先日、軽いアトピー性皮膚炎がある息子に薬を処方しました。成人に使える抗アレルギー薬のうち小児にも使える薬は限られていて、どれが小児に使えるか調べて確認しました。治療の中心となるステロイドの塗り薬は薬によって強さが違いますので、専門家ではない私は専門書を調べながらの処方でした。時間にして5分ぐらいかかったと思います。
さて、病院の会計に行き支払った金額は、410円。領収書には、再診料700円と処方料680円の合計1,380円の3割と書いてありました。
処方箋を院外の薬局に持って行きました。待合室に置いてあった新聞の1面と2面の見出しを見ている間に薬はまとまったので、時間にして3分ぐらいでした。支払った金額は、5,090円。領収書には調剤技術料2,890円、薬剤管理料300円、そして薬代13,760円の合計16,950円の3割と書いてありました。
私ごとで恐縮ですが、先日私は歯の詰め物が脱落してしまい30年ぶりに歯科医にかかりました。お恥ずかしい話ですが、なにせ30年ぶりの歯科医受診ですから、診療代がいくらぐらいなのか見当もつきませんでした。自費負担分で5,000円~10,000円ぐらいだと予想した私は、それまで5,000円しか入っていなかった財布に10,000円札を足しました。
歯科医は詰め物の奥が虫歯になっていないかレントゲン写真を2枚撮り、虫歯になっていない事を確認後、丁寧に充填物を詰めレーザー照射で硬化させました。その後、充填物の高さがかみ合わせに合うように何度も確認して削りました。最後に歯科衛生士が他の歯の表面に付着している茶渋なども綺麗にクリーニングしてくれました。歯科医と歯科衛生士が何度も交代しますが、20分はかかったと思います。
会計で請求された金額は1,610円でした。
「せ、せ、千 六百 十円? 安すぎる、何かの間違いではないか」
領収書には初診料1850円、歯冠修復・欠損補綴料2960円、画像診断550円、合計5,360円の3割1,610円と書かれてあります。
まとめてみます。
病院
(再診料)700円これは病院の事務員の人件費、建物・電子カルテ設備の償却に充てられるようなものでしょう。
(処方料)680円これは私に対する技術料かつ他の従業員の人件費のようなものです。
薬局
(薬剤管理料)300円
(調剤技術)2,990円これらは人件費、薬剤師の技術料でしょう。
歯科医
(初診料)1,850円これは人件費、建物・診療チェアの償却に充てられます。
(歯冠修復・欠損補綴料)2,960円これは歯科医の技術料でしょう。
(画像診断)550円これはレントゲン装置やフィルム代に充てられます。
私がいろいろ考えて処方した料金が5分で680円(もちろん私のふところには直接入りません)、歯科医が丁寧に治療してくれた料金が20分で2,960円、薬剤師が医師の発行した処方箋を見ながら間違いのないように薬剤を提供した料金が3分で3,290円です。
薬剤師もいろいろと反論はあると思いますが、3カ所を比較する限り病院と歯科医の料金が安すぎると思いませんか?
これでは開業医の先生方が、採算ギリギリなのがよく分かります。それに対して株式会社の調剤薬局はどんどん増えています。
歯科医の場合は、橋本龍太郎の歯科医師会への巨額ヤミ献金事件に対する懲罰の意味もあり、技術料が大幅に下げられたのです。
自分が実際に3カ所を同時に体験してみると愕然としてしまいました。医療費は今、なにか得体の知れない株式会社に飲み込まれようとしているのではないかと。
医療費の一部が、それもかなりの額が売上高を棒グラフにしているこういう株式会社の利益になり、役員の報酬になり、社員の給与になり(もはや薬剤師ではなく社員である)株主に配当されているのは、たとえ資本主義の原則に則っているとはいえ、何か間違っている気がします。
株式会社という立場であるならば、できるだけ利益を上げなければならないので、「お変わりありませんか?」「はい」という会話だけで以前お伝えした「特別指導加算」がなされてしまうのは目に見えています。
個人で経営している薬局であれば、そういう会話だけで特別指導加算をするのはためらわれると、薬剤師個人の良心に照らして判断する事も可能でしょう。
2003年度の国民医療費約32兆円のうち保険薬局に支払われた費用は3兆9千億円で、前年度から医薬分業が広く行われた結果、薬局への支払いが1兆円増え、その分のみ国民医療費は増加してしまいました。これは厚労省が薬局の経営に配慮した結果、病院内の調剤報酬より院外薬局の調剤報酬の方が高く設定されたためです。
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さて、病院の会計に行き支払った金額は、410円。領収書には、再診料700円と処方料680円の合計1,380円の3割と書いてありました。
処方箋を院外の薬局に持って行きました。待合室に置いてあった新聞の1面と2面の見出しを見ている間に薬はまとまったので、時間にして3分ぐらいでした。支払った金額は、5,090円。領収書には調剤技術料2,890円、薬剤管理料300円、そして薬代13,760円の合計16,950円の3割と書いてありました。
私ごとで恐縮ですが、先日私は歯の詰め物が脱落してしまい30年ぶりに歯科医にかかりました。お恥ずかしい話ですが、なにせ30年ぶりの歯科医受診ですから、診療代がいくらぐらいなのか見当もつきませんでした。自費負担分で5,000円~10,000円ぐらいだと予想した私は、それまで5,000円しか入っていなかった財布に10,000円札を足しました。
歯科医は詰め物の奥が虫歯になっていないかレントゲン写真を2枚撮り、虫歯になっていない事を確認後、丁寧に充填物を詰めレーザー照射で硬化させました。その後、充填物の高さがかみ合わせに合うように何度も確認して削りました。最後に歯科衛生士が他の歯の表面に付着している茶渋なども綺麗にクリーニングしてくれました。歯科医と歯科衛生士が何度も交代しますが、20分はかかったと思います。
会計で請求された金額は1,610円でした。
「せ、せ、千 六百 十円? 安すぎる、何かの間違いではないか」
領収書には初診料1850円、歯冠修復・欠損補綴料2960円、画像診断550円、合計5,360円の3割1,610円と書かれてあります。
まとめてみます。
病院
(再診料)700円これは病院の事務員の人件費、建物・電子カルテ設備の償却に充てられるようなものでしょう。
(処方料)680円これは私に対する技術料かつ他の従業員の人件費のようなものです。
薬局
(薬剤管理料)300円
(調剤技術)2,990円これらは人件費、薬剤師の技術料でしょう。
歯科医
(初診料)1,850円これは人件費、建物・診療チェアの償却に充てられます。
(歯冠修復・欠損補綴料)2,960円これは歯科医の技術料でしょう。
(画像診断)550円これはレントゲン装置やフィルム代に充てられます。
私がいろいろ考えて処方した料金が5分で680円(もちろん私のふところには直接入りません)、歯科医が丁寧に治療してくれた料金が20分で2,960円、薬剤師が医師の発行した処方箋を見ながら間違いのないように薬剤を提供した料金が3分で3,290円です。
薬剤師もいろいろと反論はあると思いますが、3カ所を比較する限り病院と歯科医の料金が安すぎると思いませんか?
これでは開業医の先生方が、採算ギリギリなのがよく分かります。それに対して株式会社の調剤薬局はどんどん増えています。
歯科医の場合は、橋本龍太郎の歯科医師会への巨額ヤミ献金事件に対する懲罰の意味もあり、技術料が大幅に下げられたのです。
自分が実際に3カ所を同時に体験してみると愕然としてしまいました。医療費は今、なにか得体の知れない株式会社に飲み込まれようとしているのではないかと。
医療費の一部が、それもかなりの額が売上高を棒グラフにしているこういう株式会社の利益になり、役員の報酬になり、社員の給与になり(もはや薬剤師ではなく社員である)株主に配当されているのは、たとえ資本主義の原則に則っているとはいえ、何か間違っている気がします。
株式会社という立場であるならば、できるだけ利益を上げなければならないので、「お変わりありませんか?」「はい」という会話だけで以前お伝えした「特別指導加算」がなされてしまうのは目に見えています。
個人で経営している薬局であれば、そういう会話だけで特別指導加算をするのはためらわれると、薬剤師個人の良心に照らして判断する事も可能でしょう。
2003年度の国民医療費約32兆円のうち保険薬局に支払われた費用は3兆9千億円で、前年度から医薬分業が広く行われた結果、薬局への支払いが1兆円増え、その分のみ国民医療費は増加してしまいました。これは厚労省が薬局の経営に配慮した結果、病院内の調剤報酬より院外薬局の調剤報酬の方が高く設定されたためです。
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