端角中飛車は、後手が54歩を突いたバージョンもあります。初手から58飛34歩56歩54歩
位取り中飛車を避けるためにも、この方が自然でしょう。68銀84歩96歩85歩97角
後手としては8筋の歩を保留して、中央を厚く構える方が無難なところでしたが。62銀57銀52金右46銀94歩45銀
「奇襲大全」によると、松田竹二郎さんが指した将棋のようです。32銀54銀95歩 (95同歩同香の時に31角成で銀を取れない) 55歩96歩53角成
松田さんはこんな荒い将棋を指す人だったのでしょうか? アマ連会員誌でコラムを連載している人ですよね。この本は古いので若いころの話かもしれませんが。さて、こういう時は自然に応じるのが良く、53同銀同銀成同金54歩同金同飛42玉
角金交換で、8,9筋は破れますから後手優勢、評価値は-1025です。
実戦では
53同銀同銀成の時に45角
これも悪い手ではないのです。54歩に55歩と打って守れるから。52成銀同金53金42銀
71銀92飛93歩同飛52金同玉62金
41玉63金54角62銀成
ここまでは良いのですが、後手が74歩と突いたのが1手パスの悪手で、53歩の垂らしで逆転しました。正しくは44角53歩41玉52歩成33銀
玉を移動して銀をかわしてしまえば後手有利を保てました。
かなりの無理攻めなのは、飛角銀しか参加していないからです。後手がよほどひどいことをしなければ、先手が良くなることはありません。
さてAIに対策を聞くと、52金右としないで94歩だと。
46銀に95歩と仕掛けるのですが、同歩同香の形は
2枚替えになるから回避するという先入観があります。でも31角成同角95香86歩
86同歩同飛79金96飛
この図の評価値は-671の後手有利です。88飛には87歩同飛86歩で問題なし。98香には86飛でも、97歩同香同角成同桂同飛成でも同じくらいの評価値です。
ということで端角中飛車はまったく成立しないのでした。