昭和47年9月、内藤先生と第13期王位戦第5局、これで決着です。

内藤先生は鳥刺し含み、大山先生は石田流かという構えです。

内藤先生は中央位取りに。

大山先生の34銀は位取りの三間飛車ということですが、42角との組み合わせは珍しく、42角の形ですから石田流にするのが普通です。さらに33桂が趣向で、ちょっと凝りすぎです。

4筋5筋を突き捨てて銀の応援です。この手順は思いつきません。ゆっくりしていては25銀があるので動こうということです。

25銀とはできないので歩を突いて飛車を追うのですが、内藤先生としては4筋に飛車を回れるので困りません。どうも大山先生の趣向が失敗したようです。

45銀ができるので65に銀を出るのは気が付きませんでした。54の歩は助けにくいです。

2筋の守りは桂馬で間に合わせます。

大山先生は3筋からの動き。

46歩と打たれて銀を戻らざるを得ないのでは大山先生は苦しいままです。

ここに歩を打つのも角が使いにくいのでつらい手です。逆に打たれたらダメなんでしょう。

45歩から44歩。同銀は25桂の意味か。

銀は32に引くのでは元気が出ません。でも3筋に歩を垂らしてから26歩でこれはどうやら飛車交換で決戦です。

交換して と金は作れるのですが、34歩や22飛が残るので居飛車よしです。

と金は捨てて角を使います。

さらに竜を引き付けての防戦。

内藤先生に25桂と使われると、桂損がもろに響いたことになります。その前に53歩のくさびが入ったのも大きいです。

36竜の銀取りも、43歩成から33桂成まで先手で入るのですから内藤先生が優勢です。

さらに歩で銀が取れれば4枚目の攻め駒。

大差の投了図になりました。
大山先生の趣向は実らず。石田流にはしにくい事情があったのでしょうか。多分後で右銀を46に出て引き角で狙うのを嫌ったのでしょう。これは使えるアイデアかもしれません。
34銀から33桂は居飛車が24歩とできる形ではびっくりします。24歩には22飛というつもりだったのでしょう。それを45歩同銀54歩同歩57銀と返すのがこれまた驚きの手順で、思いつきません。44角と出られれば後手の右銀桂が窮屈でした。さらには後手の飛角が働きづらいわけで、大山先生が苦しい中盤戦を強いられました。逆転しているところはなかったと思います。内藤先生の快勝です。これで2回目のタイトル獲得です。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:内藤8段
後手:大山王位
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 4八銀(39)
4 3二銀(31)
5 5六歩(57)
6 4四歩(43)
7 6八銀(79)
8 4三銀(32)
9 5八金(49)
10 3五歩(34)
11 5七銀(68)
12 3二飛(82)
13 2五歩(26)
14 3三角(22)
15 6八玉(59)
16 6二玉(51)
17 7八玉(68)
18 5二金(41)
19 1六歩(17)
20 7二玉(62)
21 2六飛(28)
22 4二角(33)
23 7六歩(77)
24 8二玉(72)
25 5五歩(56)
26 7二銀(71)
27 5六銀(57)
28 3四銀(43)
29 4六歩(47)
30 3三桂(21)
31 4五歩(46)
32 同 銀(34)
33 5四歩(55)
34 同 歩(53)
35 5七銀(48)
36 3四銀(45)
37 4四角(88)
38 2四歩(23)
39 同 歩(25)
40 2五歩打
41 4六飛(26)
42 2二飛(32)
43 6五銀(56)
44 4三歩打
45 7七角(44)
46 2四飛(22)
47 1七桂(29)
48 4五銀(34)
49 4九飛(46)
50 3六歩(35)
51 4六歩打
52 3四銀(45)
53 3六歩(37)
54 4四歩(43)
55 5四銀(65)
56 5三歩打
57 6五銀(54)
58 4三銀(34)
59 5六銀(65)
60 1四歩(13)
61 4五歩(46)
62 同 歩(44)
63 4四歩打
64 3二銀(43)
65 3五歩(36)
66 3七歩打
67 3九飛(49)
68 2六歩(25)
69 3七飛(39)
70 2七歩成(26)
71 2五歩打
72 3七と(27)
73 2四歩(25)
74 4六歩(45)
75 同 銀(57)
76 5四歩(53)
77 3七銀(46)
78 6四角(42)
79 4八銀(37)
80 2九飛打
81 3四歩(35)
82 2四飛成(29)
83 3三歩成(34)
84 同 龍(24)
85 5三歩打
86 5一金(52)
87 2五桂(17)
88 3六龍(33)
89 4三歩成(44)
90 同 銀(32)
91 3三桂成(25)
92 4二歩打
93 4七銀(48)
94 3九龍(36)
95 3一飛打
96 1九角成(64)
97 4四歩打
98 5五歩(54)
99 4三歩成(44)
100 5六歩(55)
101 5二歩成(53)
102 投了
まで101手で先手の勝ち

内藤先生は鳥刺し含み、大山先生は石田流かという構えです。

内藤先生は中央位取りに。

大山先生の34銀は位取りの三間飛車ということですが、42角との組み合わせは珍しく、42角の形ですから石田流にするのが普通です。さらに33桂が趣向で、ちょっと凝りすぎです。

4筋5筋を突き捨てて銀の応援です。この手順は思いつきません。ゆっくりしていては25銀があるので動こうということです。

25銀とはできないので歩を突いて飛車を追うのですが、内藤先生としては4筋に飛車を回れるので困りません。どうも大山先生の趣向が失敗したようです。

45銀ができるので65に銀を出るのは気が付きませんでした。54の歩は助けにくいです。

2筋の守りは桂馬で間に合わせます。

大山先生は3筋からの動き。

46歩と打たれて銀を戻らざるを得ないのでは大山先生は苦しいままです。

ここに歩を打つのも角が使いにくいのでつらい手です。逆に打たれたらダメなんでしょう。

45歩から44歩。同銀は25桂の意味か。

銀は32に引くのでは元気が出ません。でも3筋に歩を垂らしてから26歩でこれはどうやら飛車交換で決戦です。

交換して と金は作れるのですが、34歩や22飛が残るので居飛車よしです。

と金は捨てて角を使います。

さらに竜を引き付けての防戦。

内藤先生に25桂と使われると、桂損がもろに響いたことになります。その前に53歩のくさびが入ったのも大きいです。

36竜の銀取りも、43歩成から33桂成まで先手で入るのですから内藤先生が優勢です。

さらに歩で銀が取れれば4枚目の攻め駒。

大差の投了図になりました。
大山先生の趣向は実らず。石田流にはしにくい事情があったのでしょうか。多分後で右銀を46に出て引き角で狙うのを嫌ったのでしょう。これは使えるアイデアかもしれません。
34銀から33桂は居飛車が24歩とできる形ではびっくりします。24歩には22飛というつもりだったのでしょう。それを45歩同銀54歩同歩57銀と返すのがこれまた驚きの手順で、思いつきません。44角と出られれば後手の右銀桂が窮屈でした。さらには後手の飛角が働きづらいわけで、大山先生が苦しい中盤戦を強いられました。逆転しているところはなかったと思います。内藤先生の快勝です。これで2回目のタイトル獲得です。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:内藤8段
後手:大山王位
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 4八銀(39)
4 3二銀(31)
5 5六歩(57)
6 4四歩(43)
7 6八銀(79)
8 4三銀(32)
9 5八金(49)
10 3五歩(34)
11 5七銀(68)
12 3二飛(82)
13 2五歩(26)
14 3三角(22)
15 6八玉(59)
16 6二玉(51)
17 7八玉(68)
18 5二金(41)
19 1六歩(17)
20 7二玉(62)
21 2六飛(28)
22 4二角(33)
23 7六歩(77)
24 8二玉(72)
25 5五歩(56)
26 7二銀(71)
27 5六銀(57)
28 3四銀(43)
29 4六歩(47)
30 3三桂(21)
31 4五歩(46)
32 同 銀(34)
33 5四歩(55)
34 同 歩(53)
35 5七銀(48)
36 3四銀(45)
37 4四角(88)
38 2四歩(23)
39 同 歩(25)
40 2五歩打
41 4六飛(26)
42 2二飛(32)
43 6五銀(56)
44 4三歩打
45 7七角(44)
46 2四飛(22)
47 1七桂(29)
48 4五銀(34)
49 4九飛(46)
50 3六歩(35)
51 4六歩打
52 3四銀(45)
53 3六歩(37)
54 4四歩(43)
55 5四銀(65)
56 5三歩打
57 6五銀(54)
58 4三銀(34)
59 5六銀(65)
60 1四歩(13)
61 4五歩(46)
62 同 歩(44)
63 4四歩打
64 3二銀(43)
65 3五歩(36)
66 3七歩打
67 3九飛(49)
68 2六歩(25)
69 3七飛(39)
70 2七歩成(26)
71 2五歩打
72 3七と(27)
73 2四歩(25)
74 4六歩(45)
75 同 銀(57)
76 5四歩(53)
77 3七銀(46)
78 6四角(42)
79 4八銀(37)
80 2九飛打
81 3四歩(35)
82 2四飛成(29)
83 3三歩成(34)
84 同 龍(24)
85 5三歩打
86 5一金(52)
87 2五桂(17)
88 3六龍(33)
89 4三歩成(44)
90 同 銀(32)
91 3三桂成(25)
92 4二歩打
93 4七銀(48)
94 3九龍(36)
95 3一飛打
96 1九角成(64)
97 4四歩打
98 5五歩(54)
99 4三歩成(44)
100 5六歩(55)
101 5二歩成(53)
102 投了
まで101手で先手の勝ち