後手の穴熊をもっと掘り下げてみましょうか。高見泰地先生の「中飛車破り 一直線穴熊徹底ガイド」に従って検証してみます。後手の中央位取り中飛車 ( ゴキゲン中飛車からの変化) についても書いてありますが、ここで調べるのは先手の中央位取り中飛車に対してです。
これまでとは少し駒組手順が違うのですが、結果に違いはないでしょう。
先手が美濃囲いを選択した場合、38銀43金57銀12香56銀
11玉46歩22銀68金
先手は左金を右に寄せて高美濃へ組みます。64歩57金74歩47金72飛
これは66角82飛77角72飛・・・の千日手ねらい。66角82飛には88飛と応じて、51銀36歩42銀
この図の評価値は0近辺の互角です。高見先生は先手が飛を動かせないので局面を打開しにくいと見ているようです。先手に不満は無いような気はしますが、後手の穴熊は堅くなります。
プロの実戦では先手が相穴熊を選ぶ方が多いようです。
57銀12香46銀
56銀型ではなく、46銀型で後手の角頭をねらうのが主流です。11玉36歩43金38飛
後手は3筋を受け切ることはできません。32金35歩同歩同銀85歩
ここで分岐ですが、今日のところは34銀同金同飛51銀
この図以下を調べてみます。この図の評価値は-182の後手良しです。銀金交換は少し得ですが、先手は穴熊を固める前に動いてはいけなかったというわけですね。54歩同歩44飛、軽くさばこうというのは43銀
がっちり受けられて困ります。46飛77角成同桂55角66角同角同歩55角
先手玉が薄すぎます。評価値は-683、高見先生は後手優勢としています。
戻って
36飛と引いておく手には、高見先生の22角よりも42銀右が良いようです。
この図の評価値は-195の後手良し、86歩同歩88歩の筋がねらいです。(22角だと85歩同角~53角成が生じます。)
また戻って
38飛は42銀右18香65銀
高見先生の86歩同歩87銀でも良いのですが、この銀打も先手は困ります。78金86歩同歩76銀59角88歩
88同金は67銀成なので、77金が最善ですが、同銀成同桂89歩成
この図の評価値は-324の後手有利です。
また戻って
AIに聞くと、先手の最善手は33飛成です。33同金71角52飛41金
42銀右54歩同歩31金同銀53銀
これは後手がまずいようですが、41飛の自陣飛車が良い手で、52銀不成71飛82飛36歩
この図の評価値は-132の後手ペースです。やはり先手は穴熊に囲うのを優先する方が良いでしょう。