肺炎球菌には 93 種類の血清型があり、平成26年10月からの定期接種で使用される「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」は、そのうちの23種類の血清型に効果があります。高齢者に対する定期接種は平成26年10月1日から開始されています
厚生労働省のサイト
この肺炎球菌ワクチンですが、最初の接種から5年以内に再接種すると、接種部位の腫脹や硬結などの副作用が強く出ると考えられるため禁止されていました。しかし、最近もうそろそろ最初の接種から5年間が経過して、2回目の接種時期になってきている人をちらほら見かけるようになりました。
そこで、2回目の肺炎球菌ワクチンの効果はどうなのかという問題がクローズアップされてきます。ところが調べてみると、臨床的に2回目の接種が肺炎球菌肺炎を減らすというデータはありません。
「2回目の接種で初回接種と同等の抗体応答が誘導される」というデータだけがあって、「従って初回接種と同程度の感染予防効果が期待される」と「期待」だけされている状態であることは事実です。それが示されているのが日本では下の2編の論文です。
Sustained functional serotype-specific antibody after primary and secondary vaccinations with a pneumococcal polysaccharide vaccine in elderly patients with chronic lung disease.Vaccine. 2014;32(10):1181-6.
(インパクトファクター★★☆☆☆、研究対象人数★☆☆☆☆)
Revaccination with 23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine in the Japanese elderly is well tolerated and elicits immune responses.Vaccine. 2016;34(33):3875-81. :
(インパクトファクター★★☆☆☆、研究対象人数★★★☆☆)
下の論文は8名の著者のうち4人がこのワクチンを発売しているMDS社の社員、3人がMerck社の社員です。自分たちは社員だと利益相反を表せばその論文は正義であると証明されたわけではありません。
肺炎球菌ワクチン再接種問題対策委員会の皆さんもMDS社からロビー活動されていませんでしたか??
この2編の論文の結果を受けて、「一般社団法人日本感染症学会 肺炎球菌ワクチン再接種問題対策委員会」は「23価肺炎球菌ワクチンの再接種による臨床的な有効性のエビデンスは明確になっていないが、症例によっては追加接種を繰り返すことを考慮してもよい」と発表しています。
実に控えめなコメントです。
以前私は、以下の記事を書きました。
肺炎球菌ワクチンは65歳~75歳では効いていない
1回目の接種でさえ、有効な患者は限定されるのに、2回目のこのエビデンスの弱さを考慮すると
「症例によっては追加接種を繰り返すことを考慮」って・・重症の慢性肺疾患の患者や重症疾患の寝たきり患者などに効果が限定されるのではないでしょうか。
私は最近、2回目のワクチン接種はどうなのかと患者から尋ねられると、重症患者以外には「臨床的な有効性のエビデンスは明確になっていないですよ~」と答えるようにしています。
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この肺炎球菌ワクチンですが、最初の接種から5年以内に再接種すると、接種部位の腫脹や硬結などの副作用が強く出ると考えられるため禁止されていました。しかし、最近もうそろそろ最初の接種から5年間が経過して、2回目の接種時期になってきている人をちらほら見かけるようになりました。
そこで、2回目の肺炎球菌ワクチンの効果はどうなのかという問題がクローズアップされてきます。ところが調べてみると、臨床的に2回目の接種が肺炎球菌肺炎を減らすというデータはありません。
「2回目の接種で初回接種と同等の抗体応答が誘導される」というデータだけがあって、「従って初回接種と同程度の感染予防効果が期待される」と「期待」だけされている状態であることは事実です。それが示されているのが日本では下の2編の論文です。
Sustained functional serotype-specific antibody after primary and secondary vaccinations with a pneumococcal polysaccharide vaccine in elderly patients with chronic lung disease.Vaccine. 2014;32(10):1181-6.
(インパクトファクター★★☆☆☆、研究対象人数★☆☆☆☆)
Revaccination with 23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine in the Japanese elderly is well tolerated and elicits immune responses.Vaccine. 2016;34(33):3875-81. :
(インパクトファクター★★☆☆☆、研究対象人数★★★☆☆)
下の論文は8名の著者のうち4人がこのワクチンを発売しているMDS社の社員、3人がMerck社の社員です。自分たちは社員だと利益相反を表せばその論文は正義であると証明されたわけではありません。
肺炎球菌ワクチン再接種問題対策委員会の皆さんもMDS社からロビー活動されていませんでしたか??
この2編の論文の結果を受けて、「一般社団法人日本感染症学会 肺炎球菌ワクチン再接種問題対策委員会」は「23価肺炎球菌ワクチンの再接種による臨床的な有効性のエビデンスは明確になっていないが、症例によっては追加接種を繰り返すことを考慮してもよい」と発表しています。
実に控えめなコメントです。
以前私は、以下の記事を書きました。
肺炎球菌ワクチンは65歳~75歳では効いていない
1回目の接種でさえ、有効な患者は限定されるのに、2回目のこのエビデンスの弱さを考慮すると
「症例によっては追加接種を繰り返すことを考慮」って・・重症の慢性肺疾患の患者や重症疾患の寝たきり患者などに効果が限定されるのではないでしょうか。
私は最近、2回目のワクチン接種はどうなのかと患者から尋ねられると、重症患者以外には「臨床的な有効性のエビデンスは明確になっていないですよ~」と答えるようにしています。
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