テーマ6は
先手が98香よりも、68金寄~78金上を優先した場合です。より後手の急戦を警戒しているわけです。45歩26飛44角36飛32飛65銀
先手が銀をぶつけて開戦したというのがテーマ図です。これは長岡裕也先生の「長岡研究ノート振り飛車編」にも取り上げられています。さて65同銀44角や、55歩64銀同歩55歩ははっきり先手有利です。77角成同桂65銀同桂までは仕方のないところでしょう。
後手の分岐点ですが、最善の27銀に対して、長岡説は43銀です。
33飛34銀成 (これは銀を成るのが正しい)
36銀成33成銀同桂36歩と取り合うのも
評価値は+817のはっきり先手有利ですし、戻って
31飛35飛に44角という派手な手もありますが
44同成銀35飛53桂不成
評価値は+2121、確かめる必要もなく先手優勢です。
蛇足ですが
矢倉先生は27銀に53桂不成44角
55歩53角66飛
桂を捨てるけれど27銀を空振りにさせる順を解説しています。42金54歩44角53銀
66角同歩の時に41金44角以下後手不利としているのですが、33金とかわすと
この図の評価値は+47の互角です。長岡説が正しいのでした。
さて途中の
この図では27銀以外の手もあって、35銀も有力に見えます。16飛42金の時に、矢倉先生は36歩以下を解説していますが、AIに聞くと86角
(自陣角は他の場所も有力でしたが) 64角には77角と引けばよいです。43金55歩64歩
というのは工夫した受け方ですが、54歩65歩56飛
後手は歩切れなので、44銀53歩成同銀同角成同金同飛成くらいの進行で
評価値は-786、はっきり先手有利です。
後は
64歩53桂不成44角
77角53角11角成27銀
ここは解説通り44香は (面白いけれど) 間違いで、43銀36銀成32銀成同金21馬42金36歩
後手苦戦とされていて、評価値は+448です。
最後は
64銀と受けると長そうですが、先手は43銀を打っておくのもありますし、おとなしく66歩42金の時に、24歩同歩23角
馬を作る筋を防ぎきれず、評価値は+711の先手有利になります。
ということで、居飛車を持って後手に矢倉流中飛車で対抗されたら、この変化は知っておくべきです。後手には大きな課題が残りました。