名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

第158回名南将棋大会(弐) 結果速報

2016-02-28 | 名将会
今日は第158回名南将棋大会(弐)を行いました。結果速報です。

B級優勝
海老原秀夫さん
水谷寛さん


C級優勝
松原肇さん


D級優勝
宮堂孔暉さん


E級優勝
平尾栄滋さん



優勝おめでとうございます。
参加いただいた皆様ありがとうございました。
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大山将棋研究(79); 四間飛車に中央位取り

2016-02-28 | 大山将棋研究
昭和48年1月、原田先生と第27期A級順位戦です。


原田先生の四間飛車。

大山先生は中央位取り。これは急戦も持久戦もあります。

36歩を突いたのに急戦に行かず6筋の位も取りに行きます。石田流を拒否したという意味ですが、これは危険なのでまねをしないほうがいいです。

向い飛車での急戦を目指され、端角でけん制。

大山先生はかなり欲張った指し方です。原田先生は攻め将棋ですから怒ってさばきを狙います。

3筋を狙われ、数で受からないので2筋からの斬り合い。

角交換の後、自陣角は仕方ないでしょう。

桂馬を損しますが、と金でカバーできるか。

85桂を避けて懐を広く受けます。

馬を作られた後で、この突き出しは見えません。将来の36歩から44桂を避け、遊んでいる金を使いたい、という手です。この1手だけでも感心します。

原田先生は控えの桂。攻め駒が3枚かつ歩越し飛車なので苦労している感じです。

銀をはがされるのは痛いですが、と金で金銀を取れば受けが利くという指し方。形勢は互角です。

銀をはがされ、桂馬で取るのでは嫌な形です。馬を出られて冷や汗の出るところでしょう。

この銀を打てて人心地つきました。でも飛車を取ればいいという局面でもないのでまだまだ大変です。

角を移動して飛車の横利きで受けるのは良いのですが、35まで出て攻め合いを目指したのでとても危険です。1手争いの終盤になりました。でも多分大山先生の疑問手です。

金銀を取ってもまだ詰まず、受けなければいけません。

角をもらえば詰みますが、金を取られて危ない。

大山先生は懸命に受けて角の入手を図り、原田先生は詰めろの連続です。

とうとう詰めろが切れてと金を払ったので大山先生が勝ちになったように見えるのですが

金を打たせるまではいいとして、ここから96銀同飛95歩同飛同玉94銀

これが原田先生の敗着。94桂を避けて、94歩の王手、取れば84銀としばります。96玉95銀97玉77銀成で勝ちに見えるのです。

94桂が入れば難しくない詰みです。

原田先生の残念譜ではないかと思います。大山先生が欲張った指し方をして、細いながらもうまく食いつきました。1手争いの終盤は原田先生の勝ちではないかと思うのですが。強い方のコメントお待ちしています。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:原田泰夫8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 6八玉(59)
10 4二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 5六歩(57)
14 7二玉(62)
15 5五歩(56)
16 8二玉(72)
17 5七銀(48)
18 7二銀(71)
19 9六歩(97)
20 9四歩(93)
21 5六銀(57)
22 4三銀(32)
23 6八銀(79)
24 5四歩(53)
25 同 歩(55)
26 同 銀(43)
27 5五歩打
28 4三銀(54)
29 3六歩(37)
30 5二金(41)
31 6六歩(67)
32 1四歩(13)
33 6五歩(66)
34 2二飛(42)
35 9七角(88)
36 3二飛(22)
37 7五角(97)
38 4五歩(44)
39 7七銀(68)
40 3五歩(34)
41 同 歩(36)
42 3六歩打
43 3八金(49)
44 5一角(33)
45 5七角(75)
46 6二角(51)
47 2四歩(25)
48 3五角(62)
49 同 角(57)
50 同 飛(32)
51 6八角打
52 3七歩成(36)
53 同 桂(29)
54 3四飛(35)
55 2三歩成(24)
56 3六歩打
57 3五歩打
58 3七歩成(36)
59 同 金(38)
60 7四飛(34)
61 8六歩(87)
62 3九角打
63 3八飛(28)
64 9三角成(39)
65 4六歩(47)
66 6四歩(63)
67 4五歩(46)
68 5三桂打
69 3四歩(35)
70 6五桂(53)
71 3三歩成(34)
72 7七桂成(65)
73 同 桂(89)
74 6六馬(93)
75 6七銀(56)
76 8七銀打
77 同 玉(78)
78 6七馬(66)
79 8五銀打
80 8九馬(67)
81 4三と(33)
82 9九馬(89)
83 3五角(68)
84 3四香打
85 5二と(43)
86 3五香(34)
87 6一と(52)
88 6六銀打
89 8八銀打
90 9八角打
91 9七玉(87)
92 3七香成(35)
93 7八金打
94 8九馬(99)
95 8七銀(88)
96 9五歩(94)
97 同 歩(96)
98 9六歩打
99 同 銀(85)
100 9五香(91)
101 同 銀(96)
102 9六歩打
103 同 玉(97)
104 6一銀(72)
105 3七飛(38)
106 9四歩打
107 3二飛成(37)
108 7二金打
109 9四銀(95)
110 同 飛(74)
111 9五歩打
112 8七角成(98)
113 同 金(78)
114 9五飛(94)
115 同 玉(96)
116 8四銀打
117 9六玉(95)
118 9五銀打
119 9七玉(96)
120 9六歩打
121 同 金(87)
122 7七銀成(66)
123 9四桂打
124 投了
まで123手で先手の勝ち










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20160228今日の一手<その287>; 寄せの基本は4枚の攻め

2016-02-28 | 今日の一手
20160228今日の一手

1月24日の名南将棋大会からHさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。




一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
歩と桂の交換で、互いに成桂成銀をつくり、後手にだけ と金があります。損得勘定は難しいです。終盤ですし損得なしと思っていていいでしょう。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は75角72飛持ち駒桂で3枚。(敵玉に向かっているものだけカウント)
後手の攻め駒は78と と持ち駒飛で2枚。

総合すれば互角です。

大局観として
終盤ですから攻める手、つまり攻め駒を増やす手を考えます。実は先手は66に歩を打ったばかりなのですがこれは緩手。64歩からと金攻めを狙えばわかりやすい寄せ合い勝ちでした。74歩からのと金では1手遅くなるので83成桂を右に寄せていくのが常識的ですね。これが勝ちかどうかの判断をします。
攻め駒を増やさない攻め方、例えば桂馬を打って後手陣の駒をはがすというのは攻め駒が増えないので後回しです。1枚で2枚取れるのならよいのですが、そうでなければ通常は除外して考えます。
攻める手がうまくいかないなら受けて手数を稼ぎます。あるいは持ち駒を増やしてから攻めます。
そうやって4枚の攻めにしていくというのが基本的な考え方です。


× 実戦は65桂でした。

桂馬と金か銀を交換しようという手で、終盤としてはあまり効率は良くないです。71歩から44角という受けがありました。

勢いで42角成同金上53銀と行きましたが

53同金寄同桂成同角51竜41銀

攻め駒が減ってしまいましたから攻撃続行できず、後手に攻められるだけでチャンスがありません。

62飛成では73飛成のほうがよいのですが44角で

攻め駒を増やすことができません。82飛成でも同様です。
65桂は受けの駒の利きが多いところを攻めていくので効率が悪く、44角の受けがありました。壁になっていた角を移動できるので感触の良い手です。


× 73成桂が自然な攻め方です。

79と63成桂78飛

ここで52成桂と行ってよければ、というところですが、52同金同飛成75飛成でうまい寄せ方がありません。64桂と打っても61金という攻めを遅らせる手筋がありますし、堂々と68飛成から寄せ合いでも自信がありません。
58金と受けて、71歩73飛成69と67銀79飛成

42角成から飛車を素抜ければ逆転ですがそうはなりません。これで寄せ合い負けです。


○ 変な手に見えるのですが、64桂は有力です。

52桂成を狙います。後手は飛車を打つわけにいかないので阻止しにくいのです。71歩82飛成68と(79とでも同じようなもの)52桂成

52同金同竜

1間竜で42角成同金の形が43銀と41銀の両狙いで持ち駒金があれば後手に受ける手がありません。3枚の攻めですが例外的ですね。22角が壁で取られるだけの駒です。

52桂成を阻止するのは53金くらいですが

73成桂79と63成桂

金を寄らせたので成桂を寄せていくのが速くなりました。61金で受かるかどうか。53成桂72金52桂成

飛車を捨てて迫れば4枚の攻め。これは受け無しです。


○ 受ける手を見ておきます。78同金。

78同成銀42角成同金上78飛成

ここまでは見えますね。問題はこの後です。角金と銀銀桂の交換なので、局面が落ち着けばいいのですが。66角88歩46歩

65角から83の成桂を取られると駒損です。88歩で77銀打は角を引かれて76歩が残りますし、受けきって勝つというわけにはいきません。

ですから66角に51銀

52金72竜41金

攻め駒が4枚になったので再び攻める方針です。ここでどちらがいいか悩むのですが、1つは62銀成42金寄64歩67歩

59銀57角成63歩成46歩52と47歩成28玉

と金つくりではなく(攻め駒4枚なので)52銀と打つほうがいいのかもしれません。これはどちらが勝っているのかよくわかりません。後手は飛車を打つ攻めのほうがいいのですが、よい手がみえず。変化もあるでしょう。互角としておきます。

悩んでいるというのは64桂という攻め方です。

63角という粘りがあって、52桂成72角

41成桂は攻めが細いので、72同成桂52金62成桂

中段玉で粘りが利きそうなのが気になるところではあるのですが、先手が間違えなければ勝ちです。


× 88歩はちょっと考えたくなります。

87の成銀をもらえるなら攻めやすくなるのですが、88同と

歩を1枚損するだけであまり違いませんね。


73成桂と使うのが4枚の攻めで本筋ですが、寄せ合い負けなのでは仕方ありません。

実戦の65桂は感触の悪い手で、後手の44角があっては寄せにくくなってしまいました。

64桂が好手、といわれても気が付きませんね。3枚の攻めでも例外的な受け無しです。53金と形を乱して受けてもらえれば、基本通りの成桂を使った4枚の攻めです。

攻めてもうまくいかないと読めたら、78同金は見えるでしょう。
ただし、実戦心理としてはもとが優勢で、75の角も84から引いた使ったのだし、いまさら手を戻すよりも攻めてしまえと考えそうです。問題図だけ眺めたらこれを選んだ方は多かったのではないかと思います。
そのあとは変化が多いのですが、受けきりではなくもう一度寄せに行くのが正しいようです。こういうのが実戦で正しく指せたら相当強いです。




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