(m3より改変引用)
はしか(麻疹(ましん))の予防接種率が伸び悩んでいる。国は接種率95%以上で人口100万人当たりの感染者が1人未満になる「排除」の状態を目指している。だが、09年度の接種率は1歳の定期接種では93・6%と目標に近いものの、13歳と18歳を対象にした追加接種では、それぞれ85・9%、77・0%にとどまった。幼少期のはしか感染には、難病発症の可能性があり、はしかの早期根絶には接種率の向上が鍵を握っている
国立感染症研究所によると、はしか患者は高校や大学で流行した07年に子どもだけで計3133人、08年は成人も含めて計1万1012人に上った。今年の患者数も8月4日現在計326人で、人口100万人当たり約2・7人と流行が続いている。
SSPEは特に学童期に発症することがある中枢神経疾患だ。一度感染したはしかウイルスが脳に潜伏後、SSPEウイルスに変異して数年後に発病。原因は不明で治療法はなく、ゆっくりと神経症状が進んで意識がなくなり、やがて死に至る。発生頻度は、はしか患者10万人に1人とされる。
はしかは接触や飛沫(ひまつ)、空気のいずれでも感染する。はしかウイルスの直径は100-250ナノメートル(ナノは10億分の1)で、飛沫核の状態で空中を飛び、それを吸い込むことで感染するため、マスクでの予防は難しい。唯一の予防方法は、ワクチン接種ではしかに対する免疫をつけておくことだ。
国立感染症研究所の岡部信彦・感染症情報センター長によると、予防接種をしない人が増えると感染が広がる。はしかワクチンは通常、1回接種すれば95%以上の人に免疫ができる。毎年、95%程度の接種率を保てば、患者発生はほぼゼロに抑えられる。
岡部センター長は「はしか患者が20万-30万人いれば、そのうち数人がやがてSSPEを発病する。だが患者が1000人を切れば、この病で亡くなる人がいなくなることにつながる」と説明する。
沖縄では90、91年にはしかが流行した。原因は不明だが、高頻度でSSPEが発生している。SSPEを発症した康太郎さんもこの流行ではしかに感染した。母陽子さん(52)は「はしかの怖さを知らず、予防接種をしなかった姉から(接種前の)弟の康太郎に感染してしまった。いつも後悔している」と話す。
(以上、引用)
インフルエンザが飛沫感染であるのに対して、はしかは空気感染(通常のマスクで予防できない)であることが重要ポイントです。
麻疹ワクチン定期接種対象者
第1期 1歳以上2歳未満
第2期 小学校入学前年度の1年間にあたる子ども
第3期 中学1年生に相当する年齢
第4期 高校3年生に相当する年齢
※第3、4期は08年度から5年間の期限付き措置
※定期接種期間中は無料。厚生労働省は2回接種することを勧めている
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はしか(麻疹(ましん))の予防接種率が伸び悩んでいる。国は接種率95%以上で人口100万人当たりの感染者が1人未満になる「排除」の状態を目指している。だが、09年度の接種率は1歳の定期接種では93・6%と目標に近いものの、13歳と18歳を対象にした追加接種では、それぞれ85・9%、77・0%にとどまった。幼少期のはしか感染には、難病発症の可能性があり、はしかの早期根絶には接種率の向上が鍵を握っている
国立感染症研究所によると、はしか患者は高校や大学で流行した07年に子どもだけで計3133人、08年は成人も含めて計1万1012人に上った。今年の患者数も8月4日現在計326人で、人口100万人当たり約2・7人と流行が続いている。
SSPEは特に学童期に発症することがある中枢神経疾患だ。一度感染したはしかウイルスが脳に潜伏後、SSPEウイルスに変異して数年後に発病。原因は不明で治療法はなく、ゆっくりと神経症状が進んで意識がなくなり、やがて死に至る。発生頻度は、はしか患者10万人に1人とされる。
はしかは接触や飛沫(ひまつ)、空気のいずれでも感染する。はしかウイルスの直径は100-250ナノメートル(ナノは10億分の1)で、飛沫核の状態で空中を飛び、それを吸い込むことで感染するため、マスクでの予防は難しい。唯一の予防方法は、ワクチン接種ではしかに対する免疫をつけておくことだ。
国立感染症研究所の岡部信彦・感染症情報センター長によると、予防接種をしない人が増えると感染が広がる。はしかワクチンは通常、1回接種すれば95%以上の人に免疫ができる。毎年、95%程度の接種率を保てば、患者発生はほぼゼロに抑えられる。
岡部センター長は「はしか患者が20万-30万人いれば、そのうち数人がやがてSSPEを発病する。だが患者が1000人を切れば、この病で亡くなる人がいなくなることにつながる」と説明する。
沖縄では90、91年にはしかが流行した。原因は不明だが、高頻度でSSPEが発生している。SSPEを発症した康太郎さんもこの流行ではしかに感染した。母陽子さん(52)は「はしかの怖さを知らず、予防接種をしなかった姉から(接種前の)弟の康太郎に感染してしまった。いつも後悔している」と話す。
(以上、引用)
インフルエンザが飛沫感染であるのに対して、はしかは空気感染(通常のマスクで予防できない)であることが重要ポイントです。
麻疹ワクチン定期接種対象者
第1期 1歳以上2歳未満
第2期 小学校入学前年度の1年間にあたる子ども
第3期 中学1年生に相当する年齢
第4期 高校3年生に相当する年齢
※第3、4期は08年度から5年間の期限付き措置
※定期接種期間中は無料。厚生労働省は2回接種することを勧めている
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