次に取り上げるのは「鬼六流ドッカン飛車」です。団鬼六先生考案で、女流棋士に連勝したことから、女流殺しとも。
初手から76歩52飛26歩72金
素人っぽいスタートが特徴です。2筋の受け方ですが、25歩には34歩24歩同歩同飛
飯塚先生は88角成同銀22銀を勧めるのですが(28飛27歩18飛33銀38金22飛で後手ペース)、 66角23歩25飛
この図の評価値は+42の互角です。
それよりは
88角成同銀33角のほうが優り、28飛27歩48飛22飛
この図の評価値は-77で後手の最善です。
あるいは27歩のところを26歩にして、77桂22飛38銀
この図の評価値は-30
どれも互角の範囲ですが、2筋は受かっているので、先手の動きは早すぎました。
25歩34歩48銀62銀68玉61玉78玉71玉58金右82玉
後手は壁型でしたが、金美濃に組み替えることができるのです。96歩94歩24歩同歩同飛
こう進むと升田式石田流の応用です。88角成同銀22飛
23歩12飛22角32金
AIに聞くと、34飛33角同角成同金36飛は互角だそうですが、31角成同金22銀と強攻すると、44角31銀不成33角打
後手優勢になります。この手順は覚えているでしょう。
なので先手としては
23歩12飛の時に26飛と引いておくのもあって、32金36歩22歩
これも升田式石田流の応用ですね。でもAIに聞くと、22同歩成同飛に25歩と謝るのではなくて、22同飛成同銀61角71金52角成
後手が金美濃なので馬を作って難しいようです。評価値は+113で先手に振れています。
戻って
23歩12飛77角32金28飛
これが先手の最善で、33桂36歩25歩
飯塚先生は37銀23金46銀として先手の模様が良いとしているのですが、AIに聞くと、37桂23金25桂同桂同飛24歩29飛
このほうがすっきりしていて、評価値は+397、先手有利です。後手は飛金銀をまとめるのに苦労しそうです。
どっかん飛車の問題点はもう一つあって
先手が動かなかった時に、こんな図になるのですが
後手のねらいがありません。88角成同銀22銀・・・ではなあ、という話です。
升田式石田流の応用としては、どっかん飛車は相手になめてかかってもらえればまあまあ互角なのですが、中飛車にする意味はないのです。3-4-3戦法 (角道オープン四間飛車) のほうが優るでしょう。