昭和48年1月、灘先生との第27期A級順位戦です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/f8/ce7656e3305cedb6637bef081cb8118a.png)
矢倉模様です。灘先生は振り飛車も指したかは知りません。矢倉は得意としていたと思いますが、大山先生はなぜ振り飛車にしなかったのか、というのは66歩を見てなのですが、この当時に相振りになったのでしょうか?振り飛車を見せておくほうが無難ではありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/92/a0d59a747856b8ba35260186c2940834.png)
もちろん大山先生は矢倉も得意ですがこのころはほとんどないはずです。でも灘先生の46歩を見て急戦に。今は46歩は疑問手だと習うのですが、当時に常識だったのでしょうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/de/92f04d3ce119fc785afa2595645fc92b.png)
棒銀に対する受け方も何種類かありますが、65の位を取るのはその一つ。でも46歩との相性が良くないので、88銀で受ける方を選ぶのがよかったでしょう。あるいは右玉にしてしまうのもまあまあ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/6f/120872d8fea144d6f57967495bf14561.png)
ここには右銀をもっていきたいのですが間に合いません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/5a/66559fa05dfb426560ea1cf2096f54b0.png)
86歩には同角が変化球ですが、それでも銀を出て大山先生が有利。先手の歩が47で止まっていればけん制もできそうですが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/f1/5d79ea3c501709fbf636f334c93fbec5.png)
角を打って飛車先をたたく。これが反撃筋ですが当初の予定ではないでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/cf/34ee599e2accbe60b5308f8768123e54.png)
歩損で馬を作るだけでは戦果はなく、棒銀をさばいたら大山先生が優勢。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/38/877ecaf1d63a112061a6103df90a65ae.png)
何をやってもよさそう、でも玉を囲うのが逆転のない手です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/18/98efc938cd0ef101e59c49081601a91e.png)
飛車を切ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/6f/72f636f0a77abd3c29c834cef6c61e61.png)
灘先生に攻め駒が少ないのでしっかり受けて問題なし。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/bf/ffcee479a87cb176715cf1ea13bc0252.png)
87の成銀を97によるのはおかしな感覚です。75歩として歩を渡すのを嫌ったのですが、意地悪な感じです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/9c/235d5a06d01d69d8fb44ed9c43ff9a30.png)
69角成を防ぐに玉を寄るしかないのなら問題なし。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/bf/4b68266b21bd654d4bec24e3f12efdd1.png)
あとは馬と金銀で先手玉を追いかけて
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/fa/1e207fe3e73411d727d29c5249fb53d0.png)
桂頭の玉ですが灘先生に受け駒が少ないので寄ってはいます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/7e/b83292b4dc06a8378960f148ca5775c0.png)
最後の反撃。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/ee/b37fb9215c2f1006dcf2614d718dd150.png)
これで後続はありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/92/9962c03d25506019b06b929514da040f.png)
詰めろではないのでちょっと不思議な投了図ですが、大山先生の完勝です。
一昔前、無敵時代はこんな将棋ばかりだったのでしょう。灘先生の46歩が疑問手だという認識が広まっていたかどうかはわかりませんが、それをとがめに行く棒銀で有利になり、完勝です。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:灘蓮照8段
後手:大山王将
先手省略名:灘
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八銀(79)
6 8五歩(84)
7 7七銀(78)
8 5四歩(53)
9 5六歩(57)
10 4二銀(31)
11 4八銀(39)
12 6二銀(71)
13 5八金(49)
14 3二金(41)
15 2六歩(27)
16 7四歩(73)
17 7八金(69)
18 4一玉(51)
19 6九玉(59)
20 5二金(61)
21 7九角(88)
22 4四歩(43)
23 3六歩(37)
24 4三金(52)
25 4六歩(47)
26 7三銀(62)
27 6七金(58)
28 8四銀(73)
29 6八角(79)
30 3三銀(42)
31 6五歩(66)
32 3一角(22)
33 6六銀(77)
34 8六歩(85)
35 同 角(68)
36 同 角(31)
37 同 歩(87)
38 9五銀(84)
39 6四歩(65)
40 同 歩(63)
41 9六歩(97)
42 8六銀(95)
43 6三角打
44 5二角打
45 8三歩打
46 同 飛(82)
47 7二角成(63)
48 8五飛(83)
49 5七銀(48)
50 8七銀成(86)
51 7九金(78)
52 6五歩(64)
53 7七銀(66)
54 7五歩(74)
55 5九玉(69)
56 4二金(32)
57 7五歩(76)
58 7八歩打
59 8六歩打
60 7五飛(85)
61 8一馬(72)
62 7九歩成(78)
63 7六銀(77)
64 同 飛(75)
65 同 金(67)
66 3二玉(41)
67 4八玉(59)
68 8九と(79)
69 9一馬(81)
70 9九と(89)
71 7一飛打
72 9六角(52)
73 2五香打
74 4一香打
75 7三馬(91)
76 9七成銀(87)
77 5八玉(48)
78 7八角成(96)
79 6三馬(73)
80 6七銀打
81 4九玉(58)
82 6九馬(78)
83 7七金(76)
84 5八金打
85 3八玉(49)
86 5七金(58)
87 6七金(77)
88 4七馬(69)
89 2七玉(38)
90 1五桂打
91 1六玉(27)
92 3六馬(47)
93 3八銀打
94 6七金(57)
95 5五桂打
96 5三金(43)
97 4一飛成(71)
98 同 金(42)
99 2三香成(25)
100 同 玉(32)
101 4一馬(63)
102 3二銀打
103 3一馬(41)
104 2四歩打
105 3七銀(38)
106 3八飛打
107 投了
まで106手で後手の勝ち
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矢倉模様です。灘先生は振り飛車も指したかは知りません。矢倉は得意としていたと思いますが、大山先生はなぜ振り飛車にしなかったのか、というのは66歩を見てなのですが、この当時に相振りになったのでしょうか?振り飛車を見せておくほうが無難ではありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/92/a0d59a747856b8ba35260186c2940834.png)
もちろん大山先生は矢倉も得意ですがこのころはほとんどないはずです。でも灘先生の46歩を見て急戦に。今は46歩は疑問手だと習うのですが、当時に常識だったのでしょうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/de/92f04d3ce119fc785afa2595645fc92b.png)
棒銀に対する受け方も何種類かありますが、65の位を取るのはその一つ。でも46歩との相性が良くないので、88銀で受ける方を選ぶのがよかったでしょう。あるいは右玉にしてしまうのもまあまあ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/6f/120872d8fea144d6f57967495bf14561.png)
ここには右銀をもっていきたいのですが間に合いません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/5a/66559fa05dfb426560ea1cf2096f54b0.png)
86歩には同角が変化球ですが、それでも銀を出て大山先生が有利。先手の歩が47で止まっていればけん制もできそうですが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/f1/5d79ea3c501709fbf636f334c93fbec5.png)
角を打って飛車先をたたく。これが反撃筋ですが当初の予定ではないでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/cf/34ee599e2accbe60b5308f8768123e54.png)
歩損で馬を作るだけでは戦果はなく、棒銀をさばいたら大山先生が優勢。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/38/877ecaf1d63a112061a6103df90a65ae.png)
何をやってもよさそう、でも玉を囲うのが逆転のない手です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/18/98efc938cd0ef101e59c49081601a91e.png)
飛車を切ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/6f/72f636f0a77abd3c29c834cef6c61e61.png)
灘先生に攻め駒が少ないのでしっかり受けて問題なし。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/bf/ffcee479a87cb176715cf1ea13bc0252.png)
87の成銀を97によるのはおかしな感覚です。75歩として歩を渡すのを嫌ったのですが、意地悪な感じです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/9c/235d5a06d01d69d8fb44ed9c43ff9a30.png)
69角成を防ぐに玉を寄るしかないのなら問題なし。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/bf/4b68266b21bd654d4bec24e3f12efdd1.png)
あとは馬と金銀で先手玉を追いかけて
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/fa/1e207fe3e73411d727d29c5249fb53d0.png)
桂頭の玉ですが灘先生に受け駒が少ないので寄ってはいます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/7e/b83292b4dc06a8378960f148ca5775c0.png)
最後の反撃。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/ee/b37fb9215c2f1006dcf2614d718dd150.png)
これで後続はありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/92/9962c03d25506019b06b929514da040f.png)
詰めろではないのでちょっと不思議な投了図ですが、大山先生の完勝です。
一昔前、無敵時代はこんな将棋ばかりだったのでしょう。灘先生の46歩が疑問手だという認識が広まっていたかどうかはわかりませんが、それをとがめに行く棒銀で有利になり、完勝です。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:灘蓮照8段
後手:大山王将
先手省略名:灘
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八銀(79)
6 8五歩(84)
7 7七銀(78)
8 5四歩(53)
9 5六歩(57)
10 4二銀(31)
11 4八銀(39)
12 6二銀(71)
13 5八金(49)
14 3二金(41)
15 2六歩(27)
16 7四歩(73)
17 7八金(69)
18 4一玉(51)
19 6九玉(59)
20 5二金(61)
21 7九角(88)
22 4四歩(43)
23 3六歩(37)
24 4三金(52)
25 4六歩(47)
26 7三銀(62)
27 6七金(58)
28 8四銀(73)
29 6八角(79)
30 3三銀(42)
31 6五歩(66)
32 3一角(22)
33 6六銀(77)
34 8六歩(85)
35 同 角(68)
36 同 角(31)
37 同 歩(87)
38 9五銀(84)
39 6四歩(65)
40 同 歩(63)
41 9六歩(97)
42 8六銀(95)
43 6三角打
44 5二角打
45 8三歩打
46 同 飛(82)
47 7二角成(63)
48 8五飛(83)
49 5七銀(48)
50 8七銀成(86)
51 7九金(78)
52 6五歩(64)
53 7七銀(66)
54 7五歩(74)
55 5九玉(69)
56 4二金(32)
57 7五歩(76)
58 7八歩打
59 8六歩打
60 7五飛(85)
61 8一馬(72)
62 7九歩成(78)
63 7六銀(77)
64 同 飛(75)
65 同 金(67)
66 3二玉(41)
67 4八玉(59)
68 8九と(79)
69 9一馬(81)
70 9九と(89)
71 7一飛打
72 9六角(52)
73 2五香打
74 4一香打
75 7三馬(91)
76 9七成銀(87)
77 5八玉(48)
78 7八角成(96)
79 6三馬(73)
80 6七銀打
81 4九玉(58)
82 6九馬(78)
83 7七金(76)
84 5八金打
85 3八玉(49)
86 5七金(58)
87 6七金(77)
88 4七馬(69)
89 2七玉(38)
90 1五桂打
91 1六玉(27)
92 3六馬(47)
93 3八銀打
94 6七金(57)
95 5五桂打
96 5三金(43)
97 4一飛成(71)
98 同 金(42)
99 2三香成(25)
100 同 玉(32)
101 4一馬(63)
102 3二銀打
103 3一馬(41)
104 2四歩打
105 3七銀(38)
106 3八飛打
107 投了
まで106手で後手の勝ち