特定健診の膨大なデータを利用して、日本人において脳卒中と心筋梗塞の危険因子を明らかにした素晴らしい研究があり、今年10月に発表されたのでご紹介します。
特定健診(特定健康診査)とは、厚生労働省により公的医療保険加入者全員に実施が義務づけられた、メタボリックシンドロームに着目した健康診査のことです。
特定健診データをもとに脳・心血管疾患発症を予測するツールの開発
Therapeutic Research 2012;33:1541.
(インパクトファクター★☆☆☆☆、研究対象人数★★★★★)
1995年~2000年の40歳~69歳の住民健診受診者のうち脳・心疾患に罹患したことのない8,886人が対象とされ、脳・心疾患の発症と発症した患者の特徴の関係について、平均9.8年調査されました。患者の特徴は多変量解析で解析されました。
上の図が結果です。
発症と関係があった因子は赤色で示してあります。脳出血と脳梗塞をあわせたいわゆる脳卒中を発症する危険因子は年齢、血圧値、高血圧症でした。
数字はそれがあると何倍リスクが増えるかで、例えば血圧は10mmHg上昇すると、脳卒中の発症は1.16倍になります。カッコのなかの数字は95%信頼区間といって、その倍率が95%の確率でその範囲に入っているということで、その数字が例えば0.98―1.05のように1をはさんでいると、リスクが上昇することもあるし低下することもあるということで、その因子は関連がないと判断されます。
心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患の発症に関連するのは、男性であること、年齢、血圧値、善玉コレステロール値、喫煙でした。本来、高血圧症も危険因子ですが、血圧値という項目にマスクされ(多重共線性といいます)ています。
心筋梗塞の場合、男性というだけでリスクが4.61倍ということがわかりますし、年齢が10歳高くなるとリスクが1.61倍になることがわかります。善玉コレステロールが10mg/dl上がると、リスクは0.77倍に低下します。
一方、総コレステロールから善玉コレステロールを引いた悪いコレステロールや、中性脂肪は他の因子ほど関連のある危険因子ではないことがわかります。
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特定健診(特定健康診査)とは、厚生労働省により公的医療保険加入者全員に実施が義務づけられた、メタボリックシンドロームに着目した健康診査のことです。
特定健診データをもとに脳・心血管疾患発症を予測するツールの開発
Therapeutic Research 2012;33:1541.
(インパクトファクター★☆☆☆☆、研究対象人数★★★★★)
1995年~2000年の40歳~69歳の住民健診受診者のうち脳・心疾患に罹患したことのない8,886人が対象とされ、脳・心疾患の発症と発症した患者の特徴の関係について、平均9.8年調査されました。患者の特徴は多変量解析で解析されました。
上の図が結果です。
発症と関係があった因子は赤色で示してあります。脳出血と脳梗塞をあわせたいわゆる脳卒中を発症する危険因子は年齢、血圧値、高血圧症でした。
数字はそれがあると何倍リスクが増えるかで、例えば血圧は10mmHg上昇すると、脳卒中の発症は1.16倍になります。カッコのなかの数字は95%信頼区間といって、その倍率が95%の確率でその範囲に入っているということで、その数字が例えば0.98―1.05のように1をはさんでいると、リスクが上昇することもあるし低下することもあるということで、その因子は関連がないと判断されます。
心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患の発症に関連するのは、男性であること、年齢、血圧値、善玉コレステロール値、喫煙でした。本来、高血圧症も危険因子ですが、血圧値という項目にマスクされ(多重共線性といいます)ています。
心筋梗塞の場合、男性というだけでリスクが4.61倍ということがわかりますし、年齢が10歳高くなるとリスクが1.61倍になることがわかります。善玉コレステロールが10mg/dl上がると、リスクは0.77倍に低下します。
一方、総コレステロールから善玉コレステロールを引いた悪いコレステロールや、中性脂肪は他の因子ほど関連のある危険因子ではないことがわかります。
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