後手番中原先生の手を考えます。
第1問
どれもありそう(間違いではない)ですが中原先生は自然な手を選びます。
A 57角 B 85飛 C 53角
第2問
ここはいろいろあって悩ましいです。
A 88角 B 88飛成 C 33角
第3問
これは明快です。
A 77同角成 B 89飛成 C 76歩
第4問
中原先生の寄せはここから。寄せのセオリー通りです。
A 47香 B 57桂 C 77歩成
後手番中原先生の手を考えます。
第1問
どれもありそう(間違いではない)ですが中原先生は自然な手を選びます。
A 57角 B 85飛 C 53角
第2問
ここはいろいろあって悩ましいです。
A 88角 B 88飛成 C 33角
第3問
これは明快です。
A 77同角成 B 89飛成 C 76歩
第4問
中原先生の寄せはここから。寄せのセオリー通りです。
A 47香 B 57桂 C 77歩成
今日の棋譜20191126
昭和45年12月、中原誠先生と第9期十段戦第6局です。
大山先生の中飛車です。
中原先生は急戦で、75歩から。いつもの大山先生ならば78金として袖飛車にするところです。振り飛車としては78飛が主流でしょうか。64銀に58金左か68金か。
75同歩に64銀。斜め棒銀ですね。76銀72飛65歩77角成同桂75銀同銀同飛66角71飛11角成22銀、というのは四間飛車よりも損か得か。
74歩75銀と呼び込むのは危ない感じがします。これが四間飛車の78銀型ならば普通ですが。
78飛86歩に65歩というのは強い反撃ですが、1手遅れている感じがするのです。
77角成同飛が銀当たりだからいいのかなあ?四間飛車での定跡ならば53角というのもありました。ここでは85飛も(97桂は気になるが)あるか。本譜は57が開いているので57角。
大山先生は68角でしたが、銀を出られるならば48角のほうが良いのかも。66同銀では馬を作られて悪いので
57角同銀成86歩までは必然で
中原先生はあっさり67成銀同飛86飛とさばきます。大山先生は87銀。これでは少なくとも先手よしではないです。
87歩ではなく銀を打ったのは、82飛に83歩~84歩を打って66角に期待したのですが
香を取って馬を作っても、ここで12馬では88角で悪いです。
22同馬同玉に78銀。これは前の86飛に78銀を打つことを思えば、角歩歩と銀香の交換で駒得ではないです。後手玉は薄くなったけれど、しばらくは受けることになるので駒の損得のほうが大事、88角の負担があるので苦しいわけです。78銀では78金で粘ったらまだ難しいか。
中原先生は33角のほうで、97香に77歩。大山先生は銀や桂で取ると駒損なので
飛で取りましたが、それでも桂を取る手がありました。
これで後手の駒得です。
78銀に66馬は86飛が両取りですが
中原先生は84角で受かります。57桂が残っているので、大山先生は59香
98飛には角のほうを取って77角。攻防なのでなんとかできるか。
でも82歩では寄せ合いではないですね。駒を手に入れて粘ろうとしています。
香桂を取り合って、76歩には95角。取られても悪いですが
馬に逃げてもらって73歩成、形つくりにはなるでしょう。中原先生の寄せは47香から。この金取りは受けにくく
57桂には金を取って47桂。
銀を取らせて39飛は気づきにくいですが、受けは銀を打つくらいしかありません。
49飛成同銀57竜。ここで投了です。57同香同馬で先手玉は詰みませんが、後手玉も52と が詰めろにならないので寄せ合いは負け。受けもないので仕方なし。
大山先生はカド番を2回しのぎましたが、十段を失いました。中原先生と対決する時代が始まります。
本譜は大山先生の受けが窮屈です。中原先生に急戦で攻められると、一番激しい対応を避けて、いつもの不思議な受けとの中間策を選び、それがうまくなくて攻められて悪い、そういうパターンになることが多いです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:2019/11/20 17:38:15
手合割:平手
先手:大山十段
後手:中原誠8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 5四歩(53)
5 5八飛(28)
6 6二銀(71)
7 6八銀(79)
8 3四歩(33)
9 6六歩(67)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 1四歩(13)
15 1六歩(17)
16 5二金(61)
17 2八玉(38)
18 7四歩(73)
19 3八銀(39)
20 4二銀(31)
21 6七銀(68)
22 5三銀(42)
23 9六歩(97)
24 8五歩(84)
25 7七角(88)
26 4二金(41)
27 4六歩(47)
28 7五歩(74)
29 同 歩(76)
30 6四銀(53)
31 7四歩(75)
32 7五銀(64)
33 7八飛(58)
34 8六歩(85)
35 6五歩(66)
36 7七角成(22)
37 同 飛(78)
38 5七角打
39 6八角打
40 6六銀(75)
41 5七角(68)
42 同 銀成(66)
43 8六歩(87)
44 6七成銀(57)
45 同 飛(77)
46 8六飛(82)
47 8七銀打
48 8二飛(86)
49 8三歩打
50 同 飛(82)
51 8四歩打
52 同 飛(83)
53 6六角打
54 8二飛(84)
55 1一角成(66)
56 2二銀打
57 同 馬(11)
58 同 玉(32)
59 7八銀(87)
60 3三角打
61 9七香(99)
62 7七歩打
63 同 飛(67)
64 8九飛成(82)
65 同 銀(78)
66 7七角成(33)
67 7八銀(89)
68 6六馬(77)
69 8六飛打
70 8四角打
71 5九香打
72 9八飛打
73 8四飛(86)
74 同 馬(66)
75 7七角打
76 4四歩(43)
77 8二歩打
78 9七飛成(98)
79 8一歩成(82)
80 7六歩打
81 9五角(77)
82 7五馬(84)
83 7三歩成(74)
84 4七香打
85 5七桂打
86 4九香成(47)
87 同 銀(38)
88 4七桂打
89 6二と(73)
90 3九飛打
91 3八銀打
92 4九飛成(39)
93 同 銀(38)
94 5七龍(97)
95 投了
まで94手で後手の勝ち
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
これが結構良い手です。
A 32金 B 33桂 C 32銀
第2問
やわらかい発想です。
A 84角 B 75歩 C 73銀引
第3問
穴熊の感覚です。
A 45歩 B 34歩 C 65歩
第4問
こういう手も筋です。
A 75角 B 66歩 C 57歩成
今日の棋譜20191125
昭和45年12月、内藤国雄先生と最強者決定戦記念対局です。
大山先生の後手三間飛車ですが、25歩を突かなかったので
石田流です。内藤先生の37金は石田崩し。タイミングはかなり早いです。36歩同歩同銀35歩47銀と1歩持つのを先にしてしまおうということか。
大山先生の32金は36歩に45歩の決戦の意味です。内藤先生は38飛で3筋をねらいます。こうなれば36歩45歩も少しは怖くないので
大山先生は43金。3筋は先手が制しますが
位を取られても右金なので先手玉が薄く、後手に不満があるわけでもないです。
大山先生は5筋に位を取り
金は54へ、左銀は73へ。こういう金銀の繰り替えは得意です。
さらに穴熊にしてしまいました。
これくらいで駒組が完了です。後手玉が堅いというか遠いというか、後手の作戦勝ちでしょう。大山先生は飛を22へ移動して
27歩を利かし
24歩を取り返して飛は4筋へ。
内藤先生は駒がぶつかっているのに27歩を払うのでは危なさそうです。
65同歩は84角~66歩、65同桂は64歩、嫌なところに手を付けられました。
飛車を押さえたら66歩。銀を取られて38銀も嫌なので取り合いにはできず
先手陣がかなり乱れています。端に手を付けるのは勝負手ですが、苦しいほうから動くと負けを早めます。
飛を67に移動して(3歩損で歩切れというのも痛い)
桂を跳ねれば少し勝負になったようにも見えるのですが。
大山先生は左桂が使えていないものの、飛角金銀は働いています。先手陣は右の金銀(桂)の働きが悪いのでこれでは後手有利というのが良くわかります。強く6筋から反撃して
57歩成は軽いです。飛では取れず、角で取れば65金同飛56銀、金で取るのも薄いし、銀で取るくらいですが
66歩同飛55金で飛取り。
内藤先生は香を取って56香で返すのですが、穴熊相手にこういう手は利かないです。
66金を取るしかないです。
大山先生は飛を切って76桂。88飛があるので十分成立しています。
金を取って76香。77桂でも大差ないですが
67玉には69飛
香を取り合って58歩
66角が竜取りなので58歩は払われますが、上に逃がさないように62香を打って
角をぶつければ優勢か勝勢か
まだ続きそうですが、ここで内藤先生は投了でした。66金を受けにくいし、後手玉は遠すぎます。
石田崩しとしては27金のタイミングが早すぎるのでしょう。13角を見てから棒金を考えるくらいが良く、33桂が早ければ成立しやすいです。本譜27金に13角38飛13角を予定していたのだけれど32金でそれが狂ったということなのかも。
大山先生の穴熊がうまいというよりは、作戦勝ちでの駒の繰り替えがうまいのだと思います。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1970/12/08
手合割:平手
先手:内藤国雄8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二飛(82)
7 6八玉(59)
8 6二玉(51)
9 7八玉(68)
10 3五歩(34)
11 4六歩(47)
12 7二玉(62)
13 4七銀(48)
14 3四飛(32)
15 6八銀(79)
16 8二玉(72)
17 3八金(49)
18 7二銀(71)
19 2七金(38)
20 3二金(41)
21 3八飛(28)
22 4三金(32)
23 3六歩(37)
24 同 歩(35)
25 同 金(27)
26 3二飛(34)
27 3五歩打
28 4二銀(31)
29 2五歩(26)
30 5四歩(53)
31 2八飛(38)
32 3三角(22)
33 9六歩(97)
34 5三銀(42)
35 9五歩(96)
36 6四銀(53)
37 6六歩(67)
38 5五歩(54)
39 6七銀(68)
40 5一角(33)
41 3八飛(28)
42 5四金(43)
43 7七角(88)
44 7四歩(73)
45 5九角(77)
46 7三銀(64)
47 1六歩(17)
48 6四歩(63)
49 1五角(59)
50 6二角(51)
51 6八金(69)
52 1四歩(13)
53 2六角(15)
54 9二香(91)
55 7七桂(89)
56 9一玉(82)
57 8六歩(87)
58 8二銀(73)
59 3九飛(38)
60 2二飛(32)
61 4八角(26)
62 2四歩(23)
63 同 歩(25)
64 2七歩打
65 3八飛(39)
66 2四飛(22)
67 2五歩打
68 2三飛(24)
69 3九角(48)
70 4三飛(23)
71 3七飛(38)
72 4五歩(44)
73 2七飛(37)
74 4六歩(45)
75 同 銀(47)
76 6五歩(64)
77 4四歩打
78 同 飛(43)
79 4五歩打
80 6六歩(65)
81 同 銀(67)
82 4一飛(44)
83 9四歩(95)
84 同 歩(93)
85 9三歩打
86 同 香(92)
87 5六歩(57)
88 同 歩(55)
89 6七飛(27)
90 5一飛(41)
91 8五桂(77)
92 8四角(62)
93 7五歩(76)
94 6五歩打
95 同 銀(66)
96 5七歩成(56)
97 同 銀(46)
98 6六歩打
99 同 飛(67)
100 5五金(54)
101 9三桂成(85)
102 同 桂(81)
103 5六香打
104 6六金(55)
105 9二歩打
106 同 玉(91)
107 6六銀(57)
108 5六飛(51)
109 同 銀(65)
110 7六桂打
111 7七銀(66)
112 6八桂成(76)
113 同 銀(77)
114 7六香打
115 6七玉(78)
116 6九飛打
117 5九金打
118 9九飛成(69)
119 7六玉(67)
120 5八歩打
121 6六角(39)
122 8九龍(99)
123 5八金(59)
124 6二香打
125 6四歩打
126 7五角(84)
127 同 角(66)
128 同 歩(74)
129 6七玉(76)
130 8六龍(89)
131 投了
まで130手で後手の勝ち
20191125今日の一手
4月の東海団体リーグ戦から、私の将棋です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角と45銀を入れるかどうか。1枚か2枚です。
後手の攻め駒は持ち駒角銀で2枚。
総合すれば後手もちです。
☆ 大局観として
居飛車の急戦(鳥刺しでした)は玉が薄いけれど、右翼の戦いでは戦っている駒の数が違うので優位に立ちやすいものです。問題図では後手に角銀をさばかれて少し失敗しています。右翼の戦いで優位に立っていないというわけです。持ち駒の銀を手放して抑え込もうとしたけれど、角を64で交換した問題図は抑え込みが破れそうで、方針を継続するか転換するかという分かれ目でもあります。
後手から大した手があるわけではないので、先手に選択肢がたくさんああります。方針を決めて、それを間違えないように選びたいです。
☆ 簡単なまとめ
24歩を突いて
24同歩ならば31角から馬を作る、46角や15角~24角に対応する、というのが普通の考え方です。
実は48飛とか68金上とか、待っているのも有力です。
△ 30分切れ負けということもあり、実戦では安易に31角を打ったのですが42飛
当然馬は作らせてもらえません。飛を取る気にならなくて24歩に33桂
これは後手の飛桂が働いてきました。42角成同金54銀36角
桂はさばかれていないけれど、右銀を目標に動かれて嫌な感じです。43歩成ならばまだこれからだったのですが、22飛が悪手。41飛55歩に46角
22飛はあまり効果がなく、まだ21飛成とするべきだったのでしょうが、55歩ではぬるいです。角を打たれて38歩が仕方ないですが、飛の横利きが止まったので58角成同金79金88玉78銀
あっという間に寄せられてしまいました。
22飛を打たずに43歩成46角47飛
これならばまだ難しかったのですが、苦戦している流れです。
対局後に指摘されたのは42同角成。
後手の飛をさばかせるので指したくなかったのですが。42同飛22飛65歩57銀64角38歩
32銀には43歩成があるので、桂を取る手が楽しみで、自信はないけれどこれならば互角だったでしょう。
手筋としては42角成ではなく43歩成
43同飛64角成で馬ができます。33桂44歩41飛55馬
馬はできたけれど銀を取られる(左桂をさばかれる)ので少し悪いです。
× 工夫としては43歩成を先にして
43同金31角とすれば42飛には44歩
41角42飛43歩成を同金と取らせた図になり、攻めが決まります。
後手は31角に62飛、44歩42金22角成
これも馬ができて、桂香を拾えそうな気がします。でも33桂54銀15角
持ち駒が無いと桂取りを防ぎにくいのです。これは後手有利。「さばけばさばかれる」図です。
× 32歩でも46銀
歩切れで遅い攻めでは、やはり桂取りで困ります。
○か△ 24歩は突き捨てておきたいです。
24同歩ならば31角23飛(42飛ならば24飛とできる、実戦のように31角42飛24歩を同歩と取ってもらえたころになる)64角成
ここに馬ができればまずまずです。
後手は24歩を同歩と取らないとすれば、15角55角
23歩成37角成から飛の取り合いは後手有利ですが、55角はぴったり。43歩成と23歩成が残ります。
ならば46角ですがこれも55角
55同角同銀(同歩24角もある)24歩までは仕方なく、31角23飛64角成
55銀の形なので、後手も39角から馬を作って互角です。先手の馬のほうが働きそうだけれど、後手は銀が手持ちですから。
○ 55角も打ってみたいところです。
33銀を打ってもらえば互角だけれど文句なし。42飛24歩33桂
23歩成45桂同桂27歩同飛49角
これは互角のやり取りですが、玉の堅さの差で勝ちにくいか。
33桂に54銀とかわして
24歩同飛36角
43銀成同金同歩成同飛53飛34飛(か22飛成か)
これならば後手玉も薄くなっているので戦えます。
△ 76角は変わった位置ですが
54角でも同じか。42歩くらいしかなく24歩
24同歩は23歩があります。46角47金24角34銀
後手にも生角を打たせて互角です。先手陣の金銀が乱れているので有利ではありませんが、43歩成は残ります。
× 角を打たないとしたら、34銀36歩
歩を取ると桂頭を攻められて悪いです。
△ 54銀ならば
後手は42歩ならば55角で指しやすそう。
42飛を選んで
55角を打てば互角です。(55角42飛に54銀でも同じです。)派手にやるならば43歩成同金48飛36角
43銀成47歩同飛同角成42成銀
この寄せ合いは形勢不明です。
○ おとなしく48飛
後手は42飛からさばきたいわけですから、先に飛を回っておくのは落ち着いています。これで抑え込むものかという気がしてきました。後手から大した手が無いので、例えば65歩67銀35歩55角
後手から派手な手はないです。プレッシャーをかけておけば、後手が守り切れなくてどこからか破れるはず。
○か△ 68金上などとして
少しでも玉を固めて待っておくというのも同じ意味です。後手から動いてもらう方が対応しやすいと。
☆ まとめ
攻め合いを選ぶならば24歩か31角か55角か。24歩が一番リスクが小さく、24同歩が利かしだとすれば、後手からの無理な動きを引き出しやすいです。
46角や15角はあるにしても、後手が窮屈な指し方をしているのはわかるでしょう。24同歩ならば31角や55角が成立しやすくなります。
それでも玉の堅さが違うので、48飛とか68金上とか、55角を打っても42飛に24歩なんてせずに待っているとか、じっとしているというか、抑え込もうとする方がリスクが小さいのです。リスクが小さいだけリターンも小さいですが、後手が無理に動いてもらえばチャンスができます。
検討していて不思議な結論でしたが、「動けば動かれる」カウンター攻撃は強力なものです。自分から無理な動きは避ける方が良いです。ここでは玉が薄いマイナスがありますから。
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
今では当たり前の手ですが、これで中原先生の焦りを誘いました。
A 72飛 B 73金 C 22飛
第2問
21飛成の受け方です。
A 22飛 B 22歩 C 32角
第3問
この手もぴったり。
A 25飛 B 44角 C 23角
第4問
これもぴったりの好手です。
A 65金 B 73桂打 C 45角
今日の棋譜20191124
昭和45年12月、中原誠先生と第9期十段戦第5局です。
大山先生の四間飛車で
端受けなかったのは珍しいのですが
端を詰められたせいか、最初からの予定かはわかりませんが、穴熊にしました。振り飛車穴熊が最初に流行る前の話です。
当時というよりは、この後の振り飛車穴熊ブーム(大内延介先生、西村一義先生が代表)の時に、玉頭位取りの対策で穴熊が指されるようになった、といわれたのですが、実際は玉頭位取りも有力です。中原先生は36歩を突いたので攻めっ気があります。
位が取れず雁木の形になりました。
角は右辺に移動し
振り飛車の72飛というのは最初のブーム(この10年後くらいか)の後、平成になった頃でしょうか、のブームで指されるようになったのだと思います。成り行き上ですが、大山先生の72飛というのがルーツなのかもしれません。
中原先生は55歩同銀24歩同歩55角という攻め方です。このころからあったのですね。居飛車の玉が堅ければ成立しますが
飛をさばいたのはいいけれど、32角はぴったり。7筋をねらっています。中原先生の仕掛けは無理筋でした。
当然ながら75歩は厳しいです。
中原先生は銀を打って角がとれそうですが
46歩同歩23角には困りました。33銀成同桂同飛成67角成~77銀ではつぶされるでしょう。
35飛として同飛同銀は7筋を守る意味もあるのですが、駒損で後手を引いています。
65歩には55歩
28飛には45歩。ここで我慢できるのはさすがです。
大山先生は18飛成~74香。飛は9段目で使いたくないという感覚があるのでしょうね。
31飛41歩21飛成。この角取りは
77歩成から清算して29竜で防ぎます。
中原先生の65歩は中段に逃げだして粘ろうというものですが、大山先生はちょうど金が使えます。
76歩に73桂打が好手。73同桂成は同桂です。
75香にも構わず65桂~57桂成とできるのが穴熊です。
57同玉しかありませんが、27竜37桂38竜。58金には66歩がぴったりです。
中原先生は74金を取りましたが、47金~68竜で受けはありません。
71香成にも64金が詰めろ、受け無しです。
81成香同玉でここまで。
中原先生の仕掛けが無理だったわけですが、玉を堅く囲えない時点で作戦負けです。駒の繰り替えはできたはずなのですが。
ここでは大山先生はうまく穴熊を指しているようですが、すでに第3巻で並べたように、大山先生に穴熊は向いていないです。有利になればきれいに勝つけれど、悪くなって粘れないのでだめでした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1970/12/02
手合割:平手
先手:中原誠8段
後手:大山十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5八金(49)
8 4三銀(42)
9 6八玉(59)
10 4二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 9六歩(97)
14 7二玉(62)
15 9五歩(96)
16 8二玉(72)
17 5六歩(57)
18 9二香(91)
19 6八銀(79)
20 9一玉(82)
21 6六歩(67)
22 8二銀(71)
23 6七銀(68)
24 5四銀(43)
25 5七銀(48)
26 7一金(61)
27 2五歩(26)
28 3三角(22)
29 3六歩(37)
30 3二飛(42)
31 7七角(88)
32 5二金(41)
33 8六歩(87)
34 7四歩(73)
35 3八飛(28)
36 2二角(33)
37 8八玉(78)
38 6二金(52)
39 7八金(69)
40 1四歩(13)
41 1六歩(17)
42 1三香(11)
43 5九角(77)
44 6四歩(63)
45 2八飛(38)
46 3三角(22)
47 3七角(59)
48 5一角(33)
49 2六角(37)
50 3三角(51)
51 7七桂(89)
52 4五歩(44)
53 3七角(26)
54 6三金(62)
55 1八香(19)
56 4二飛(32)
57 6八金(58)
58 7二飛(42)
59 5五歩(56)
60 同 銀(54)
61 2四歩(25)
62 同 歩(23)
63 5五角(37)
64 同 角(33)
65 2四飛(28)
66 3二角打
67 2三歩打
68 3三角(55)
69 3四飛(24)
70 7五歩(74)
71 同 歩(76)
72 7六歩打
73 8五桂(77)
74 7五飛(72)
75 4四銀打
76 4六歩(45)
77 同 歩(47)
78 2三角(32)
79 3五飛(34)
80 同 飛(75)
81 同 銀(44)
82 6五歩(64)
83 5五歩打
84 2八飛打
85 4五歩(46)
86 1八飛成(28)
87 4六銀(35)
88 7四香打
89 3一飛打
90 4一歩打
91 2一飛成(31)
92 7七歩成(76)
93 同 金(78)
94 同 香成(74)
95 同 玉(88)
96 2九龍(18)
97 6五歩(66)
98 7四金(63)
99 7六歩打
100 7三桂打
101 7五香打
102 6五桂(73)
103 6六玉(77)
104 5七桂成(65)
105 同 玉(66)
106 2七龍(29)
107 3七桂打
108 3八龍(27)
109 7四香(75)
110 4七金打
111 6六玉(57)
112 6八龍(38)
113 7一香成(74)
114 6四金打
115 8一成香(71)
116 同 玉(91)
117 投了
まで116手で後手の勝ち
今日は第203回名南将棋大会を開催しました。優勝者の速報です。
E級優勝
岡田仁さん
F級優勝
板倉考佑さん
G級優勝
若原達也さん
H級優勝
加藤了さん
I級優勝
山田信一さん
浜島益雄さん
沢田常夫さん
J級優勝
藤林義嗣さん
金田輝行さん
優勝された方々おめでとうございます。
参加された皆さんありがとうございました。
過去12回の優勝記録です。
拡大
*来週行うのは第203回名南将棋大会(壱)です。こまごま将棋案内にミスプリントがありますのでご注意ください。
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
銀取りですが。
A 55銀 B 23飛 C 86桂
第2問
どうやっても寄りそうです。まぎれの少ない手順を考えましょう。
A 57角 B 68歩 C 69角
今日の棋譜20191123
昭和45年11月、米長邦雄先生と第20回NHK杯です。
大山先生の四間飛車です。
米長先生は玉頭位取り。
44銀型には48飛までがセットで
ここで56歩を打てるようにしておくのです。
大山先生は石田流を目指すのですが
53銀~54銀というのが危なくて、すんなり34飛とできないのでは作戦負けか。ここから米長先生が動きます。
24歩同歩28飛34飛に65歩、これがあるのです。角交換は先手が指しやすいので
33桂64歩25歩、ここまでは仕方ないとして、64歩の取り込みは大きいので66銀~66銀右など銀をぶつけていけば先手が指しやすいはず。
米長先生はつい25飛同桂22角成。早指しですし、勢いだけで進めてしまいました。
香桂を取り合って、19香は取られる駒で25桂は取られない駒、この差は大きいです。後手有利になっていきます。
23馬~55歩。取れば22馬ですね。
37桂成に(ここでもつい)13角を打ったのは悪手です。21飛に24歩とするくらいならば、黙って24歩のほうが良いわけで
飛で馬を取られて55銀。これは受からないです。
馬を使っても86桂に金は逃げにくく(でも87金か?)
45馬に78桂成同金66歩。勝負手としては55馬67歩成同銀ですが、後手玉は74桂同歩63歩成に73桂打とすれば詰み筋がありません。
66同銀として清算、角を打たれると
香銀を打っても
あっさり69竜から駒を取られて敗勢です。
ここで攻防に88飛を打ったのですが
(ほかの手でも後手勝ちですが)88同竜。同銀は66角成、同玉は89飛~66角成、これで投了です。
持ち時間が短いとある程度は勢いで指すものですが、米長先生の空回りで、この将棋は凡局です。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1970/11/23
手合割:平手
先手:米長邦雄7段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 6八銀(79)
14 8二玉(72)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 7五歩(76)
18 4三銀(32)
19 5七銀(48)
20 7二銀(71)
21 7七銀(68)
22 4五歩(44)
23 5八金(49)
24 4四銀(43)
25 6六歩(67)
26 5四歩(53)
27 4八飛(28)
28 6四歩(63)
29 7六銀(77)
30 5二金(41)
31 8六歩(87)
32 5五歩(54)
33 同 歩(56)
34 同 銀(44)
35 5六歩打
36 4四銀(55)
37 8五歩(86)
38 3五歩(34)
39 7七角(88)
40 3二飛(42)
41 3八飛(48)
42 5三銀(44)
43 8八玉(78)
44 5四銀(53)
45 7八金(69)
46 1四歩(13)
47 2五歩(26)
48 1三香(11)
49 6七金(58)
50 1五歩(14)
51 2四歩(25)
52 同 歩(23)
53 2八飛(38)
54 3四飛(32)
55 6五歩(66)
56 3三桂(21)
57 6四歩(65)
58 2五歩(24)
59 同 飛(28)
60 同 桂(33)
61 2二角成(77)
62 2八飛打
63 1三馬(22)
64 2九飛成(28)
65 2三馬(13)
66 3一飛(34)
67 5五歩(56)
68 3七桂成(25)
69 1三角打
70 2一飛(31)
71 2四歩打
72 2三飛(21)
73 同 歩成(24)
74 5五銀(54)
75 3五角成(13)
76 8六桂打
77 4五馬(35)
78 7八桂成(86)
79 同 玉(88)
80 6六歩打
81 同 銀(57)
82 同 銀(55)
83 同 金(67)
84 5七角打
85 6八香打
86 5八金打
87 7七銀打
88 6九龍(29)
89 8七玉(78)
90 6八金(58)
91 8四歩(85)
92 7八銀打
93 9七玉(87)
94 8九龍(69)
95 8八飛打
96 同 龍(89)
97 投了
まで96手で後手の勝ち