20191123今日の一手
3月の東海団体リーグ戦から、私の将棋です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の2歩損ですが持ち歩があるので損得なしと見ます。
玉の堅さは先手のほうが堅いですが、後手は一路深いです。
先手の攻め駒は持ち駒桂1枚
後手の攻め駒は55桂1枚。
総合すれば互角です。
☆ 大局観として
少し前はこういう図で
55歩と65歩、2つの位を保って作戦勝ちだったのですが、問題図では位を失ってしまい、形勢は互角くらい。ちょっと失敗したわけです。
46角の王手に55桂で止められました。67金66銀が当たっていますが、角筋が生きているうちは66銀取りだけです。46角の利きを生かしつつ、64桂のふんどしで金を削れば少し良くなるかというのが希望です。
駒の損得も大事ですが、厚みの戦いなので中央の勢力にも注目します。駒得でも中央を押さえられると面白くないわけです。
59飛は攻めに使うのはまだまだ先でしょうから、46角56銀66銀77桂と持ち駒桂を使って攻めたいです。
☆ 簡単なまとめ
多少の駒損にかまわず55同銀左
邪魔な55桂を取り切ってしまう方がわかりやすいです。
そのあとは55同歩に64桂
ここまで読めれば(これで良いとわかれば)有利になりそうです。
× 実戦では57銀と引いて63金左
63金左では73角でもよさそうで、64桂の傷を消されます。ここで55銀同歩同角64銀とするのは
駒損ですし、後手の65歩が位になっているので面白くありません。
大した手もないので実戦ではまぎれたらいいなあと14歩としたのですが73桂
端にかまってもらえるわけもなく、67金をはがされるので駒損です。
両取りも打たれて
無理矢理攻めているものの角損ですから良いわけがありません。この将棋を逆転できたのは幸いでした。
○ 結局は後手の55桂が邪魔なわけですから、55銀左
銀取りを避けて桂を取っておくのが良さそうに思えます。55同歩に同銀45歩28角27銀
これでは失敗、55銀の形が重いです。
55同角にして
73角64桂63金左72桂成同銀73角成同桂55桂
勢いよく攻めていますが、後手から66桂、66銀、64桂などもあるので互角くらいです。
上の図が不満に思えば55同角ではなく64桂
56銀はまだ取られません。63金左72桂成同銀55銀
この方が攻めやすい、というのは中央の勢力が負けていないからです。
後手は64桂に63金右もあって
52桂成同銀には65桂か。
53歩を見ています。64歩に53歩61銀55角
後手の反撃が止まったところで52金を見て十分です。
○か△ 55銀直だと
66歩と取られますが同銀が王手で64歩
64桂と打たれるのを消されたら、56桂63金65歩と攻めるか
64同角から
73角同角成同桂(73同金は65桂がある)64桂
根を取り返して悪くはありません。後手の65歩が消えていますから。
73角ではなく73銀と埋めても37角
後手に攻撃力がないのでゆっくり攻めれば良いでしょう。
ということでここでも55銀直に同歩でしょうか。
65銀(これは55同銀左からでもできるので、選択肢のある55同銀左のほうが優るか)に63歩ならば66桂
63歩ではなく73角ならば64桂
63金右52桂成同銀64歩
先手からの攻めは続きます。64同金同銀同角54金63銀55金
という調子で、後手の55歩や65歩を消去しつつ、駒得になれば十分です。
△ 65銀右は
64歩(銀ばさみで64桂も消す)55銀
45歩37角65歩でも44歩
55歩43歩成同飛64桂
駒損は消えるのですが、後手の55歩と65歩が残っているので先手よしとは言えません。
65銀右に73角ならば
55銀同歩64桂
これはまあまあ戦えそうです。
△65銀直も
64歩か73角に55銀とするので、その前にやった65銀右と同じことになりそうです。
△か× 64桂は
66歩72桂成同銀66金63金
わずかに駒得ですが、55桂が目障りです。といって55銀同歩の後が厳しくなく、ちょっと失敗している感じがします。
△か× 65桂は
64歩に55銀左同歩同角
63金左37角54歩
桂はただで取られにくいですが、73桂同桂成同角の形を想定しても、先手の攻めは続けにくく、後手から55桂と打たれる、銀桂交換の駒損、では自信がありません。
× 他には53歩
53同金ならば65桂ですが、66歩52歩成67歩成
先に王手が入り、明らかな駒損です。
☆ まとめ
厚みの将棋では多少の駒損(銀桂交換など1対1で)は問題にならず、盤上の駒の価値が高くなります。問題図では
後手の55桂65歩はないほうがうれしいわけです。ですから55銀左が第一候補。
その他には55銀直、65銀右、65銀左を検討します。
私が指した57銀は駒損を避けてはいますが、その2つの駒を残す悪い手だったというわけです。
あとは駒損を64桂の両取りでカバーできるように、そのあとの手を組み立てます。角銀銀の働きが良いので、中央の戦いは優位に進めやすいのでした。