2021年9月に開催された第34回日本臨床内科医学会で日本臨床内科医会のインフルエンザ研究班がインフルエンザワクチンに関する調査報告を行いました。日本臨床内科医会のインフルエンザ研究班は過去18年間のインフルエンザワクチンの有効性に関するメタ解析を実施して「高齢者では統計学的な発症予防効果が認められないシーズンがあった」と発表しました。
今回の研究では私が前回お伝えしたデータとほとんど同じデータが別の解析方法で解析されました。
すなわち、非接種群に対する接種群の発症リスクレートを18年分積算し、発症リスクレートが95%の確からしさで1以下になる(真ん中の棒線より左側になる)と効果があると判断される方法です。
0~15歳、16~64歳、65歳以上の各年齢層に分割して解析したところ、非接種群に対する接種群の発症リスクレートは0~15歳で0.61(95%CI 0.56~0.67、P<0.0001)、有効率(1-RR)は39%、16~64歳ではRRは0.72(同0.65~0.79、P<0.0001)と有意な発症予防効果が認められましたが、65歳以上では有効性が示されたシーズンは2シーズンのみでした。
インフルエンザワクチンは、65歳以上ではほとんどのシーズンで効果がないということです。
しかしこれは重大な結果をミスリードしています。私が前回お伝えしたインフルエンザワクチンは40歳以上で効果がないというデータとほとんど同じデータを解析していても、16歳から64歳までを同一グループとして解析しているため、本来インフルエンザワクチンの効果が認められていない40歳~65歳も効果があるように誤解されてしまっているのです。
なぜ、0~15歳、16~40歳、40歳~64歳、65歳以上にグループを分けなかったのでしょう。これは解析のミスだと思います。
本当の結論は、インフルエンザワクチンは40歳~64歳、65歳以上で効果がない、と言うことです。
そういう訳で、私は今年もインフルエンザワクチンは接種していません。
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今回の研究では私が前回お伝えしたデータとほとんど同じデータが別の解析方法で解析されました。
すなわち、非接種群に対する接種群の発症リスクレートを18年分積算し、発症リスクレートが95%の確からしさで1以下になる(真ん中の棒線より左側になる)と効果があると判断される方法です。
0~15歳、16~64歳、65歳以上の各年齢層に分割して解析したところ、非接種群に対する接種群の発症リスクレートは0~15歳で0.61(95%CI 0.56~0.67、P<0.0001)、有効率(1-RR)は39%、16~64歳ではRRは0.72(同0.65~0.79、P<0.0001)と有意な発症予防効果が認められましたが、65歳以上では有効性が示されたシーズンは2シーズンのみでした。
インフルエンザワクチンは、65歳以上ではほとんどのシーズンで効果がないということです。
しかしこれは重大な結果をミスリードしています。私が前回お伝えしたインフルエンザワクチンは40歳以上で効果がないというデータとほとんど同じデータを解析していても、16歳から64歳までを同一グループとして解析しているため、本来インフルエンザワクチンの効果が認められていない40歳~65歳も効果があるように誤解されてしまっているのです。
なぜ、0~15歳、16~40歳、40歳~64歳、65歳以上にグループを分けなかったのでしょう。これは解析のミスだと思います。
本当の結論は、インフルエンザワクチンは40歳~64歳、65歳以上で効果がない、と言うことです。
そういう訳で、私は今年もインフルエンザワクチンは接種していません。
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