名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

第158回名南将棋大会(壱)結果速報

2016-02-20 | 名将会
今日は第158回名南将棋大会(壱)を開催しました。結果速報です。


A級優勝
青木一さん


優勝おめでとうございます。

今日はレギュラー陣の参加が少なく、1クラスだけ。何かあったのでしょうか?でも初参加の方も3名。来月以降に期待します。
参加された皆さま、ありがとうございました。


追記;大雨の予報で参加を断念したという声を聴きました。私も雨が降るとは知っていて、でも大降りになる前に終わったのですが、天候はどうしようもありませんね。
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大山将棋研究(71); 四間飛車穴熊に位取り

2016-02-20 | 大山将棋研究
昭和47年11月、中原先生と第11期十段戦第3局です。


大山先生の四間飛車、中原先生の68銀は急戦持久戦両方ありますが、左美濃が無くなったので大山先生は穴熊に。中原先生は58金右を先にできたのですから、前回は銀冠できれいに勝ったのですが、ほかの指し方でも勝てると見せたかったということでしょうか。

中原先生は6筋の位取り。

7筋の位もとって玉頭位取りの形です。大山先生は石田流。ここまでは妥当です。

この戦型は私も先手をもって指したことがあったのですが、開戦のやり方を知らなくて苦労しました。5筋の歩を交換して飛車を回るのですね。53角を目標にしていて、ぴったりした指し方です。

24歩には46歩。交換できれば十分ですが、36歩から動かれます。

じっと歩を取り込むとは。玉が堅いから成り込まれても平然とできるということです。

と金を作れば中原先生が十分に見えますが、大山先生は左桂を逃げてしまえるのも大きいです。

55歩と合わせて銀で取るのかと思ったら飛車で取るのですね。54歩には45飛が両取り、34銀に飛車を成れば十分です。

大山先生は苦心の受け。

でも手順に飛車を回って、大山先生の25桂36銀がさばけませんから、ここでは中原先生が指しやすいです。

でもじっと歩を打って駒得で焦らせ、容易に崩れないです。

55銀に角を切るのはいいのか悪いのか。26角と逃げておく方かと思いました。

大山先生は2枚換えでまあまあなのですが、この歩は急所。とはいえ取るべきだったと思います。

香車は拾っても拠点ができたのは大きいです。中原先生が有利になりました。

空間に角を打っておくものですか。46角打とかで一気に決めたくなるのですが、危険だと。谷川先生よりあと、現代将棋では寄せを読み切るものだと思います。

大分迫られましたが、75角の効果で歩を打って手数を稼ぎます。

さて、これで寄せ合いです。

銀打でどうにか手を稼いで中原先生が勝ちになったようです。

これで72香成が詰めろ。2手すきですね。66桂と取られて詰まなければ中原先生の勝ち。

55角は受けになっていませんでした。詰みがありました。


玉頭位取りに対抗して穴熊が流行していたのですが、それでも持久戦になれば位取りで十分指せるようです。55の歩を銀で交換して56飛、というのを覚えておきたいです。角頭を狙う構想がクリーンヒット。やはり穴熊と石田流はいい組み合わせではない、という気がします。飛車交換をねらうようなさばきの筋は左銀が浮いてしまいますし、相当工夫しないと指せません。
でも中原先生の好調な手順をじっと受けて耐える大山先生の力もすごかったです。74歩の拠点を作らせてしまったのが敗因でしょうか。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:中原十段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 9六歩(97)
14 8二玉(72)
15 6八銀(79)
16 9二香(91)
17 5七銀(48)
18 9一玉(82)
19 6六歩(67)
20 4三銀(32)
21 6五歩(66)
22 8二銀(71)
23 5八金(49)
24 5二金(41)
25 6七銀(68)
26 3五歩(34)
27 2五歩(26)
28 3三角(22)
29 1六歩(17)
30 1四歩(13)
31 7七角(88)
32 3二飛(42)
33 2六飛(28)
34 5一角(33)
35 7五歩(76)
36 5四歩(53)
37 8六歩(87)
38 3四飛(32)
39 8八玉(78)
40 3三桂(21)
41 7八金(69)
42 7一金(61)
43 7六銀(67)
44 6二角(51)
45 6七金(58)
46 1二香(11)
47 8五歩(86)
48 5三角(62)
49 9五歩(96)
50 6二金(52)
51 6六銀(57)
52 4五歩(44)
53 5五歩(56)
54 同 歩(54)
55 同 銀(66)
56 5四歩打
57 6六銀(55)
58 7二金(62)
59 5六飛(26)
60 2四歩(23)
61 4六歩(47)
62 3六歩(35)
63 同 歩(37)
64 同 飛(34)
65 2四歩(25)
66 3八飛成(36)
67 2三歩成(24)
68 2五桂(33)
69 5五歩打
70 同 歩(54)
71 同 飛(56)
72 4四銀(43)
73 5四飛(55)
74 5二歩打
75 4五歩(46)
76 同 銀(44)
77 5五飛(54)
78 3六銀(45)
79 4四歩打
80 4二歩打
81 3五飛(55)
82 4四角(53)
83 3一飛成(35)
84 2八歩打
85 5五銀(66)
86 同 角(44)
87 同 角(77)
88 2九歩成(28)
89 7四歩(75)
90 1九と(29)
91 7三歩成(74)
92 同 金(72)
93 7四歩打
94 7二金(73)
95 7五角打
96 6九銀打
97 6八金(78)
98 5三香打
99 6六角(55)
100 5八香成(53)
101 4八歩打
102 6八成香(58)
103 同 金(67)
104 3九龍(38)
105 9四歩(95)
106 同 歩(93)
107 9三歩打
108 同 香(92)
109 7三香打
110 5九龍(39)
111 6九金(68)
112 同 龍(59)
113 7八銀打
114 6六龍(69)
115 同 角(75)
116 5四桂打
117 4一飛打
118 6六桂(54)
119 7二香成(73)
120 5五角打
121 8一成香(72)
122 同 玉(91)
123 7二金打
124 投了
まで123手で先手の勝ち



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20160220今日の一手<その280>; 攻めるは守るなり

2016-02-20 | 今日の一手
20160220今日の一手

12月19日の名南将棋大会からHさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。




昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは先手のほうがやや堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角1枚。
後手の攻め駒は55銀と持ち駒角で2枚。

総合すれば互角です。

大局観として
先手は79銀が遊んでいて、57の金も囲いから離れています。ですから穴熊も堅くないですし、攻める駒も足りないです。ですからもっと駒組みをしたかったのです。後手が角交換にもっていったのは良い判断でした。
まずはゆっくり指してもよいかどうかを考えます。実はそれがうまくいかないので困るのですが、その時には攻めて相手の陣形を乱さないと勝負になりません。


× ゆっくり指すなら56歩です。44銀の一手で、

後手から75歩が残っています。66角と手放しても狙いがなくて目標にされそうですし、67金では囲いがさらに薄くなります。79の銀を使えるならそれでもいいのですが、88に打ちこまれないようにするには88飛~68銀~57銀という組み替えですが、それは47や58に角打ちの隙ができます。67金~88飛~48金~68銀~57銀というのも65歩を目標に動かれそうです。つまりは作戦負けがはっきりしてしまいます。


× 実戦は64歩から動きました。

64同歩63歩52飛41角

51飛62歩成41飛というのもなくはないですが、54飛62歩成同金74角成73歩47馬

ここまで進めばうまくいった感じです。でも次の56歩に58金と形よく引いたのが疑問手で、24角で困りました。

37銀は25桂ですし、46銀の進出が止まらず、後手が押し切りました。

56歩には67金24角48飛

危ないようでもこれなら指せていたでしょう。68銀が楽しみです。

後手としては73歩ではなく56歩47金57角

これならわかりやすかったでしょう。


× 58飛とまわったら振り飛車らしいのですが

69角48飛56歩47金87角成

68銀75歩35歩76歩34歩77歩成

やはり馬を作られるとまずそうです。


○ 目をつぶって35歩と攻めます。

56歩47金35歩34歩

25桂38飛69角

桂馬を取り切れないので気が進まないのですが、飛車は使えました。金取りの受け方は48金上とするしかないですね。36歩の突き出しが手筋。

これに36同飛は57歩成同金上56歩

技ありで終了。

36同金は37歩

これも駒損になります。

39飛87角成を入れるしかなく、それから36金。

17桂成同銀16歩同銀

この図は見事に金銀バラバラで(私が指すとこうなるのですが)でも54桂や45金が残っています。16の銀を取れば同香で攻めに働きます。よく見ればこれで先手が有利です。


× 先に38飛とすると

56歩47金69角に58歩と打てるのですが(打たずに48金上なら44銀で87角成が残る)

歩切れになってしまいます。87角成に35歩同歩同飛

44銀38飛77馬

34歩はあるとはいえ、25桂とされて無傷では取れません。後手からは55桂か気持ちがいいですし、99の香も取られます。これは後手が有利です。


☆ まとめ

振り飛車穴熊で角交換はやりたくなく、角打ちの隙ができやすいです。問題図では79の銀が働いていないのでなおさらですし、77桂と跳ねさせられているのもマイナスです。それでも35歩と玉頭方面から動くのが唯一均衡を守る手で、攻めるは守るなりということがわかります。形が乱れようが、相手玉も乱してしまえば堅さは同じくらいになるのですから、穴熊の陰形がなくなっても勝負です。

私穴熊を指したとしたらいつも金銀バラバラになるのですが、なぜでしょうね。玉を固める将棋は向いていないのかもしれません。









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