昭和47年10月、加藤博二先生と第1回早指し選手権です。

加藤博二先生は写真で見たことはありますが、棋風とかはわかりません。大山先生は四間飛車穴熊に。

ここだけ見ると現代的です。左美濃で対抗。36歩が早いのが気になります。

銀冠のほうがいいとは気が付いていない時代でしょう、大山先生の飛車の動きに合わせるしかないなら、今なら千日手でしょうか。当時は序盤で千日手になることはまずありません。後手からでも打開しています。

73角の転回を見せられて、46の歩を突くのは仕方ないのでしょうけれど、ここでは加藤先生が作戦負けです。

さらに55歩で傷を広げました。77桂か87銀としてまだまだだったのですが。

1歩持ったので桂頭を攻めます。

ところが桂馬を跳ねる手があって、後手が有利です。こういうところ、大山先生は手が見えます。

桂馬を取れなくて、57歩のくさびが入り、飛車も使って、大山先生が有利を拡大しています。

ちょっと俗手ですが、金銀交換から打ち込んではがします。

もう一回俗手。形勢がよければこれくらいの俗手でも構いません。形勢互角の時はひどい目に合うことがあります。

これは渋い好手。飛車を取ったので角を働かせなければ加藤先生からの攻めはありません。

角を追わせて切ります。無駄がない手順です。

あとは十字飛車から角取りの飛車で銀打。大差の投了図です。
このころにそんな常識はなかったので仕方ないのですが、左美濃なら36歩は急がないほうがよく、さらに46歩を突いたらだいたい作戦負けです。55歩もやらないほうがいい手です。45桂からは一方的になり、俗手や好手を織り交ぜて、きれいに寄せてしまいました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:加藤博二8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 9六歩(97)
14 8二玉(72)
15 5八金(49)
16 9二香(91)
17 5七銀(48)
18 9一玉(82)
19 3六歩(37)
20 4三銀(32)
21 6六歩(67)
22 8二銀(71)
23 7七角(88)
24 5二金(41)
25 8八玉(78)
26 7一金(61)
27 7八銀(79)
28 6四歩(63)
29 8六歩(87)
30 6二金(52)
31 9五歩(96)
32 1四歩(13)
33 1六歩(17)
34 3二飛(42)
35 2五歩(26)
36 3三角(22)
37 6七金(58)
38 5一角(33)
39 3八飛(28)
40 7四歩(73)
41 5九角(77)
42 7二金(62)
43 4六歩(47)
44 2二飛(32)
45 2八飛(38)
46 7三角(51)
47 3七角(59)
48 3三桂(21)
49 5五歩(56)
50 5四歩(53)
51 同 歩(55)
52 同 銀(43)
53 2六角(37)
54 4二飛(22)
55 3五歩(36)
56 6五歩(64)
57 5八飛(28)
58 4五桂(33)
59 6八銀(57)
60 5七歩打
61 4八飛(58)
62 6六歩(65)
63 同 金(67)
64 6二飛(42)
65 6七歩打
66 6五銀(54)
67 3四歩(35)
68 6六銀(65)
69 同 歩(67)
70 5八金打
71 同 金(69)
72 同 歩成(57)
73 同 飛(48)
74 4六角(73)
75 6七金打
76 5七歩打
77 1八飛(58)
78 2八金打
79 5九歩打
80 1八金(28)
81 同 香(19)
82 3五歩打
83 4七歩打
84 5八歩成(57)
85 同 歩(59)
86 6八角成(46)
87 同 金(67)
88 6六飛(62)
89 3五角(26)
90 3九飛打
91 7七銀打
92 7九銀打
93 投了
まで92手で後手の勝ち

加藤博二先生は写真で見たことはありますが、棋風とかはわかりません。大山先生は四間飛車穴熊に。

ここだけ見ると現代的です。左美濃で対抗。36歩が早いのが気になります。

銀冠のほうがいいとは気が付いていない時代でしょう、大山先生の飛車の動きに合わせるしかないなら、今なら千日手でしょうか。当時は序盤で千日手になることはまずありません。後手からでも打開しています。

73角の転回を見せられて、46の歩を突くのは仕方ないのでしょうけれど、ここでは加藤先生が作戦負けです。

さらに55歩で傷を広げました。77桂か87銀としてまだまだだったのですが。

1歩持ったので桂頭を攻めます。

ところが桂馬を跳ねる手があって、後手が有利です。こういうところ、大山先生は手が見えます。

桂馬を取れなくて、57歩のくさびが入り、飛車も使って、大山先生が有利を拡大しています。

ちょっと俗手ですが、金銀交換から打ち込んではがします。

もう一回俗手。形勢がよければこれくらいの俗手でも構いません。形勢互角の時はひどい目に合うことがあります。

これは渋い好手。飛車を取ったので角を働かせなければ加藤先生からの攻めはありません。

角を追わせて切ります。無駄がない手順です。

あとは十字飛車から角取りの飛車で銀打。大差の投了図です。
このころにそんな常識はなかったので仕方ないのですが、左美濃なら36歩は急がないほうがよく、さらに46歩を突いたらだいたい作戦負けです。55歩もやらないほうがいい手です。45桂からは一方的になり、俗手や好手を織り交ぜて、きれいに寄せてしまいました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:加藤博二8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 9六歩(97)
14 8二玉(72)
15 5八金(49)
16 9二香(91)
17 5七銀(48)
18 9一玉(82)
19 3六歩(37)
20 4三銀(32)
21 6六歩(67)
22 8二銀(71)
23 7七角(88)
24 5二金(41)
25 8八玉(78)
26 7一金(61)
27 7八銀(79)
28 6四歩(63)
29 8六歩(87)
30 6二金(52)
31 9五歩(96)
32 1四歩(13)
33 1六歩(17)
34 3二飛(42)
35 2五歩(26)
36 3三角(22)
37 6七金(58)
38 5一角(33)
39 3八飛(28)
40 7四歩(73)
41 5九角(77)
42 7二金(62)
43 4六歩(47)
44 2二飛(32)
45 2八飛(38)
46 7三角(51)
47 3七角(59)
48 3三桂(21)
49 5五歩(56)
50 5四歩(53)
51 同 歩(55)
52 同 銀(43)
53 2六角(37)
54 4二飛(22)
55 3五歩(36)
56 6五歩(64)
57 5八飛(28)
58 4五桂(33)
59 6八銀(57)
60 5七歩打
61 4八飛(58)
62 6六歩(65)
63 同 金(67)
64 6二飛(42)
65 6七歩打
66 6五銀(54)
67 3四歩(35)
68 6六銀(65)
69 同 歩(67)
70 5八金打
71 同 金(69)
72 同 歩成(57)
73 同 飛(48)
74 4六角(73)
75 6七金打
76 5七歩打
77 1八飛(58)
78 2八金打
79 5九歩打
80 1八金(28)
81 同 香(19)
82 3五歩打
83 4七歩打
84 5八歩成(57)
85 同 歩(59)
86 6八角成(46)
87 同 金(67)
88 6六飛(62)
89 3五角(26)
90 3九飛打
91 7七銀打
92 7九銀打
93 投了
まで92手で後手の勝ち