医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

出産10万件に対し4-7人が死亡する

2007年03月26日 | 総合
出産時の大量出血などで、一時でも「生命に危険がある」と判断される重篤な状態に陥った妊産婦は、実際の死亡者数の70倍以上、出産約250件に1人の割合に上るとみられることが、厚生労働省研究班(主任研究者・中林正雄(なかばやし・まさお)愛育病院院長)などの全国調査で20日までに分かった。

2000-05年の国内の妊産婦死亡は出産10万件当たり4-7人程度で、一般には比較的まれな現象と受け止められてきたが、死に至る危険は多くの妊婦にあった実態が明らかになった。

調査に参加した専門家は「妊娠・出産の本当のリスクは、これまで考えられていたより高い」と指摘。産科医の減少が懸念される中、母親と新生児を守る周産期医療体制の充実を訴えている。研究班は日本産科婦人科学会周産期委員会と共同で昨年、全国の産婦人科病院など998施設を対象にアンケートを実施。333施設から、04年の実績で国全体の11%に当たる約12万5000件の出産について回答を得た。

それによると、大量出血や常位胎盤早期はく離、頭蓋(ずがい)内出血などで死亡したのは計32人。だが、血管内凝固症候群などで一時でも生命に危険があると判断された妊産婦を含めると計2325人で、実際の死亡数の約73倍だった。この割合を、全国で62人が死亡した05年に当てはめて推計したところ「生命の危険あり」は約4500人となり、出産約250件に1人の割合であることが明らかになった。

妊産婦死亡 妊娠・出産が原因になった女性の死亡。国内の2000-05年の統計では、年間49-84人が死亡しており、出産10万件に対し4-7人が死亡した計算になる。06年版世界人口白書に掲載された推定値によると、妊産婦死亡はアフリカでは出産10万件当たり1,000人を超える国も多い。日本は同17人の米国より少ないが、同2人のスウェーデンよりは多い。世界平均は同約400人(約250件に1人)といわれ、日本で重篤な状態に陥った妊産婦とほぼ同じ割合になる。
(共同通信、m3.comより引用)

つまり、現在の先進国の医療レベルでも医者がどんなに注意を払ったところで出産10万件に対し4-7人の死亡は避けられないということです。こういう重要な情報はm3.comを読む医者だけでなく、学会などが新聞広告などで世間に広く知らせるべきです。こういう情報を新聞広告しないのは学会の怠慢です。

そうすれば、出産で妊婦が死んだからと医者が訴えられるような事も少しは減るのではないでしょうか。

運が悪ければ人は死ぬのです。「運が悪い」のと「医者が悪い」のは違います。


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「休日に寝だめ」は逆効果=平日差大きいほど不眠、抑うつ-働く人の睡眠調査

2007年03月17日 | 総合
普段の寝不足、休日に補えません-。休みの日に遅くまで寝ている人ほど、不眠や抑うつを訴える割合の高いことが17日、働く人を対象とする内村直尚久留米大助教授(精神神経学)の調査で分かった。

平日の睡眠時間の短さは、抑うつと強く関連していた。同助教授は「時間が不規則だと熟睡感が得られない。良い睡眠のためにはできるだけいつも同じ時間に起きることが重要」としている。

調査は昨年12月、首都圏の35~59歳の勤労者約9000人を対象にインターネットで実施、約6000人から有効回答を得た。それによると、平均睡眠時間は平日6.1時間、休日7.3時間。休日の起床時間が平日より2時間未満遅い人が不眠を自覚する割合は25.9%なのに対し、2~3時間で29.4%、3時間以上で33.3%と、平日との差が大きいほど不眠の人が多かった。抑うつ経験も、2時間未満4.3%、2~3時間5.2%、3時間以上6.2%となった。
(時事通信より引用)


この内容と類似のことはすでに2年前の米国睡眠関連連合学会で朝寝坊は夜更かしよりも日内リズムに有意に大きな位相変位を起こさせるとして報告されており、私のブログでもお伝えしていました。米国睡眠関連連合学会での報告よりも調査人数は多いとはいえ、研究のアイデア自体は過去のものの焼き直しと言わざるをえません。


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