私が留学していた大学のビル群です。この景色ともお別れです。明日帰国します。
発熱や痛みで病院にかかると、イブプロフェン(商品名ブルフェン)や、ジクロフェナク(商品名ボルタレン)という鎮痛解熱薬が処方されます。しかし心筋梗塞で過去に入院の既往がある方は要注意という論文が今月発表されました。
Risk of Death or Reinfarction Associated With the Use of Selective Cyclooxygenase-2 Inhibitors and Nonselective Nonsteroidal Antiinflammatory Drugs After Acute Myocardial Infarction.
Circulation 2006;113:2906.
(インパクトファクター★★★★★、研究対象人数★★★★★)
デンマークで1995年から2002年の間に心筋梗塞で入院した71,515人のうち退院できた58,432人(81.7%)の患者さんを対象に、退院後に内服している鎮痛解熱薬の種類・量によって、死亡率や心筋梗塞での再入院率に違いがないかが調査されました。退院後1回でも鎮痛解熱薬の処方があれば「内服あり」とされました。
鎮痛解熱薬が処方された率はボルタレンが10.6%で、ブルフェンは17.5%で、他の鎮痛解熱薬は12.7%でした。ボルタレンの平均処方期間は20日、ブルフェンの平均処方期間は37日、他の鎮痛解熱薬では83日でした。調査中、16,573人(28.4%)がその後死亡し、9,773人(16.7%)が心筋梗塞で再入院しました。
鎮痛解熱薬を内服していた場合の死亡のリスクは内服していない場合と比較して、ボルタレンが2.4倍、ブルフェン1.5倍、他の鎮痛解熱薬は1.3倍高くなりました。1日に使用した量を考慮した場合、ボルタレンが100mg/日以上で死亡のリスクは4.4倍、ブルフェンが1,200mg/日以上で2.2倍でした。
心筋梗塞による再入院のリスクは内服していない場合と比較して、ボルタレンが1.5倍、ブルフェン1.3倍、他の鎮痛解熱薬は1.3倍高くなりました。1日に使用した量を考慮した場合、ボルタレンが100mg/日以上で死亡のリスクは1.9倍、ブルフェンが1,200mg/日以上で1.2倍でした。
ただし、日本ではボルタレンの1日最大使用量は100mg、ブルフェンは600mgです。この容量ではブルフェンの1,200mg/日以下の使用で再入院のリスクが1.3倍と高くなっただけでした。
欧米での鎮痛解熱薬の1回の内服量は日本の2~4倍で、そういう条件下での結果ですが、イブプロフェン(商品名ブルフェン)は日本での使用量でも心筋梗塞による再入院のリスクを高めますから注意が必要です。
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(インパクトファクター★★★★★、研究対象人数★★★★★)
デンマークで1995年から2002年の間に心筋梗塞で入院した71,515人のうち退院できた58,432人(81.7%)の患者さんを対象に、退院後に内服している鎮痛解熱薬の種類・量によって、死亡率や心筋梗塞での再入院率に違いがないかが調査されました。退院後1回でも鎮痛解熱薬の処方があれば「内服あり」とされました。
鎮痛解熱薬が処方された率はボルタレンが10.6%で、ブルフェンは17.5%で、他の鎮痛解熱薬は12.7%でした。ボルタレンの平均処方期間は20日、ブルフェンの平均処方期間は37日、他の鎮痛解熱薬では83日でした。調査中、16,573人(28.4%)がその後死亡し、9,773人(16.7%)が心筋梗塞で再入院しました。
鎮痛解熱薬を内服していた場合の死亡のリスクは内服していない場合と比較して、ボルタレンが2.4倍、ブルフェン1.5倍、他の鎮痛解熱薬は1.3倍高くなりました。1日に使用した量を考慮した場合、ボルタレンが100mg/日以上で死亡のリスクは4.4倍、ブルフェンが1,200mg/日以上で2.2倍でした。
心筋梗塞による再入院のリスクは内服していない場合と比較して、ボルタレンが1.5倍、ブルフェン1.3倍、他の鎮痛解熱薬は1.3倍高くなりました。1日に使用した量を考慮した場合、ボルタレンが100mg/日以上で死亡のリスクは1.9倍、ブルフェンが1,200mg/日以上で1.2倍でした。
ただし、日本ではボルタレンの1日最大使用量は100mg、ブルフェンは600mgです。この容量ではブルフェンの1,200mg/日以下の使用で再入院のリスクが1.3倍と高くなっただけでした。
欧米での鎮痛解熱薬の1回の内服量は日本の2~4倍で、そういう条件下での結果ですが、イブプロフェン(商品名ブルフェン)は日本での使用量でも心筋梗塞による再入院のリスクを高めますから注意が必要です。
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