)
152 3四金(43)
153 2九飛(25)
154 2七歩打
155 5三歩成(54)
156 3五角(24)
157 4三と(53)
158 2四玉(23)
159 2五歩打
160 同 金(34)
161 5九飛(29)
162 1六金(17)
163 5二飛成(59)
164 4七歩成(46)
165 2二龍(52)
166 2三桂打
167 4六歩打
168 3四飛(31)
169 2五桂(37)
170 1七角成(35)
171 3三桂成(25)
172 投了
まで171手で先手の勝ち