名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
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大山将棋研究(52);石田流に位取り棒金

2016-02-01 | 大山将棋研究
昭和47年9月、佐藤大五郎先生と第27期A級順位戦です。


佐藤大五郎先生といえばマキ割り流四間飛車。でも今回66歩に相振り飛車を目指したのは著書もあるし当然です。

大山先生は6筋の位取り。

46歩から47銀は前にも見ましたが、38金から66角は作戦分裂なのでお勧めはできません。

位を取ってから棒金です。後手が53銀の形なので45歩が怖くないからやりやすいとみてのものですが、どうなんでしょう。

大五郎先生は6筋の歩を交換してから2筋へ。飛車を逃げ出そうということです。

大山先生は積極的です。桂馬を交換に行きました。

大五郎先生の歩の突き捨てに応じきれません。24歩と止めるのは当然ではありますが、飛車先が重くて少し悔しい手です。

大五郎先生は飛角を転回して角を追います。好調のようですが

37角が後手玉をにらみ、端に手を付けて、大山先生の反撃です。

この桂馬が角筋を止めて攻防で味の良い手です。

25にいた金を使います。ここから大五郎先生の反撃。

両取り。でも遊んでいた金が桂馬に変わるので互角でしょう。

もらった桂馬を使ってもう一枚控えの桂馬を打ちます。

大五郎先生の71金が粘りのある手です。と金を活用していい勝負。

飛車取りに馬取りで返されても歩を突きだす手が厳しく、1枚ははがせます。

この銀は好手。取れません。ここでは大五郎先生がよくなったように見えます。

飛車で受ける手ですが、ここで56歩が決め手ではなかったかと思います。

桂馬を取って両取り。これでもいいようですが22飛打で粘られます。

84角の利きが止まって大山先生が有利になりました。でも76金と打てばまだ波乱があったかも。

後手陣は歩で攻められるのが痛いです。

とはいえ大山先生も安泰ではなく、玉に迫られます。

角合が攻防です。

ここからは即詰み。

竜で角を外す筋で詰むのですね。

投了図です。


位取りと棒金を両方は欲張りです。大山先生の真似はしないほうがいいです。ですが66桂から86桂さらには64歩とか、見るべき手筋は多かったです。ここは先後逆にして、佐藤大五郎先生のほうをもって、振り飛車の指し回しを勉強したほうがいいでしょう。65銀がハッとする手です。48角が両取りだからと飛び込んだのが間違いでしたが、両者とも力を出した熱戦でした。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:佐藤大五郎8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 3五歩(34)
5 5六歩(57)
6 3二飛(82)
7 4八銀(39)
8 6二玉(51)
9 6八玉(59)
10 7二玉(62)
11 7八玉(68)
12 8二玉(72)
13 6八銀(79)
14 7二銀(71)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 2六歩(27)
18 5二金(41)
19 6五歩(66)
20 4四歩(43)
21 4六歩(47)
22 3四飛(32)
23 4七銀(48)
24 1四歩(13)
25 2五歩(26)
26 3三桂(21)
27 3八金(49)
28 1三角(22)
29 6六角(88)
30 4二銀(31)
31 7七桂(89)
32 5四歩(53)
33 1六歩(17)
34 5三銀(42)
35 2七金(38)
36 6四歩(63)
37 同 歩(65)
38 同 銀(53)
39 6五歩打
40 5三銀(64)
41 2六金(27)
42 2四歩(23)
43 同 歩(25)
44 同 飛(34)
45 1七桂(29)
46 2一飛(24)
47 2五桂(17)
48 同 桂(33)
49 同 金(26)
50 3六歩(35)
51 同 歩(37)
52 4五歩(44)
53 2四歩打
54 2二角(13)
55 7五角(66)
56 4六歩(45)
57 同 銀(47)
58 4一飛(21)
59 4五歩打
60 7四歩(73)
61 4八角(75)
62 4七歩打
63 3七角(48)
64 7三桂(81)
65 9五歩(96)
66 同 歩(94)
67 2三歩成(24)
68 6六角(22)
69 5七銀(46)
70 8四角(66)
71 6六桂打
72 6三金(52)
73 3五金(25)
74 2七歩打
75 同 飛(28)
76 5五歩(54)
77 同 角(37)
78 4三桂打
79 3三角成(55)
80 3五桂(43)
81 同 歩(36)
82 4八歩成(47)
83 8六桂打
84 7一金(61)
85 5五馬(33)
86 2六歩打
87 同 飛(27)
88 4七と(48)
89 3二と(23)
90 5四歩打
91 6四歩(65)
92 5五歩(54)
93 6三歩成(64)
94 同 銀(72)
95 4一と(32)
96 5七と(47)
97 同 銀(68)
98 6五銀打
99 5五歩(56)
100 6六銀(65)
101 同 銀(57)
102 4八角打
103 2二飛打
104 6二銀(53)
105 7五歩(76)
106 2六角成(48)
107 同 飛成(22)
108 6八歩打
109 同 玉(78)
110 7五歩(74)
111 6四歩打
112 7六歩(75)
113 6三歩成(64)
114 7七歩成(76)
115 5八玉(68)
116 6三銀(62)
117 7四歩打
118 4六歩打
119 同 龍(26)
120 2八飛打
121 4八角打
122 6六角(84)
123 7三歩成(74)
124 同 玉(82)
125 7四歩打
126 同 銀(63)
127 6四金打
128 7二玉(73)
129 7三銀打
130 8一玉(72)
131 8二銀打
132 同 金(71)
133 同 銀成(73)
134 同 玉(81)
135 7四桂(86)
136 9三玉(82)
137 9四歩打
138 同 玉(93)
139 8五銀打
140 同 玉(94)
141 8六歩(87)
142 投了
まで141手で先手の勝ち




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20160201今日の一手<その261>; 受ける

2016-02-01 | 今日の一手
20160201今日の一手

12月13日の名南将棋大会からNさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。





昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
角と飛の交換で、どちらが得かは場合によります。損得なしと見てよいでしょう。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒飛1枚
後手の攻め駒は45桂と持ち駒角角金で4枚。
総合すればやや後手が指せそうな局面です。

大局観として
攻め駒が足りないので受けるほうがいいでしょう。少し攻めて相手に駒を使わせてから受けるというのもテクニックです。先手陣の金銀が連結しているので攻めを受けやすく、うまく受ければ先手がよくなりそうなのです。
後手の58歩では57歩のほうがよかったのではないかと思います。58に と金を作られたら受けきれませんから、52歩成同金左59歩と受ければ39角~28金で飛車角交換で、前の歩の成り捨てで後手玉が堅くなっています。
58歩の後は59歩成という意味でしょうから、同銀ととれるのでそんなに困りません。これで歩切れですからちょっともったいないのです。


× 実戦は54銀でした。これは守りになっていません。

攻めを催促した手なのですが、59歩成同銀39角38飛66角成

55にいた銀の利きが無くなっているところをつかれました。66同金57角67金66銀

この後68歩67銀成同玉に後手が35角成とする手が桂馬にひもを付ける味のいい手になり、ここでは一目つぶれています。4枚の攻めをまともに食らってしまいました。


△ 58同飛は

49角28飛39角となれば

飛角交換になりそう。あとは攻めあってどうかという将棋です。49角に59飛38角成でも同じようなものです。

これは飛車を逃げることはできても食いつかれてやはり攻め合い。
どちらの図も互角、もう少し進まないとわかりません。


○ 受けるなら46銀が自然です。

44歩には43飛51金左44飛成

桂馬を取れば受けきれそうです。

46銀には39角から

38飛66角成同金59歩成同銀57銀

67金46銀成同歩47角

28飛39銀18飛29角成

ここで45歩28銀成くらい。21飛51金左に52銀と打ちこめば

これは先手有望です。51金左ではなく31金打でも11飛成から52銀で攻めは続きます。


△ 21飛と攻め合うと

51金左11飛成49角

48飛には59歩成同銀88金

88同玉67角成78金57桂成

67金同成桂79香56金33角

これなら先手がよさそうに見えます。

48飛ではなく52香もあり、33角の受けに

21竜(31竜42角32竜かも)62金左31竜55角同銀59歩成

これは先手が悪そうです。

攻め合いの21飛はその先の変化がいろいろですが、先手がよくなる変化もありそうです。53歩の存在が大きいですね。


○ もう一つ、49飛の自陣飛車もあります。

これで角打ちの傷が無くなりました。35歩46銀44歩58飛くらい。

この後が難しいのですが、35銀は37桂成同桂36歩でつまらないか。55銀左から44銀で桂馬を取り切る方針で指しますか。1歩得ですから持久戦でも構いません。

☆ まとめ
実戦の54銀が悪手だというのは理解していただけるでしょうか。4枚で攻められるので守備駒を減らしてはいけません。私ならまずは46銀を考え、受けきれないと思ったら49飛を検討すると思います。

この場合は53歩があるので21飛も有力ですが、相手の攻め駒が多いので本来は良い手ではありません。金とか角とか手放して受けるしかないのなら有力なのですが。
そうでなければ受けがない時で、仕方なく攻める場合です。変化で出てきましたが、受けてもきりがない時に、後手に銀をもらったらその時に21飛で寄せ合いなら(この場合)勝ちやすいです。

58同飛は相手のねらいですから(私なら)最初には考えません。(ひねくれているということでしょう。)59歩成も同銀なので、ほかの手を先に考えます。

受けの自陣飛車も有力なことがあり、相手の攻め駒が多いならなおさらです。これしか受からないこともあるでしょう。










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