以前、妊娠中のビタミンDの摂取の有用性についてお伝えしたことがあります。
今回は、以前厚生労働省が勧告した「妊娠中の魚介類の摂取は胎児に有害」というのは本当だろうかという研究の結果が今年の2月に発表されていますのでお伝えします。魚介類は適切な精神発達に必須のω3脂肪酸の主要供給源です。
Maternal seafood consumption in pregnancy and neurodevelopmental outcomes in childhood (ALSPAC study): an observational cohort study.
Lancet. 2007;369:578
(インパクトファクター★★★★☆、研究対象人数★★★★★)
アメリカでは魚介類中のメチル水銀中毒を避けるため、妊娠中の魚介類の摂取量は週340g以下に制限されています。
魚介類摂取量に関するアンケートに回答した妊娠32週目の女性11,875人を対象に、社会的立場、日頃の食事内容、妊娠の状態など交絡因子など28項目を調査して、魚介類非摂取群、勧告内の量の摂取群(340g/週未満)、勧告された量以上の摂取群(340g/週以上)の3群に分け、生まれた児の6カ月から8歳時における発達、行動、認知能力に関する評価値と比較しました。
魚介類を週340g以上摂取した妊婦から生まれた児と比較して、全く摂取しなかった妊婦、週340g以下摂取した妊婦から生まれた児は統計学的に有意に言語性知能指数(IQ)が低く、他の神経・認知・運動などのスコアも低値でした。
また、魚介類を週340g以下摂取した妊婦から生まれた児は、社会的行動、細かい運動機能、意思疎通能力、社会的発達スコアに関して最適な発達を遂げられませんでした。
日本人はアメリカ人よりも、メチル水銀の含有量が多いタイやマグロを多く摂取しますし、摂取する遠洋魚や近海魚の割合(食物連鎖や生物濃縮の差)も違うかもしれません。
こういう研究では国の特色が反映されるので、この結果をそのまま日本に当てはめることはできませんが、厚生労働省の勧告を鵜呑みにして妊娠中に極端に魚介類の摂取を避けると、生まれる児に重要な影響をもたらすことは間違いのない事実だと思います。
日本でもこういう調査がなされるといいのですが、国の勧告を無視してそれ以上に摂取している妊婦さんを対象に集めるのって、理論的にも難しいと思いますし、倫理的にも大丈夫なのだろうかと思います。アメリカのように「おおらか」な国だからこそできた研究ですね。
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今回は、以前厚生労働省が勧告した「妊娠中の魚介類の摂取は胎児に有害」というのは本当だろうかという研究の結果が今年の2月に発表されていますのでお伝えします。魚介類は適切な精神発達に必須のω3脂肪酸の主要供給源です。
Maternal seafood consumption in pregnancy and neurodevelopmental outcomes in childhood (ALSPAC study): an observational cohort study.
Lancet. 2007;369:578
(インパクトファクター★★★★☆、研究対象人数★★★★★)
アメリカでは魚介類中のメチル水銀中毒を避けるため、妊娠中の魚介類の摂取量は週340g以下に制限されています。
魚介類摂取量に関するアンケートに回答した妊娠32週目の女性11,875人を対象に、社会的立場、日頃の食事内容、妊娠の状態など交絡因子など28項目を調査して、魚介類非摂取群、勧告内の量の摂取群(340g/週未満)、勧告された量以上の摂取群(340g/週以上)の3群に分け、生まれた児の6カ月から8歳時における発達、行動、認知能力に関する評価値と比較しました。
魚介類を週340g以上摂取した妊婦から生まれた児と比較して、全く摂取しなかった妊婦、週340g以下摂取した妊婦から生まれた児は統計学的に有意に言語性知能指数(IQ)が低く、他の神経・認知・運動などのスコアも低値でした。
また、魚介類を週340g以下摂取した妊婦から生まれた児は、社会的行動、細かい運動機能、意思疎通能力、社会的発達スコアに関して最適な発達を遂げられませんでした。
日本人はアメリカ人よりも、メチル水銀の含有量が多いタイやマグロを多く摂取しますし、摂取する遠洋魚や近海魚の割合(食物連鎖や生物濃縮の差)も違うかもしれません。
こういう研究では国の特色が反映されるので、この結果をそのまま日本に当てはめることはできませんが、厚生労働省の勧告を鵜呑みにして妊娠中に極端に魚介類の摂取を避けると、生まれる児に重要な影響をもたらすことは間違いのない事実だと思います。
日本でもこういう調査がなされるといいのですが、国の勧告を無視してそれ以上に摂取している妊婦さんを対象に集めるのって、理論的にも難しいと思いますし、倫理的にも大丈夫なのだろうかと思います。アメリカのように「おおらか」な国だからこそできた研究ですね。
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