これからしばらくインフルエンザ特集にします。65歳以上の普通に生活している(老人ホームや介護センターで暮らしていないという意味です)高齢者に対してインフルエンザワクチンがどれだけ有効かというLancet. 2005;366:1165.からの最新の報告です。(インパクトファクター★★★★★、研究対象人数★★★★★)
Efficacy and effectiveness of influenza vaccines in elderly people: a systematic review.
この研究はメタアナリシスといって過去の多くの研究をまとめたものです。全部で64の研究が検討されてましたが、方法が適切でないものなどを除外して、インフルエンザワクチンを接種した群16,357人と、接種しなかった群15,822人が比較されました。
結果は、接種群でインフルエンザや肺炎による死亡が121人(0.7%)に対して非接種群で180人(1.1%)と、接種群の方が有意に死亡率は少なかったようです。非接種群でも98.9%の方は死なないのですから(あたりまえです。今の高度な医療レベルのもと、そんなに簡単に亡くなってはいけないです)と、スタチンと同じように差が小さいと考えるのは早急です。ワクチンは保険が利かないので保険償還薬価というものはないのですが、窓口で自己負担を1,000円と仮定して、5,000円と高く見積もっても、16,357人に接種して59人の死亡を減らしているわけですから、なんと133万円で一人の命を救っている事になります。
死亡率の差が小さいことに関してはこの論文でも言及されていて「効果はmodest(地味・ほどほど)」だと表現されていますが、死亡以外にもインフルエンザや肺炎による入院を23%減らし、呼吸器感染症を22%減らし、心臓病を24%減らし、全ての理由による死亡を47%減らしたと報告しています。
まとめると、65歳以上の高齢者に対するインフルエンザワクチンの効果は「ほどほど」で、過度の期待は禁物だが、各種疾患や死亡を有意に減らしているということです。
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死亡率の差が小さいことに関してはこの論文でも言及されていて「効果はmodest(地味・ほどほど)」だと表現されていますが、死亡以外にもインフルエンザや肺炎による入院を23%減らし、呼吸器感染症を22%減らし、心臓病を24%減らし、全ての理由による死亡を47%減らしたと報告しています。
まとめると、65歳以上の高齢者に対するインフルエンザワクチンの効果は「ほどほど」で、過度の期待は禁物だが、各種疾患や死亡を有意に減らしているということです。
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